本文へスキップ

PR当サイトはアフィリエイトプログラムに参加しています

キャリア

看護師の初任給は平均22.2万円(大卒)・21.6万円(3年課程卒)|公務員との差と手当込みの額

ナースひとやすみ 編集部約13分で読めます
目次

2025年度の新卒看護師の初任給(平均基本給与額)は、大卒221,883円・3年課程卒216,416円です(日本看護協会「2025年 病院看護実態調査」)。夜勤手当などを含む平均税込給与総額は292,527円と285,078円で、基本給との差は月7万円近くあります。国家公務員の看護師(短大3卒)は、俸給表の2級5号俸263,400円から始まります。

内定通知や求人票の「月給」を見て、聞いていた額と違う、同期より安いのではと感じたら、まずその数字が基本給だけなのか、手当を足した額なのかを確かめてください。どちらを見るかで、比べる相手が変わります。

初任給には「基本給」と「手当込みの総額」の2つがある

募集要項の「初任給」や「月給」には、基本給だけの額と、手当を足した額が混ざっています。まずこの2つを分けます。

新卒看護師(大卒)の平均基本給与額。夜勤手当などを含む総額は292,527円で、どちらを見るかで約7万円違う221,883円

日本看護協会「2025年 病院看護実態調査」表45(2025年)

日本看護協会「2025年 病院看護実態調査」の税込給与総額には、通勤・住宅・夜勤・当直の手当や、看護職員の処遇改善にかかる手当が含まれます。時間外手当は含みません。新卒は単身・民間アパート住まいを想定し、夜勤は三交代(1日を3つの勤務帯に分ける勤務)で月8回、二交代(2つに分ける勤務)なら月4回した前提です。

基本給と総額の差は、3年課程卒で68,662円、大卒で70,644円です。どちらも総額の約4分の1(24.1%)が手当にあたります。夜勤に入る前の月は、夜勤手当の分だけ総額より少なくなります。

大卒と3年課程卒(専門学校・短大)の差は月5,467円

学歴による差は、思ったより小さいかもしれません。ここでいう3年課程卒は、高卒後に看護専門学校や短大の3年課程を出た人(いわゆる専門卒)で、日本看護協会の区分では「高卒+3年課程卒」です。

区分平均基本給与額平均税込給与総額前年度からの引き上げ(基本給)
高卒+3年課程卒(専門学校・短大の3年課程など)216,416円285,078円+6,719円(3.2%)
大卒221,883円292,527円+6,269円(2.9%)
差(大卒−3年課程卒)5,467円7,449円―

出典:日本看護協会「2025年 病院看護実態調査」表45、同ニュースリリース図表9(2025年度実績。回答病院数は3年課程卒3,157、大卒3,073)

大卒と3年課程卒の差は、基本給で月5,467円、年に直すと約6.6万円です。一方、次の節で見るように、就職する病院の種類による差は月4万円を超えます。初任給だけで比べるなら、学歴より「どこに就職するか」のほうが大きく効きます。

病院の種類と規模で、初任給は月4万円違う

同じ調査は、病院の開設者(設置主体)別・病床規模別の初任給も集計しています。

設置主体別 新卒看護師(大卒)の平均基本給与額(2025年度)

医療法人
210,276円
全体
221,883円
国立
236,166円
公立
251,512円
日本赤十字社
264,066円

出典: 日本看護協会「2025年 病院看護実態調査」統計表39(回答病院数:医療法人1,638・国立178・公立494・日本赤十字社73)(2025年)

※ 差が見えるよう、グラフの起点は0円ではありません。

大卒の基本給で、公立は医療法人より41,236円高く、日本赤十字社は53,790円高い水準です。回答病院の半分以上(3,073病院中1,638)を占める医療法人が、全体の平均を押し下げています。3年課程卒でも傾向は同じで、公立245,695円に対し医療法人205,613円(差40,082円)でした(統計表36。回答病院数は公立499・医療法人1,702)。

規模でも差がつきます。大卒の基本給は、99床以下の病院で216,131円、500床以上で242,720円で、差は26,589円です(統計表40。回答病院数は99床以下714・500床以上265)。学歴による差(月5,467円)の約5倍で、ここでも「どこに就職するか」のほうが大きく効いています。

ここでの「国立」「公立」は病院の開設者の区分で、職員が公務員かどうかとは別です。たとえば国立病院機構の職員は、2015年4月から国家公務員ではありません。

公務員の看護師の初任給は「号俸」で決まる

国や自治体に直接雇われる看護師の初任給は、平均値ではなく、給与表の「級」と「号俸」で決まっています。

国家公務員の場合、人事院規則九―八の医療職俸給表(三)(国家公務員の看護師などに適用される給与表)の初任給基準表で、看護師は学歴の区分ごとに初任の号俸が決められています。

