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転職ガイド

NICU看護師の求人と転職|治療室の区分・施設数・必要な経験

ナースひとやすみ 編集部約13分で読めます
目次

NICU看護師の求人は、NICUを持つ一般病院338施設(2023年)の中から探すことになります。必須の資格はなく、看護師も助産師も働けます。国の基準では、NICU(新生児特定集中治療室)に助産師または看護師を入院患者3人につき1人以上、常時配置します。一般病院に占める割合は4.8%です。

「小さく生まれた赤ちゃんの看護をしたい」「小児病棟や産科、成人のICUで働くうちに、新生児医療を深めたくなった」。そう思って求人を探しても、「NICU」の記載だけでは、どの区分の治療室なのか、自分の経験で入れるのかは分かりません。応募先を絞る前に確かめる点を、告示・通知と統計で整理します。

NICUを持つ一般病院の割合(338施設)。21施設に1施設ほどにあたる4.8%

厚生労働省「令和5(2023)年 医療施設(静態・動態)調査・病院報告の概況」表17(2023年)

NICUの看護配置——常時3対1が意味すること

診療報酬の施設基準(厚生労働省告示「基本診療料の施設基準等」)では、NICUの治療室にいる助産師または看護師の数は、常時、入院患者3人またはその端数ごとに1人以上とされています。入院している赤ちゃんが6人なら2人以上、7人なら3人以上です。「常時」なので、日中だけでなく夜勤の時間帯も同じ割合が必要です。

同じ告示では、成人の特定集中治療室(ICU)の看護師は常時2人につき1人以上です。一般病棟の7対1入院基本料は、1日を通じて看護を行う看護職員の数を7人につき1人以上とする基準で、NICUのように「その時点の配置」を数える基準とは数え方の単位が違います。NICUの3対1は、ICUの2対1より、1人の看護師が見る人数が多い配置です。

施設基準の通知では、NICUの治療室で勤務する看護師は、その時間帯に治療室以外の夜勤を併せて行わないとされています。病棟の夜勤と掛け持ちせず、NICUに専念する働き方です。治療室には新生児用の人工換気装置、微量輸液装置、光線治療器などを常に備えることが求められ、看護師はこれらの機器を使った観察とケアを担います。

治療室の区分で比べる——NICUとGCUの違い、重症児の病床

「NICUの求人」と一口に言っても、診療報酬の区分によって、受け入れる赤ちゃんの重さと看護配置が違います。応募先を比べるときは、次の3つの基準で見ると違いがはっきりします。

  • 看護配置:1人の看護師が見る人数
  • 医師の体制:医師が常にどこにいるか
  • 要件(実績):その治療室に来る赤ちゃんの重さや手術の実績
治療室の区分看護配置(助産師または看護師)医師の体制主な要件(直近1年の実績ほか)
NICU(新生児特定集中治療室管理料1)常時3対1以上専任の医師が常時、治療室内に勤務(宿日直の医師は不可)出生体重1,000g未満の新規入院4件以上、または開胸・開頭・開腹などの手術6件以上
NICU(新生児特定集中治療室管理料2)常時3対1以上専任の医師が常時、院内に勤務(宿日直を含む)出生体重2,500g未満の新規入院30件以上(周産期母子医療センターは25件以上)
重症児対応体制強化の病床常時2対1以上新生児の集中治療の経験5年以上の医師2名以上を含む体制出生体重750g未満の新規入院4件以上、手術6件以上、人工呼吸管理(経鼻的持続陽圧呼吸療法を除く)の新規入院30件以上の全て
総合周産期のNICU(新生児集中治療室管理料)常時3対1以上管理料1と同じ(専任の医師が常時、治療室内)管理料1の要件を満たし、総合または地域の周産期母子医療センターで、治療室が6床以上
GCU(新生児治療回復室)常時6対1以上小児科の専任の医師が常時NICUの管理料か総合周産期の管理料を届け出ている病院の治療室

出典:厚生労働省告示「基本診療料の施設基準等」、「基本診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて」(2026年3月5日 保医発0305第7号)第5〜第7。診療報酬の改定のたびに見直される

この表から分かるのは、同じNICUでも、管理料1と管理料2では来る赤ちゃんの重さが違うことです。管理料1は1,000g未満の赤ちゃんや手術の実績を求め、管理料2は2,500g未満の赤ちゃんの受け入れが中心です。重症児対応体制強化の病床は、750g未満の赤ちゃんなどを受け入れ、看護配置は2対1とさらに手厚くなります。GCUはNICUで状態が安定した赤ちゃんを受け入れる回復室で、配置は6対1です。

応募先の区分は、地方厚生局が公開している施設基準の届出受理の一覧や、病院の公表情報で確かめられることがあります。

求人の母数——NICUは338施設、1施設あたりの病床は増えた

避けて通れないのが職場の数の少なさです。厚生労働省の医療施設調査で、3時点の推移を見ます。

年NICUのある一般病院病床数1施設あたり病床9月中の取扱患者延数稼働の目安
2017年353施設3,289床9.3床70,313人71.3%
2020年352施設3,394床9.6床72,530人71.2%
2023年338施設3,360床9.9床65,604人65.1%

