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看護師のボーナス平均はいくら?85.6万円と118.2万円、2つの数字の読み方

ナースひとやすみ 編集部約11分で読めます
目次

看護師の平均ボーナスは、調べる統計によって85.6万円にも118.2万円にもなります。厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」の看護師の年間賞与その他特別給与額は856,400円。一方、日本看護協会「2024年度 看護職員の賃金に関する実態調査」で、病院勤務・正規雇用フルタイムの人が2024年に受け取った賞与総額の平均は1,182,440円です。どちらも同じ2024年の賞与を測っていて、どちらも正しい。違うのは「誰を数えたか」だけです。

「平均85.6万円」と「平均118.2万円」、どちらも本当の数字

求人サイトや口コミで見かける「看護師の平均ボーナス」がバラバラなのは、調査ごとに対象が違うからです。まずこの2つを並べます。

看護師の年間賞与その他特別給与額(2024年1年間)856,400円

厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」(職種)第1表(2025年)

調査数えた相手対象の賞与平均額
厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」10人以上の事業所で働く看護師(一般労働者。正社員以外も含む/短時間労働者は除く)2024年1〜12月856,400円
日本看護協会「2024年度 看護職員の賃金に関する実態調査」表200病院勤務・正規雇用フルタイムで、2024年に賞与があった人2024年1〜12月1,182,440円
同上・職位別(スタッフ=非管理職)同上のうち非管理職2024年1〜12月1,036,975円

差の約33万円は、景気でも地域でもなく定義の差です。日本看護協会の数字は「病院で・正規フルタイムで・賞与が出た人」に絞られているぶん高く出ます。賃金構造基本統計調査は診療所や施設、有期雇用の人まで含むぶん低く出ます。

自分の賞与と比べるなら、病院の非管理職スタッフは103.7万円が最も近い物差しです。ここから大きく離れているなら、勤務先の規模や設置主体を疑う番になります(後述)。

なお賃金構造基本統計調査では、看護師のきまって支給する現金給与額は365,900円(平均年齢42.1歳)。年収に直すと365,900円×12+856,400円=524.7万円で、賞与は年収の16.3%を占めます。月給が同じでも賞与の有無で年収は80万円以上動く、という比重です。

年齢とともに、ボーナスはどう動くのか

同じ調査の年齢階級別を1枚にすると、賞与の伸び方には2つの段差があることが分かります。

年齢階級別 看護師の年間賞与その他特別給与額

20〜24歳
52.9万円
25〜29歳
79.2万円
30〜34歳
73.5万円
35〜39歳
87.7万円
40〜44歳
98.5万円
45〜49歳
96.8万円
50〜54歳
103.8万円
55〜59歳
101.9万円
60〜64歳
71.0万円

出典: 厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」(職種)第5表・企業規模10人以上・男女計(2025年)

※ 差が見えるようグラフの起点は0円ではありません。20〜24歳と50〜54歳の差は50.9万円で、バーの長さの比ほど金額は離れていません。

1つ目の段差は20代です。20〜24歳の52.9万円から25〜29歳の79.2万円へ、26.3万円も増えます。1年目は査定の対象期間が短く、夏の賞与が寸志にとどまる職場もあるため、新人が平均を押し下げているぶんが大きい。「同期と比べて自分だけ少ない」のではなく、1年目はそもそも少なく出ると考えたほうが実態に近いはずです。

2つ目の段差は30代前半の足踏みです。30〜34歳は73.5万円で、25〜29歳より5.7万円下がります。同じ年齢帯はきまって支給する現金給与額も351,900円から347,500円へ下がっており、時短勤務や夜勤の減少が平均に表れている可能性があります。ここで対照的なのが日本看護協会の調査で、病院の正規雇用フルタイムに限れば30〜34歳は108.8万円、35〜39歳は118.3万円と素直に伸びていきます。

つまり30代のボーナスを分けているのは能力差というより、正規フルタイムの働き方を続けられる条件があるかどうかです。夜勤や時短の相談を「収入の話」として職場に持ち込む価値は、この段差の大きさが裏づけています。

「賞与◯ヶ月分」は、分母で答えが変わる

「看護師 賞与 何ヶ月」を調べると2ヶ月台から4ヶ月台まで出てきますが、これは分母の取り方が統一されていないためです。同じ856,400円を3つの分母で割ってみます。

何を1ヶ月分とするか月額856,400円は何ヶ月分か
きまって支給する現金給与額(時間外・夜勤手当を含む)365,900円約2.34ヶ月
所定内給与額(時間外を除く/諸手当は含む)333,200円約2.57ヶ月
基本給(勤続10年・非管理職の平均基本給与額)254,286円約3.37ヶ月

※1・2行目は厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」。3行目の分母は日本看護協会「2025年 病院看護実態調査」の2025年度実績で、調査をまたいだ試算です。

