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看護師の夜勤手当の相場|二交代1回11,815円と月額3万円台の実額

ナースひとやすみ 編集部約11分で読めます
目次

看護師の夜勤手当は、病院が定める1回あたりの額で二交代制11,815円、三交代制は準夜勤4,567円・深夜勤5,715円が平均です(日本看護協会「2024年度 看護職員の賃金に関する実態調査」)。ただし収入として効いてくるのは1回の単価ではなく月の合計で、実際に夜勤をしている病院勤務者が2025年1月に受け取った夜勤手当は平均32,192円でした。1回の額・回数・手当の形——この3つを分けて見ないと、求人票の「夜勤手当あり」は比べられません。

「1回いくら」の相場は、二交代11,815円・三交代は準夜4,567円/深夜5,715円

二交代制夜勤(平日)1回あたりの手当額の平均11,815円

日本看護協会「2024年度 看護職員の賃金に関する実態調査」表58(2024年)

この額には22時から5時までの深夜割増が含まれ、夜勤回数に応じた加算は除かれています。三交代制は準夜勤(おおむね16時〜24時)が4,567円、深夜勤(おおむね0時〜翌9時)が5,715円で、深夜勤のほうが1,148円高い。深夜帯にまるごと入る勤務ほど手当が厚くなる構造です。

勤務形態別 夜勤1回あたりの手当額(平日・病院の平均)

三交代・準夜勤
4,567円
三交代・深夜勤
5,715円
二交代・夜勤
11,815円

出典: 日本看護協会「2024年度 看護職員の賃金に関する実態調査」表56〜58(深夜割増を含む/回数加算は除く)(2024年)

二交代の11,815円は三交代の準夜勤2.6回分にあたりますが、二交代の夜勤は1回16時間前後に及びます。「1回が高い」のではなく、1回が長い。時間あたりに引き直すと差は縮みます。二交代と三交代のどちらが自分に合うかは、手当の額より勤務の組み立て方で決めたほうが納得しやすいはずです。

「11,815円」「11,470円」「32,192円」——どれが自分の数字か

夜勤手当を調べると複数の金額が出てきますが、それぞれ測っているものが違います。

金額出典何を測った数字か
11,815円日本看護協会「2024年度 看護職員の賃金に関する実態調査」表58回答病院3,471のうちこの設問に回答した約2,600病院が定める二交代1回あたりの額の平均(平日・深夜割増込み)
11,470円日本看護協会「2025年 病院看護実態調査」図表13「定額の夜勤手当を支給している」と答えた2,602病院に絞った平均。調査・年次・設問の立て方が上と違う
32,192円同「2024年度 看護職員の賃金に関する実態調査」表207夜勤をしている病院勤務者(正規雇用フルタイム)が2025年1月に実際に受け取った1か月分の合計

上2つは病院が制度として定めた額、いちばん下は個人の給与明細に出た額です。求人票の「夜勤手当11,000円」と自分の明細を比べるときは、上2つと同じ土俵の数字かどうかを最初に確かめてください。

ちなみに定額の夜勤手当は2010年の10,745円から2025年の11,470円まで、15年間で725円しか動いていません(同「2025年 病院看護実態調査」図表13)。相場を調べる目的が「上がるのを待つかどうか」なら、待つ側の見通しは明るくないということです。

月にいくら増えるのか——夜勤は月4回前後、実額は3万円台

1回の額に月の回数を掛けると、収入への寄与が見えます。夜勤回数も同じ調査で測られています。

勤務形態1回あたり(病院の平均)月の夜勤回数(平均)掛け算の目安
二交代制(16時間未満)11,815円4.2回約49,600円
二交代制(16時間以上)11,815円4.4回約52,000円
三交代制 準夜勤4,567円3.9回約17,800円
三交代制 深夜勤5,715円3.7回約21,100円
三交代制 合計—7.6回約38,900円

回数は日本看護協会「2024年度 看護職員の賃金に関する実態調査」表209、1回あたりの額は同表56〜58。掛け算は本記事による試算です。

では実際はどうかというと、同じ調査で個人が2025年1月に受け取った夜勤手当の平均は勤務形態別に次のとおりでした。

2025年1月に支給された夜勤手当額(病院勤務・正規雇用フルタイム)

日勤のみ
8,520円
三交代制
29,648円
二交代16h未満
30,724円
二交代16h以上
34,092円
夜勤専従
67,496円

出典: 日本看護協会「2024年度 看護職員の賃金に関する実態調査」表207(22時〜5時の深夜割増を含めた夜勤手当の総額)(2024年)

※ 夜勤専従はn=17の平均で、振れ幅が大きい参考値です。

二交代の実額34,092円は、掛け算の目安52,000円より約1万8千円低い。これは平均回数を割り込む月があるためで、「夜勤手当が月5万円つく職場」は平均的な回数をこなして初めて成り立つ額だと分かります。求人票の夜勤手当から月収を見積もるときは、単価×回数の満額ではなく、その6〜7割程度(三交代なら約76%、二交代なら約62〜66%)を現実的な線として置いたほうが外しません。