出典:厚生労働省「医療施設(静態・動態)調査・病院報告の概況」平成29年・令和2年は表23、令和5年は表17(いずれも一般病院の特殊診療設備の保有状況、各年10月1日現在)。1施設あたり病床と稼働の目安(延べ患者数÷(病床数×30日))は編集部で算出

2017年から2023年で、施設は15減り、病床は71床増えました。1施設あたりの病床は9.3床から9.9床で、小さな部署のまま、少し大きくなっています。ただし2020年から2023年だけを見ると、施設は14、病床は34減っています。病床が増えたと言えるのは2017年との比較で、直近は縮小方向です。

稼働の目安は2023年に65.1%で、2020年より下がりました。この統計だけでは、下がった理由までは分かりません。配置の基準は入院患者の数で決まるので、稼働が下がれば必要な人数も変わります。応募先の稼働と、勤務の組み方は、面接で聞いておきたい点です。

NICUの探し始めには、都道府県が指定する周産期母子医療センターの一覧が手がかりになります。2026年4月1日時点で、総合周産期母子医療センターは113か所、地域周産期母子医療センターは298か所です。合計411か所はNICUを持つ一般病院338施設より多く、センターの指定とNICUの有無は別の区分なので、足し引きはできません。センターの中からNICUを届け出ている病院を探し、通える範囲の候補を並べます。小児科全体の職場の種類と求人の見極め方は、小児科看護師への転職ガイドで整理しています。

NICU看護師に必要な資格と経験——必須の資格はなく、助産師も配置に数えられる

NICUで働くのに、看護師免許のほかに必須の資格はありません。施設基準の看護配置は「助産師又は看護師」の数で数えるので、助産師も看護師も同じNICUの配置に入ります。逆に、助産師の資格を持つ人がNICUで働く道もあります。助産師の資格の取り方は看護師から助産師になるにはで確かめられます。

看護師としての経験年数も、施設基準の通知(第5〜第7)の管理料の条件には見当たりません。経験年数の条件があるのは医師側です(重症児対応の病床で、新生児の集中治療の経験5年以上の医師2名以上)。実際の採用条件は病院ごとに違うので、新生児の経験がなくても応募できるかは、求人票と面接で確かめます。

専門性を示す資格として、日本看護協会の新生児集中ケア認定看護師があります。入職の条件ではなく、経験を積んだ後に目指す資格です。認定看護師の人数と全体像は認定看護師・専門看護師は何人いる?や小児科看護師のガイドで整理しています。

NICU看護師の年収・給料——NICU単独の公的な統計は無い

NICUの看護師だけの年収を示した公的な統計はありません。物差しにできるのは、看護師全体の平均年収524.7万円(2025年。厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」をもとに編集部算出)です。平均年齢42.1歳の集団の値なので、経験の浅い人は届かないのが普通です。年齢別の見方は看護師の平均年収にまとめています。

NICUは常時の配置が必要なので、夜勤を含む交代勤務が前提になりやすい職場です。夜勤手当は、定額の夜勤手当を支給している病院(2,602病院)の二交代制で、1回あたり平均11,470円です(日本看護協会「2025年 病院看護実態調査」表58)。病院全体の平均で、NICUだけの額ではありません。調査と集計の条件が違う11,815円(日本看護協会「2024年度 看護職員の賃金に関する実態調査」)という数字との違いは、看護師の夜勤手当の相場で説明しています。NICUに特別な手当を付ける病院があるかは公表された統計が無いので、求人票で夜勤の回数、夜勤手当、特殊勤務手当の有無を見比べるのが現実的です。

状況別の選び方——どの治療室から入るか

「理由」は、告示と通知の要件を踏まえた編集部の見立てです。

あなたの状況候補になる治療室理由(編集部の見立て)引き換えになること
小児病棟の経験があり、新生児の重症管理を学びたいNICU(管理料2、または教育の期間を確かめた管理料1)2,500g未満の赤ちゃんの受け入れが中心の治療室から、段階的に経験を積める管理料2では、超低出生体重児の経験は積みにくい
成人のICUの経験があり、集中治療を活かしたいNICU(まず管理料2。管理料1は教育の期間を確かめてから)機器を使う集中治療は近いが、新生児特有の観察は一から学ぶ。最初の負担を抑えられる同じ集中治療でも、扱う重さや看護の視点が違う
助産師の資格があり、出生直後から関わりたい総合周産期母子医療センターのNICU・GCU産科と同じ病院にあり、出生前後の連携があるセンターは113か所で、求人が出る施設が限られる
750g未満の超低出生体重児の看護に関わりたい重症児対応体制強化の病床がある病院2対1の配置と実績要件があり、受け入れる病院が限られる重症の赤ちゃんの看護が中心になる
夜勤を避けたいNICU・GCUは合いにくい。外来や産科外来なども並べて比べる24時間の常時配置のため、夜勤を含む交代勤務が前提になりやすいNICU・GCUで新生児を看る経験は積めない

