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キャリア

看護師から看護師以外へ転職|資格が活きる職種と年収の比べ方

ナースひとやすみ 編集部約13分で読めます
目次

看護師以外への転職先は、免許の扱いで3型です。別の資格が要る職業、看護師免許が有利な病院外の職場、免許不問の仕事です。 どれを選ぶか(看護の中に残る道を含む)は、3つの軸の順で決めます。つらさの原因は職場か仕事そのものか、看護師の免許をどこまで使いたいか、年収の下限をどこに置くか。辞めるべきか続けるべきかは、この記事では決めません。

夜勤明けの帰り道に、看護師以外の求人を検索している。せっかく取った資格がもったいない、逃げだと思われるのでは、という迷いには、つらさの原因(軸1)と免許の使い方(軸2)で答えます。

続けたい人は6割台、看護以外を理由に挙げる病院は少数派

日本看護協会「2025年 看護職員実態調査」(会員4,430人が回答、有効回収率34.5%)で、今後も看護職として働き続けたいと答えた人(「とてもそう思う」18.5%+「ややそう思う」44.4%)は62.9%でした。2021年の67.6%より4.7ポイント低くなっています。

「看護職として働き続けたい」と答えた人の割合(年齢別、2025年)

20〜29歳
53.7%
30〜39歳
58.5%
40〜49歳
66.8%
50〜59歳
67.7%
60〜69歳
62.9%

出典: 日本看護協会「2025年 看護職員実態調査」図表1(「とてもそう思う」と「ややそう思う」の合計。当サイトで合算)

20代で続けたいと答えなかった46.3%の内訳は、「あまり・全くそう思わない」25.8%、「わからない」5.0%、無回答・不明15.5%です。会員への調査で、「看護以外へ移りたい」と聞いた設問ではありません。

もう1つは病院側の見立てです。同「2025年 病院看護実態調査」で、2024年度に採用した新卒看護師が年度内に辞めた病院(993施設)の看護管理者が、主な理由(5つまで選択)に挙げた割合は、「他施設への関心・転職」23.0%、「他分野(看護以外)への関心・転職」14.9%でした。新卒看護師の14.9%が看護以外へ移ったという意味ではありません。 理由に挙げた病院の割合です。それでも、別の看護職場より挙げる病院が少ないことは読み取れます。

決める3つの軸と、ケース別の結論

3つの軸は、この順に考えます。つらさの原因が職場なら、看護の中で変える道を先に比べる必要があり、看護の仕事そのものが原因のときだけ、免許と年収の検討に進むからです。免許の使い方で候補の職種が決まり、年収は候補が決まってから比べます。

順軸判定する問い
1つらさの原因辞めたいのは「この職場」か、「患者さんへの対応や責任の重さなど看護の仕事そのもの」か
2免許の使い方看護師の免許・経験を使いたいか。使うなら、要件になる仕事か
3年収の下限夜勤・残業手当を除いた今の月給(所定内給与)から、月いくらまで下がっても生活が成り立つか。夜勤をやめるなら、手当の分は別に引いて考える

軸1は、次の3つの問いで見分けます。

  • 人員が多い・夜勤がないなど別の条件の職場でなら、同じ仕事をやれると思えるか。思えるなら職場、思えないなら仕事そのものです
  • つらさが出るのは、特定の人・時間帯・シフトのときか、患者さんへの対応や責任を負う場面全般か
  • 異動や転職で職場を変えたとき、つらさは変わったか

切り分けの手順は看護師に向いてないと感じたらにもあります。軸2・3を組み合わせた結論は次のとおりです。型A=別の資格が要る職業、型B=看護師免許が要件・有利な病院外の職場、型C=免許不問の仕事です(詳しくは次の節)。

状況現実的な出口
職場の条件(人間関係・夜勤・残業)が原因で、看護の仕事自体は嫌いでない看護の中で職場や働き方を変える(型Bの病院外の職場も候補)。看護以外を急ぐ理由は小さい(看護師が辞めたいと思ったときの対処法)
看護の仕事そのものが原因で、免許は活かしたい。資格の取得にかかる期間・費用・収入減を負えない型B(看護師免許のまま移れる。対人の責任が残る職場もあり、重いときは型Cも比べる)
同上で、期間・費用・収入減を負える型A。同じ経験年数どうしの5〜9年の基本年収は、保健師・助産師が看護師と同等以上、ケアマネジャーが約60万円低い(下の年収の節)。保健師・助産師は対人の責任が残る
看護の仕事そのものが原因で、免許にこだわらない。月3〜4万円の減までなら受け止められる(所定内給与の月額ベース。夜勤手当がなくなる人は手当の平均月3.3万円を足して読む)型Cの事務職(下の月額の比較)
同上で、年収を下げられない型Cのうち営業(その他)(所定内給与の月額では入り口が約2.7万円高いが、夜勤手当がなくなる人は看護師とほぼ同水準)、または看護の中に残る
眠れない・食欲がないなど体調に出ている職種を決める前に、休む・受診する選択を先に置く(うつ・メンタル不調で転職を考えるとき)