職種学歴の区分初任の号俸俸給月額(2025年4月〜)
看護師短大3卒2級5号俸263,400円
看護師短大2卒2級1号俸254,700円
保健師・助産師大学卒2級11号俸269,100円
准看護師准看護師養成所卒1級1号俸221,700円

出典:人事院規則九―八 別表第二「医療職俸給表(三)初任給基準表」、一般職の職員の給与に関する法律 別表第八ハ(いずれも e-Gov 法令検索、2026年9月25日確認)

看護師の欄に「大学卒」の区分はありません。大卒の看護師がどの号俸から始まるかは、採用先に確認してください。

2026年8月7日の人事院勧告では、2級5号俸を274,400円(11,000円増)に引き上げ、2026年4月にさかのぼって実施するよう勧告されています。ただし2026年9月25日時点のe-Gov法令検索の給与法では、2級5号俸はまだ263,400円のままです。勧告の額は、法律が改正されるまで確定した額ではありません。応募するときは、募集要項や給料表に書かれた額で確かめてください。

自治体の看護師の初任給は、各自治体の条例と給料表で決まります。総務省の調査(2025年4月1日時点)では、看護師(短大3卒)の初任給基準額の平均は、都道府県252,350円、指定都市228,278円、市241,031円、町村243,702円、特別区219,500円でした。自治体の区分だけで、平均に32,850円の幅があります。ただし初任給基準額は条例などで定める初任給の月額(給料表の額)で、地域手当などの手当は別に付きます。特別区の額が最も低く見えても、手当を足した給与まで低いとは限らないため、この平均だけで自治体の給与の高低は決められません。

基本給でそろえると、民間・国・地方はこう並ぶ

公務員の給料表の額は基本給にあたる額で、地域手当や夜勤手当は別に付きます。比べるなら、日本看護協会の「平均基本給与額」のほうと並べます。

比べる数字3年課程卒・短大3卒時点何の額か
病院全体(日本看護協会)216,416円2025年度回答病院の平均基本給与額
医療法人の病院(同)205,613円2025年度同上
公立の病院(同)245,695円2025年度同上
国家公務員(医療職俸給表(三))263,400円2025年4月〜2級5号俸の俸給月額
地方公務員・都道府県(総務省)252,350円2025年4月1日初任給基準額の平均(その後の改定を含まない)

出典:日本看護協会「2025年 病院看護実態調査」統計表36(回答病院数は全体3,157・医療法人1,702・公立499)、一般職の職員の給与に関する法律 別表第八ハ、総務省「令和7年地方公務員給与実態調査」表-17

この表は時点がそろっていません。国の263,400円は、2025年12月に公布された給与法の改正で、2025年4月にさかのぼって引き上げられた後の額です。総務省の同じ調査では、同じ2025年4月1日時点の国の額は249,400円で、都道府県の平均252,350円のほうが高く出ています。都道府県の額にはその後の給与改定が入っていないため、国と都道府県のどちらが高いかは、この表からは決められません。読み取れるのは「民間の医療法人の病院と公務員の給料表では、基本給の出発点に4万〜6万円ほどの差がある」という大きさです。

20代前半の給与と年収の目安

初任給の後、20代前半の看護師がどのくらい受け取っているかは、厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」(職種第5表)で確かめられます。20〜24歳の看護師(推計の労働者数は約10万人、平均勤続1.6年)は、所定内給与額が月285,500円、夜勤や残業の手当を含むきまって支給する現金給与額が月322,700円、年間賞与が529,000円でした。月給×12に賞与を足した年収の目安は440.1万円です(編集部で算出)。

所定内給与額285,500円は、新卒の平均基本給与額(大卒221,883円)より6万円ほど高く見えますが、この差がそのまま1〜2年での昇給分というわけではありません。賃金構造基本統計調査の所定内給与額は、基本給に通勤手当や家族手当など毎月決まって出る手当を足し、時間外・深夜・交替などの手当を除いた額で、日本看護協会の基本給与額とは数え方が違います。対象も1年目だけではなく、平均勤続1.6年の20〜24歳全体です。1年目の年収を見積もるなら、この440.1万円ではなく、応募先の基本給・手当・賞与の決まり方から計算してください。

年齢別・経験年数別の年収の伸び方は看護師の平均年収で、額面から手取りを出す計算は看護師の手取りの計算で整理しています。

募集要項の初任給を比べる手順

初任給は、同じ定義にそろえて並べて初めて比べられます。

  1. 基本給と手当を分けて書き出す:「月給」の内訳(基本給・夜勤手当・住宅手当・処遇改善の手当など)を1行ずつ書く
  2. 夜勤手当の前提を確認する:何回の夜勤を前提にした額か、1回いくらか、夜勤はいつから始まるか
  3. 賞与の決まり方を確認する:「基本給の◯か月分」か、1年目の夏の賞与はどう扱われるか
  4. 公務員の場合は号俸と手当を確認する:初任の級・号俸、地域手当の率、採用時の学歴の区分