ICUからの転職を考えている人は、成人の集中治療との違いも含めてICU看護師への転職ガイドも参考になります。

NICUの求人を探す手順

手順は次の4段階です。

  1. 通える範囲の周産期母子医療センターを、厚生労働省の「周産期母子医療センター一覧」で確かめる
  2. 各病院の看護部の採用情報で、NICU・GCUへの配属の可能性を見る
  3. 求人票で、「NICU配属」の明記、夜勤の回数と手当を比べる(見方は看護師の求人票の見方)
  4. 面接で、区分と教育の期間を聞く(質問の例は看護師の面接でよく聞かれる質問と回答例)
  • 面接で最低限聞く2点:「NICUは管理料1と2のどちらで届け出ていますか」「NICUが初めての看護師は、独り立ちまでどのくらいの期間をかけていますか」。余裕があれば、病床数、最近の稼働、夜勤の人数を聞く
  • 求人票に夜勤の回数が書かれていない場合は、面接で「月の夜勤回数と、夜勤の人数」を聞く
⚠️ つまずきやすい落とし穴:NICU希望で入職しても、配属が約束されない

NICUのある病院に採用されても、配属先は病院が決めるのが一般的です。NICUは1施設あたり平均約9.9床と小さな部署なので、欠員が出なければ、小児病棟や産科病棟、GCUから始まることもあります。「NICU配属」と求人票に書かれているか、書かれていなければ、NICUへの異動の希望はいつ出せるのかを面接で確かめておきましょう。GCUは新生児の看護に慣れる場でもあるので、GCUからの配属を前向きに考えるのも1つの方法です。

⚠️ つまずきやすい落とし穴:治療室の区分を確かめずに応募する

同じ「NICU」でも、管理料1と2、重症児対応の病床の有無で、受け入れる赤ちゃんの重さが違います。超低出生体重児の看護を学びたいのに、2,500g未満の赤ちゃんが中心の治療室に入ると、思っていた経験が積みにくいことがあります。逆に、新生児の看護が初めてなのに、最重症の赤ちゃんを受け入れる治療室にいきなり入ると、教育の体制によっては負担が大きくなります。届け出ている区分と教育の体制は、セットで確かめてください。

NICUへの転職で避けたい失敗例

  • 失敗例1:病院の数だけを見て、1か所に絞る → NICUのある病院は限られ、1か所に絞ると、募集が出ていない間は選択肢がなくなります。センターの一覧から複数の候補を並べておきます
  • 失敗例2:「NICUは助産師でないと働けない」と思い込み、応募を見送る → 看護配置は「助産師又は看護師」で数え、看護師のままでも働けます。看護師を対象にした求人を見逃さないようにします
  • 失敗例3:夜勤の組み方を聞かずに入職する → 常時配置のため夜勤を含む交代勤務になりやすく、夜勤の回数が想定と違うと続けにくくなります。入職前に、月の夜勤回数と夜勤の人数を確かめます

よくある質問

Q. NICUの看護師になるのに必要な資格はありますか?

A. 看護師免許のほかに必須の資格はありません。助産師も看護師も働けます。新生児集中ケア認定看護師は、入職の条件ではなく、経験を積んだ後に目指す資格です。

Q. 新生児の経験がなくても、NICUに転職できますか?

A. 病院ごとの採用条件しだいです。国の施設基準(通知 別添4 第5〜第7)の管理料の条件に、看護師の経験年数は見当たりません。採用条件は病院ごとに違うため、「未経験可」の記載や教育の期間を求人票で確かめ、面接で独り立ちまでの期間を聞きます。最初は2,500g未満の赤ちゃんが中心の管理料2や、GCUを持つ病院から探す方法もあります。

Q. NICUの看護師の求人は多いですか?

A. 求人の数そのものは示せませんが、母数になるNICUを持つ一般病院は338施設で、多くはありません。一般病院7,065施設の4.8%です(2023年)。2017年から施設数は15減りました。まず通える範囲の周産期母子医療センターを確かめるところから始めます。

Q. NICUの看護師の年収は高いですか?

A. NICUの看護師だけの公的な統計は無く、高い・低いのどちらも言えません。看護師全体の平均年収は524.7万円(2025年)です。NICUは夜勤を含む交代勤務になりやすいので、応募先の夜勤の回数と手当を求人票で比べてください。

NICUの求人は、配属先の明記で比べ、区分は面接で確かめる

NICUのある病院は限られ、配属や教育の体制も病院ごとに違います。求人票で配属先がNICUと明記されているかを見比べ、治療室の区分と教育の期間は面接で確かめると、応募先を絞りやすくなります。

まとめ

  • NICUの看護配置は常時3対1以上(重症児の病床は2対1、GCUは6対1)。数えるのは「助産師又は看護師」で、必須の資格はなく、治療室の管理料の施設基準にも看護師の経験年数の条件は見当たらない
  • NICUを持つ一般病院は338施設・3,360床(2023年)。2017年から施設は15減り、1施設あたりの病床は9.3床から9.9床になった
  • 応募先は、周産期母子医療センター(総合113・地域298)から探し、治療室の区分・教育の期間・配属の約束を確かめる

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