求人票の「賞与4.5ヶ月」はふつう基本給ベースなので、3行目と同じ土俵にあります。ちなみに国家公務員の期末手当・勤勉手当は、令和8年人事院勧告(2026年8月7日)で年4.65月分から4.70月分へ引き上げるよう勧告されています(2026年9月時点で給与法の改正は成立前で、現行は4.65月分)。公立病院の看護師は地方公務員として各自治体の条例で決まりますが、日本看護協会の調査でも賞与額の決定にあたり「人事院勧告」を参考にする病院が23.1%、「地方公務員の賞与月数」が15.2%あります。

求人票で見るべきは月数そのものではなく、月数と基本給の組み合わせです。「4.5ヶ月・基本給20万円」は90万円、「3.0ヶ月・基本給26万円」は78万円ですが、後者は月給が毎月6万円多い。月数の大きさだけで比べると、判断を逆にしかねません。

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ボーナスの額を決めているのは、どこで働いているか

賞与は個人の頑張りより、勤務先の属性で先に決まっている部分があります。単位の違う3つの指標を1枚にまとめます。

条件指標数値
企業規模1,000人以上看護師の年間賞与1,057,100円
企業規模100〜999人同上770,400円
企業規模10〜99人同上624,200円
設置主体:公立2024年度に賞与を支給した病院の割合94.8%
設置主体:医療法人同上85.3%
設置主体:個人立同上75.0%
病床規模500床以上同上94.3%
病床規模99床以下同上86.6%

出典:企業規模は厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」(職種)第1表、設置主体・病床規模は日本看護協会「2024年度 看護職員の賃金に関する実態調査」表52。

1,000人以上と10〜99人の差は432,900円。年収に直せば43万円の差が、夜勤の回数でも経験年数でもなく規模だけで生まれています。しかも同じ調査が対象とする10人以上の事業所の看護師のうち、46.8%は100〜999人規模、15.4%は10〜99人規模で働いています(労働者数から算出)。1,000人以上で働く37.8%のほうが少数派です。「平均85.6万円」を下回っていても、それは珍しいことではありません。

支給率のほうも見方があります。賞与を支給した病院は全体で88.0%。裏返せば、規模の小さい民間病院ほど「そもそも出ない年がある」側に寄っているということです。同じ調査では、賞与を支給した病院の正規雇用看護職員離職率が11.0%、支給していない病院では15.1%でした。賞与は待遇であると同時に、その職場の体力を示すサインでもあります。

ボーナスが少ないと感じたときに確認する3つのこと

1. 支給の有無と、直近の実績を確認する(所要10分)

  • 手順:①就業規則・賃金規程の「賞与」の条項を開く → ②支給月(多くは6月・12月)と算定期間を確認する → ③直近3年の支給月数を給与明細と賞与明細から拾う → ④基本給に対する月数を計算する
  • 見本:賞与明細が手元にないときは「昨年度の賞与の支給月数を教えていただけますか」と事務部門に確認します。規程の開示は求めず、実績の数字だけを聞くのが角が立ちません
⚠️ つまずきやすい落とし穴

求人票の「賞与年2回」を支給の約束と受け取ってしまうのが、いちばん多い読み違いです。年2回はあくまで支給の回数で、金額も支給そのものも「病院の業績により決定する」と規程で留保されている例は珍しくありません。日本看護協会の調査では、賞与額の決定にあたり「病院の経営状況」を参考にしている病院が64.0%と最多でした。確認すべきは回数ではなく、前年度と前々年度に実際に何ヶ月分が出たかです。求人票に前年度実績の記載がなければ、面接で聞いてもよい質問だと考えてください。答えをはぐらかされること自体が、ひとつの情報になります。

2. 自分の賞与が何で査定されているかを知る

  • 手順:①査定期間(例:4〜9月分が冬の賞与)を確認する → ②評価シートや目標管理シートの控えを見返す → ③評価面談で「次の査定で見られる項目」を1つだけ質問する
  • 見本:「次の賞与の査定で、私の場合はどの項目が伸びしろになりますか」。評価そのものへの異議ではなく、次回の行動を聞く形にすると話が進みます
⚠️ つまずきやすい落とし穴

「夜勤を増やせばボーナスも増える」と考えて夜勤を引き受け続けるパターンです。日本看護協会の調査によると、賞与額の査定基準(複数回答)は「出怠勤」68.1%、「能力評価」50.8%、「目標管理の達成度」30.9%の順で、「夜勤回数」を査定に使っている病院は7.5%にとどまります。夜勤手当は毎月の給与に付きますが、賞与の査定に乗る職場はごく一部。体力を削って夜勤を増やしても、賞与という形では戻ってこない可能性が高いということです。増やすなら「毎月の手当で回収する」と割り切り、賞与は別の項目で取りにいくほうが計算が合います。