年代でも差があります。24歳以下は26,804円、25〜29歳は37,085円。新人は夜勤に入り始める時期が遅く、独り立ちまでの回数が少ないためで、入職1年目の手当だけで職場を評価しないほうがよいでしょう。

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同じ「11,000円」でも中身が違う——手当の"形"を確かめる

夜勤手当がいくらかと同じくらい重要なのが、その手当が何を含んでいるかです。日本看護協会「2025年 病院看護実態調査」図表12によると、平日の夜勤1回に支払う手当の形は次のように分かれています(n=3,502)。

  • 深夜時間帯(22時〜5時)の割増賃金を含む定額の夜勤手当を支給:52.0%
  • 深夜時間帯の割増賃金とは別に定額の夜勤手当を支給:31.2%
  • 深夜時間帯の割増賃金のみで、夜勤手当は支給していない:4.5%
  • 上記にあてはまるものはない:7.7%/無回答・不明:4.6%

労働基準法第37条第4項は、午後10時から午前5時までに働かせた場合、通常の賃金の計算額の2割5分以上の割増賃金を支払うことを定めています。深夜割増は法律上支払われるもので、夜勤手当はそれとは別に職場が独自に設けるものです。

つまり同じ「夜勤手当11,000円」でも、52.0%の病院では11,000円の中に法定の深夜割増が入っている一方、31.2%の病院では深夜割増が別に付きます。後者のほうが手取りは厚くなります。求人票の額面だけでは、この差は見えません。

大きい病院ほど夜勤手当は低い——規模で1回2,000円の差

意外に思われるかもしれませんが、二交代制夜勤の手当額は病床規模が大きいほど低くなります。

病床規模別 二交代制夜勤(平日)1回あたりの手当額

99床以下
12,243円
100〜199床
12,255円
200〜299床
11,597円
300〜399床
11,369円
400〜499床
10,676円
500床以上
10,165円

出典: 日本看護協会「2024年度 看護職員の賃金に関する実態調査」表58(2024年)

※ 差が見えるようグラフの起点は0円ではありません。最大と最小の差は2,090円で、バーの長さの比ほど金額は離れていません。

100〜199床の12,255円に対し、500床以上は10,165円。1回で2,090円、月4回なら8,360円の差です。地域差はさらに大きく、東京都特別区が14,190円、政令指定都市・中核市が12,038円、それ以外の市が11,700円でした。

規模と手当が逆向きに動くのは、大規模病院では基本給と賞与が厚いためと考えるのが自然です。厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」では、企業規模1,000人以上の看護師の年間賞与が1,057,100円、10〜99人では624,200円。大きい職場は固定給で、小さい職場は夜勤手当で報いるという設計の違いが読み取れます。夜勤手当の高さだけで職場を選ぶと、年収では負けることがあるということです。

夜勤手当を収入に効かせるための3つの確認

1. 単価ではなく月額で計算しなおす(所要15分)

  • 手順:①直近3か月の給与明細から夜勤手当の欄を書き出す → ②同じ月の夜勤回数を勤務表で数える → ③手当÷回数で自分の単価を出す → ④単価×平均回数で「ふつうの月」の額を確定する
  • 見本:「深夜割増込みで1回11,000円、月4回で44,000円。求人票の12,000円なら月4,000円増」と、比較を必ず月額まで持っていきます
⚠️ つまずきやすい落とし穴

明細の「夜勤手当」だけを見て計算すると、実態から外れます。深夜割増が別建ての職場では、割増分が「深夜手当」「時間外手当」など別の欄に入っているためです。日本看護協会の調査では、22時〜5時の割増賃金について「定額部分に加えて、個人別の基礎額から算出した深夜の割増賃金を支払っている」病院が33.3%ありました。この場合、夜勤1回で入るお金は手当欄の額より大きい。比べるべきは「夜勤をした月」と「夜勤がなかった月」の総支給額の差です。夜勤専従の月がない人は、回数が多い月と少ない月の差額から1回あたりを逆算してください。

2. 「夜勤を増やせば単価も上がる」前提を外す

  • 手順:①就業規則で「夜勤回数が一定回数を超えた場合」の規定があるか確認する → ②なければ、増やした分は単価×回数の比例でしか増えないと確定させる → ③その前提で、増やす回数と体力の釣り合いを決める
  • 見本:師長への相談は「月に何回まで入れるか」ではなく「月◯回までなら続けられます」と上限から伝えると、常態化を避けられます
⚠️ つまずきやすい落とし穴

「たくさん入れば単価が上がるはず」と考えて回数を増やし続けるパターンです。日本看護協会の調査では、月あたりの夜勤回数が一定回数を超えた場合の増額・加算制度は「ない」が69.6%で、「夜勤手当への加算がある」9.2%、「夜勤手当の増額がある」8.0%にとどまります。7割の職場では、5回目も6回目も1回の単価は同じ。回数を増やして得られるのは比例分だけで、疲労は比例では済みません。増やす前に、自分の職場がどの9.2%・8.0%に入るのかを規程で確かめる価値があります。