免許の扱いで、移る先は3つに分かれる

型免許・経験の扱い例(詳しい記事)
A別の免許や、看護師等の実務経験が受験の要件になる職業助産師、産業保健師、行政保健師、ケアマネジャー、養護教諭
B看護師の免許・経験が要件、または有利になる病院以外の職場企業看護師、治験コーディネーター、健診センター、保育園
C免許不問(事務・営業・販売・IT など)看護の経験は応募条件に入らないので、職務経歴書で言い換える

保健師・助産師は、保健師助産師看護師法7条により、看護師国家試験に加えて保健師・助産師の国家試験に合格して免許を受ける必要があります。看護師免許だけでは名乗れません。

型Bは、看護師免許のまま移れる病院外の職場で、病棟や夜勤から離れたい人の出口です。患者さんへの対応や責任の重さの残り方は職場で違うので、看護の仕事そのものが重いときは型Cも含めて比べます。型Aの保健師・助産師も看護の専門職で、対人の責任は残ります。養護教諭の収入の推移は看護師から養護教諭になるにはで確認してください。

年収はどう変わるのか

先に限界を書きます。職種別の統計は「いまその職種で働いている人」の平均で、看護師から移った人の転職後の年収ではありません。そうした統計は見つかりませんでした。代わりに、職種別の水準を「入り口の所定内給与の月額」と「長く続けた先の基本年収」の2つで比べます。夜勤をやめる場合は、手当の分が別に減る可能性があります。比較には、厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」の職種別・経験年数階級別の表を使います。

経験年数は、その職種の仕事に従事した年数(過去の分も通算)です。「0年」は就いて1年未満の人で、新卒も含むため、下限の目安として読みます。年間賞与は調査前年の実績なので0年は小さく出ます(看護師は0年11.4万円、1〜4年77.9万円)。そこで入り口は賞与と所定外給与(夜勤・交替手当など)を除く、所定内給与の月額で比べます。

経験0年の所定内給与(月額・賞与と所定外を除く、職種別)

営業(その他)
34.2万円
看護師(経験5〜9年)
31.5万円
助産師
31.3万円
一般事務
29.3万円
総合事務員
27.9万円
看護師(経験0年)
27.8万円
ケアマネ
27.5万円
保健師
27.0万円
保育士
24.1万円
販売店員
23.1万円
介護職員
21.9万円

出典: 厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」第14表(一般労働者・企業規模10人以上・男女計)。看護師(経験5〜9年)以外は経験0年。営業(その他)は自動車・機械器具通信システム・金融・保険を除く「その他の営業職業従事者」、保健師は標本が約720人、一般事務は「その他の一般事務従事者」、介護職員は「医療・福祉施設等」

次に、長く続けたときの基本年収(所定内給与×12+年間賞与)です。

職種経験5〜9年経験15年以上伸び
看護師457.9万円531.1万円+73.2万円
保健師523.2万円599.2万円+76.0万円
助産師466.6万円564.9万円+98.3万円
ケアマネジャー398.4万円454.6万円+56.2万円
総合事務員468.1万円617.6万円+149.5万円
営業(その他)597.9万円730.3万円+132.4万円
保育士400.3万円479.5万円+79.2万円
介護職員358.2万円414.3万円+56.1万円
販売店員338.4万円430.2万円+91.8万円

出典: 厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」第14表(一般労働者・企業規模10人以上・男女計)。営業は上のグラフと同じ区分で、営業系の中でも高い区分です。保健師・助産師・ケアマネジャーは標本が少ない階級があり、ぶれがあります