3. 年収の中でボーナスが占める比重を測る

  • 手順:①月の総支給額×12を出す → ②年間の賞与総額を足す → ③賞与÷年収で比重を出す → ④比重が2割を超えていたら、賞与が減った年の家計を試算しておく
  • 見本:看護師の平均では439.1万円+85.6万円=524.7万円で、賞与の比重は16.3%です
⚠️ つまずきやすい落とし穴

賞与を前提に住宅ローンや教育費の計画を立ててしまうと、支給月数が下がった年に一気に苦しくなります。日本看護協会の調査では、2024年の賞与が前年より「減った」と答えた病院勤務者が29.0%、「変わらない」が31.8%、「増えた」が30.6%でした。約3割は前年より減っている、つまり賞与は毎年同じ額が出る性質のものではないということです。固定費は月給の範囲で組み、賞与は繰上返済や貯蓄に回す設計にしておくと、支給月数の変動に生活が振り回されずに済みます。

ボーナスで判断を誤りやすい3つの失敗例

  • 失敗例1:「賞与4.8ヶ月」に惹かれて転職したら年収が下がった → 月数は基本給に掛かる倍率です。基本給28万円×3.5ヶ月=98万円の職場から、基本給25万円×4.8ヶ月=120万円の職場へ移ると賞与は22万円増えますが、月給は年36万円減ります。差し引きは14万円のマイナス。月数と基本給は必ずセットで比べる
  • 失敗例2:前年度の支給実績を聞かないまま入職した → 規程上の上限(例:年4.5ヶ月以内)と実際の支給は別物です。上限ではなく実績を聞く
  • 失敗例3:賞与をもらう前提で退職日を決めた → 賞与の支給要件は職場ごとの規程によります。「支給日に在籍していること」を要件にしている職場もあるため、退職日を決める前に自分の職場の規程を確認しておく

よくある質問

Q. 看護師のボーナスは何ヶ月分が平均ですか?

A. 分母によって変わります。厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」の看護師の年間賞与856,400円を、同じ調査のきまって支給する現金給与額365,900円で割ると約2.34ヶ月、所定内給与額333,200円で割ると約2.57ヶ月です。求人票でよく見る「◯ヶ月」は基本給ベースなので、これらより大きい数字になります。比べるときは分母をそろえてください。

Q. 新卒1年目のボーナスはどのくらいですか?

A. 厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」の20〜24歳の年間賞与は529,000円です。日本看護協会「2024年度 看護職員の賃金に関する実態調査」で病院勤務・正規雇用フルタイムの24歳以下に限ると839,519円でした。ただし1年目は査定の対象期間が短く、夏の賞与が少額にとどまる職場が多いため、初年度だけを見て判断しないほうがよいでしょう。

Q. ボーナスが出ない病院もあるのですか?

A. 日本看護協会「2024年度 看護職員の賃金に関する実態調査」では、2024年度に看護職員へ賞与を「支給した/支給する予定がある」病院が88.0%、「支給していない/予定はない」が0.7%、無回答・不明が11.3%でした。設置主体別では公立94.8%に対し個人立75.0%と差があります。賞与が制度として必ず支給されるものではない点は、就業規則で確認しておくと安心です。

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まとめ

  • 看護師の平均ボーナスは、厚生労働省の調査で856,400円、日本看護協会の調査(病院・正規フルタイム)で1,182,440円。対象が違うだけで、どちらも2024年の賞与です
  • 年齢では20代後半に一段上がり、30代前半で足踏みします。分けているのは能力差より、正規フルタイムを続けられる条件かどうかです
  • 「◯ヶ月分」は分母次第。求人票の月数は基本給ベースなので、月数と基本給をセットで比べてください

賞与の水準は地域の相場とも連動します。自分の地域の位置を知りたい方は 看護師の年収が高い都道府県は? を、毎月の給与そのものが動いていないと感じている方は 看護師5年目で給料が上がらない理由 をあわせてご覧ください。額面から実際に手元に残る額を計算したい方は 看護師の手取りの計算方法、賞与をもらってから動きたい方は 看護師の転職に適した時期 が参考になります。

参考文献

  1. 厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」一般労働者 職種(第1表・第5表、e-Stat)(2026-09-20 閲覧)
  2. 厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査 結果の概況」(2026-09-20 閲覧)
  3. 日本看護協会「2024年度 看護職員の賃金に関する実態調査 報告書」(2025年6月)(2026-09-20 閲覧)
  4. 日本看護協会「2025年 病院看護実態調査」(2026年3月31日公表)(2026-09-20 閲覧)
  5. 人事院「令和8年人事院勧告」給与勧告のポイント(2026年8月7日)(2026-09-20 閲覧)