3. 夜勤の「重さ」と手当が釣り合っているか見る

  • 手順:①ひと月の夜勤時間を勤務表から合計する → ②72時間を超えているか確認する → ③超えているなら、その月の夜勤手当を夜勤時間で割って時間あたりの上乗せ額を出す
  • 見本:夜勤80時間で手当48,000円なら時間あたり600円。日勤の残業単価と比べると、割に合っているかが判断できます
⚠️ つまずきやすい落とし穴

夜勤の負担は回数より時間で効いてきます。日本看護協会「2025年 病院看護実態調査」図表14によると、2025年9月にひと月72時間を超える夜勤をしていた看護職員の割合は33.9%。3人に1人が、診療報酬の入院基本料の算定で基準とされる72時間を超えて夜勤に入っている計算です。一方で夜勤をしていない(夜勤時間0時間の)看護職員は6.7%、夜勤専従者は3.3%。同じ病棟でも夜勤の重さは人によって大きく違うため、「うちの夜勤手当は相場より高い/低い」を議論する前に、自分がどれだけ夜勤時間を負担しているかを数字で押さえておくと話が具体的になります。

夜勤手当で判断を誤りやすい3つの失敗例

  • 失敗例1:「夜勤手当13,000円」の求人に移ったら年収が下がった → 大規模病院から小規模病院への移動では、夜勤手当が上がっても基本給と賞与が下がることがあります。1回2,000円×月4回=年9万6千円の増加に対し、賞与の差は40万円以上になることも。月額と年額の両方で比べる
  • 失敗例2:前職と同じ「11,000円」だと思ったら深夜割増が含まれていた → 手当の形(割増込みか別建てか)を確認せずに比べると、同額でも手取りが下がります。面接で「深夜割増は夜勤手当に含まれますか」と1問確認する
  • 失敗例3:夜勤を月6回に増やしたが、収入は思ったほど増えなかった → 増額・加算制度がない職場では比例分しか増えません。増やす前に規程を確認し、増やしたあとは3か月で体調を振り返る

よくある質問

Q. 看護師の夜勤手当の相場はいくらですか?

A. 日本看護協会「2024年度 看護職員の賃金に関する実態調査」によると、平日の夜勤1回あたりの手当額の平均は二交代制11,815円、三交代制の準夜勤4,567円、深夜勤5,715円です(深夜割増を含み、回数加算は除く)。ただし病床規模で差があり、100〜199床の12,255円に対し500床以上は10,165円でした。地域でも東京都特別区は14,190円と高くなります。

Q. 看護師の夜勤は月に何回が平均ですか?

A. 同じ調査の表209では、2025年1月に支給された夜勤手当の算出対象期間の夜勤回数は、三交代制の準夜勤が平均3.9回、深夜勤が3.7回(合計7.6回)、二交代制は16時間未満で4.2回、16時間以上で4.4回でした。また日本看護協会「2025年 病院看護実態調査」では、ひと月に72時間を超える夜勤をしている看護職員の割合が33.9%となっています。

Q. 夜勤手当が安いのですが、これは違法ではないのですか?

A. 夜勤手当そのものの額について、法律上の最低額は定められていません。夜勤手当は職場が独自に設ける手当だからです。一方で労働基準法第37条第4項は、午後10時から午前5時までの労働に対し通常の賃金の計算額の2割5分以上の割増賃金を支払うことを定めています。自分の手当がこの割増を含む形か、別建てかは、就業規則や賃金規程で確認できます。個別のケースの適否については、勤務先の所在地を管轄する労働基準監督署などの窓口にご相談ください。

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まとめ

  • 病院が定める夜勤手当は二交代1回11,815円、三交代は準夜勤4,567円・深夜勤5,715円。個人が実際に受け取った月額は平均32,192円です
  • 同じ額面でも、52.0%の病院は法定の深夜割増を手当に含み、31.2%は別建て。形を確認しないと比べられません
  • 病床規模が大きいほど夜勤手当は低く、代わりに基本給と賞与が厚い。年収で見ると逆転することがあります

夜勤そのものを減らす・なくす選択肢を検討したい方は 看護師が夜勤なしで転職する方法 を、二交代と三交代のどちらが合うか迷っている方は 看護師の二交代と三交代の違い をご覧ください。夜勤を収入源として突き詰める働き方は 看護師の夜勤専従という働き方、賞与も含めた年収の組み立ては 看護師のボーナス平均 が参考になります。

参考文献

  1. 日本看護協会「2024年度 看護職員の賃金に関する実態調査 報告書」(2025年6月)(2026-09-20 閲覧)
  2. 日本看護協会「2025年 病院看護実態調査」(2026年3月31日公表)(2026-09-20 閲覧)
  3. 労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号)第37条(e-Gov法令検索)(2026-09-20 閲覧)
  4. 厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」一般労働者 職種(第1表、e-Stat)(2026-09-20 閲覧)