読み取れるのは次の点です。

  • 経験5〜9年の看護師の平均は月31.5万円です(1〜4年は30.5万円、10〜14年は32.7万円)。入り口は、事務職が2.2〜3.6万円、ケアマネジャーが約4.0万円、保育士・販売店員・介護職員が7〜10万円低く、営業(その他)は約2.7万円高い値です。
  • 型Aの保健師は、入り口が27.0万円で看護師5〜9年より約4.5万円低い一方、5〜9年の基本年収は523.2万円と看護師の457.9万円を上回ります。賞与の差が大きい職種です。助産師は入り口が31.3万円で看護師5〜9年と同程度、5〜9年の基本年収は466.6万円です。いずれも同じ経験年数どうしの比較で、看護師のまま15年以上続けた531.1万円と比べると、保健師5〜9年はほぼ同じ、助産師5〜9年は下回ります。
  • 看護師の平均年収524.7万円(同調査の値から算出: 月365.9千円×12+年間賞与856.4千円、平均年齢42.1歳)のうち、時間外・深夜・休日・宿日直・交替手当にあたる所定外給与は月32,700円(年約39万円)です。夜勤のない職場へ移ると、この分が減る可能性があります(事務や営業にも残業代はあります)。
  • 経験5〜9年から15年以上への伸びは、看護師73.2万円に対し、総合事務員149.5万円、営業132.4万円で、看護師は約半分です。
  • 言えないこと: 転職した人の実際の年収、経験者採用での評価、男女・年齢構成の違い、パートや企業規模10人未満の水準です。

転職すると賃金がどう動くかは、別の統計で見ます。厚生労働省「令和7年雇用動向調査」では、転職者の賃金は前職より増えた人が40.8%、減った人が31.0%、変わらない人が25.5%でした。年齢で差があります(5歳刻みの抜粋)。

年齢増えた減った
25〜29歳49.8%23.9%
35〜39歳43.5%23.9%
40〜44歳44.9%27.4%
45〜49歳41.1%30.1%
50〜54歳29.4%42.0%

出典: 厚生労働省「令和7年雇用動向調査結果の概況」表6(全産業の転職入職者。同じ業種内の転職を含み、看護師から他職種への転職に限りません)

看護師の平均年齢42.1歳は、40〜44歳の階級にあたります。50〜54歳では、減った人(42.0%)が増えた人(29.4%)を上回ります。

看護以外へ移るときの進め方

1. 看護師に戻る道を残したまま動く

手順:

  1. 離職時はナースセンターへの届出が努力義務(看護師等の人材確保の促進に関する法律16条の3)なので、方法を確認する(ナースセンターの届出制度と使い方)
  2. ブランクの長さごとの戻り方を調べておく(看護師のブランク復職)
  3. 生活費の何か月分で動くかを数字で決める
⚠️ つまずきやすい落とし穴:「いつでも戻れる」と考えて、退職後の無収入期間を見積もらない

免許があっても、希望の職場にすぐ戻れるとは限りません。たとえば「半年で次を決める」つもりで辞めたのに、条件が合わず1年かかると、貯蓄の取り崩しが焦りを生み、妥協して入った職場で再び辞めたくなることがあります。回避するには、辞める前に、家賃・光熱費・保険料・税金などの固定費を月額で合計し、貯蓄がその何か月分あるかを確かめます。そのうえで「何か月までなら無収入でも動けるか」を決め、その月数を超えたら応募の条件を見直す、という基準を先に置きます。失業給付は看護師の失業保険と退職後の手続きで整理しています。

2. 看護経験を、看護以外の言葉に置き換える

手順:

  1. 直近3年の業務を書き出す
  2. 応募先の求人の言葉で言い換える
  3. 数字を1つ入れる(職務経歴書の「業務内容」の各項目の末尾に書く)
看護の言葉置き換えた言葉数字の入れ方
病棟での優先順位づけ同時に進む複数の業務の優先順位づけ受け持ち人数・時間帯
多職種カンファレンス部門間の調整と合意形成参加職種の数
患者・家族への説明専門用語を使わない顧客への説明1日あたりの件数
インシデント報告事実の記録と再発防止の提案提出した件数
⚠️ つまずきやすい落とし穴:型Cに「看護師の経験○年」だけを書いて出す

事務や営業の採用担当者は、病棟の用語を知らない前提で書類を読みます。「急性期病棟で10年、重症患者を担当」とだけ書くと、強みが伝わらず、「前職は医療職」という印象で止まります。上の表のように、業務の中身を相手の業界の言葉に置き換え、数字(受け持ち人数など自分の実際の値)を添えてください。型Aや型Bでは看護経験そのものが評価の中心なので、置き換えずに具体的な経験を書くほうが伝わります。書き方の全体は看護師の職務経歴書の書き方にあります。

3. 年収は「基本年収」で比べる

手順:

  1. 前年分の源泉徴収票の支払金額、または直近12か月の給与明細・賞与明細の総支給額の合計を出す
  2. 明細から夜勤手当・時間外手当・休日出勤手当の年額を引く(残りが基本年収)
  3. 求人の想定年収(月給×12+賞与)と比べる
  4. 家計は別に確かめる。夜勤をやめるなら手当はゼロになる前提で新しい月収を出し、家賃・ローン・貯蓄と照らす

たとえば総支給額の年合計が520万円で、夜勤・時間外・休日の手当の年合計が40万円なら、基本年収は480万円です。

⚠️ つまずきやすい落とし穴:職の水準の差と、家計の減り方を同じ数字で考える

比べる物差しは2つあります。職としての水準は基本年収の差で、家計の減り方は手当を含む実際の月収の差です。たとえば今の月収36万円(うち所定外給与が平均並みの3.3万円)と求人票の月給30万円を比べます。基本の月給は約32.7万円なので、職の水準の差は約2.7万円です。しかし夜勤をやめて手当がゼロになるなら、家計の減りは6万円で、夜勤の回数が多い人ほど大きくなります。夜勤が残る転職先なら、手当が残るので前者に近づきます。求人の月給に固定残業代が含まれていないか、賞与が初年度は満額か日割りかも、応募前に確かめてください。求人票の見方は看護師の求人票の見方にあります。

失敗例・よくあるNG

  • 「経験者歓迎」を「免許が評価される」と読む: 歓迎は「あると有利」、要件は「ないと応募できない」という意味です。応募の前に要件を確かめます。
  • 要件を確かめずに退職する: 型Aを目指して退職したあと、受験資格や養成課程の入学条件が足りないと気づくと、無収入の期間だけが延びます。個別の記事で要件と期限を確認してから、退職日を決めてください。

Q&A

Q. 看護師以外の仕事に移ると、年収は下がりますか?

A. 職種で違い、一律には言えません。入り口の所定内給与(賞与と所定外を除く月額)は、経験5〜9年の看護師より事務職が2.2〜3.6万円低く、営業(その他)が約2.7万円高い値です(厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」)。夜勤を外すと、所定外給与(月32,700円)の分も減ります。

Q. 40代・50代でも看護師以外の仕事に移れますか?

A. 看護師が看護師以外へ移れるかどうかを年齢別に示す統計は、見つかりませんでした。参考として、全産業の転職者の賃金変動は年齢で差があり、50〜54歳は減った人(42.0%)が増えた人(29.4%)を上回ります(厚生労働省「令和7年雇用動向調査」の年齢別の表)。看護師から他職種への転職に限った数字ではなく、個人の結果は職種・経験・条件で大きく変わります。

Q. 看護師免許を使わないと、失効しますか?

A. 保健師助産師看護師法には、免許の更新を定めた条文は見当たりません。取消しの定めは同法14条にあります。離職時はナースセンターへの届出が努力義務です(看護師等の人材確保の促進に関する法律16条の3)。詳しくはナースセンターの届出制度と使い方を確認してください。

看護師免許を使う働き先の条件を、先に比べておく

まだ転職するか決めていなくても、看護師免許を使う職場の勤務時間や年収の条件を並べて比べておくと、3つの軸のどこを優先するかが見えやすくなります。

まとめ

  • 決める軸は3つ: つらさの原因(職場か仕事そのものか)、免許の使い方、年収の下限の順に考えます
  • 移る先は3型: 型Aは別免許や受験要件、型Bは看護師免許が要件・有利になる病院外の職場、型Cは免許不問です
  • 年収は2つの物差しで比べる: 職の水準は、入り口を所定内給与の月額、長く続けた先を基本年収で見ます。家計は、夜勤手当がなくなる前提の実際の月収で確かめます

状況別の次の一歩です。

参考文献

  1. 厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」第14表(職種・性・経験年数階級別。e-Stat)(2026-10-06 閲覧)
  2. 厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」第1表(職種別。e-Stat。看護師の平均年収・所定外給与の算出に使用)(2026-10-06 閲覧)
  3. 厚生労働省「賃金構造基本統計調査で使用されている主な用語の説明」(経験年数・所定内給与額の定義)(2026-10-06 閲覧)
  4. 厚生労働省「令和7年雇用動向調査結果の概況」表6(2026年8月31日公表)(2026-10-06 閲覧)
  5. 日本看護協会「2025年 看護職員実態調査」結果(2026年3月31日)図表1・図表2(2026-10-06 閲覧)
  6. 日本看護協会「2025年 病院看護実態調査」報告書(調査研究報告No.102)表36(2026-10-06 閲覧)
  7. 保健師助産師看護師法(昭和23年法律第203号)7条・14条(e-Gov法令検索)(2026-10-06 閲覧)
  8. 看護師等の人材確保の促進に関する法律(平成4年法律第86号)16条の3(e-Gov法令検索)(2026-10-06 閲覧)