書き出しの見本(架空の数字です)

項目A病院B病院
基本給205,000円232,000円
夜勤手当(前提)60,000円(二交代4回)44,000円(二交代4回)
その他の手当25,000円12,000円
募集要項の「月給」290,000円288,000円
賞与(基本給の4か月分とした場合)820,000円928,000円

月給はA病院のほうが2,000円高く見えますが、賞与を基本給の月数で決める場合、基本給の差がそのまま賞与の差になります。この例では、年間で見るとB病院が8万円ほど多くなります(賞与が満額の年の比較です)。

面接や見学で聞く質問の見本:「夜勤はいつから、月何回くらいを前提に始まりますか」「賞与は基本給の何か月分で、1年目の夏はどう計算されますか」。応募の時点で最優先で確かめるのは、基本給の額(賞与の計算のもとになるか)と、夜勤が始まる時期の2点です。

⚠️ つまずきやすい落とし穴:「月給」が夜勤込みのモデル額になっている

募集要項の「月給29万円」が、夜勤を月4〜8回した前提のモデル額になっている場合があります。夜勤が始まる時期は職場によって違い、始まる前の月は夜勤手当の分だけ給与が少なくなります。日本看護協会の調査でも、手当は総額のおよそ4分の1でした。比べるときは、夜勤が始まるまでの月の基本給と手当だけの額も出しておくと、入職後に「思ったより少ない」と慌てずに済みます。夜勤がいつから始まるかは、面接や見学のときに聞いてかまわない質問です。

⚠️ つまずきやすい落とし穴:1年目の夏の賞与を「◯か月分」で見積もる

「賞与は年4か月分」と書かれていても、1年目の夏から満額が出るとは限りません。国家公務員の期末手当は、6月1日と12月1日の基準日以前6か月の在職期間に応じた割合を掛けて計算します(給与法19条の4)。4月1日採用なら6月1日時点の在職期間は2か月で、「3か月未満」の区分になり、割合は100分の30です。勤勉手当も、基準日以前6か月の勤務の状況に応じて決まります(同19条の7)。民間病院の賞与は、それぞれの給与規程の定めによります。1年目の年収を「月給×12+基本給×4か月」で見積もると多めに出るので、1年目の夏の賞与の扱いは、面接や見学のときに確かめてください。

⚠️ つまずきやすい落とし穴:公務員の給料表の額を民間の月給と比べる

公務員の給与表の額を、民間病院の「月給」とそのまま比べてしまうのも、よくある読み違いです。給料表の263,400円は俸給(基本給)だけの額で、ここに地域手当や夜勤手当が足されます。反対に、総務省の初任給基準額は2025年4月1日時点の平均で、その後の給与改定は含まれていません。人事院勧告の額も、法律が改正されるまでは確定しません。比べるときは、応募先の給料表と、地域手当の率を募集要項で確かめてください。

初任給で選ぶときの失敗例

  • 失敗例1:「月給」の高さだけで就職先を決める → 月給に夜勤手当が含まれている場合、夜勤の回数で額が変わります。基本給と手当を分けて比べます
  • 失敗例2:国立・公立の病院なら公務員の給料表が使われると思い込む → 開設者が国や自治体でも、法人が運営していて職員が公務員でない病院があります。募集要項で給与規程を確かめます

このデータで言えること・言えないこと

言えるのは、2025年度の新卒看護師の初任給の水準と、学歴・開設者・病床規模による差の大きさ、そして国と自治体の看護師の初任給の出発点です。

言えないのは次のことです。

  • 個々の病院の初任給(平均は回答病院の平均で、実際の額は病院ごとに違う)
  • 2年目以降の昇給の幅(初任給が高い病院ほど昇給が大きいとは限らない)
  • 大卒の看護師が国家公務員として何号俸から始まるか(初任給基準表に看護師の大学卒の欄が無い)
  • 国と都道府県の初任給のどちらが高いか(手元の数字の時点がそろわない)

よくある質問

Q. 看護師の初任給は毎年上がっていますか?

A. 2024年度から2025年度にかけては上がりました。日本看護協会「2025年 病院看護実態調査」では、新卒看護師の平均基本給与額が3年課程卒で6,719円(3.2%)、大卒で6,269円(2.9%)上がっています。ただしこれは1年分の回答病院の平均で、すべての病院で同じだけ上がったわけではなく、毎年上がり続けると言えるデータでもありません。

Q. 病院によって初任給はどのくらい違いますか?

A. 大卒の平均基本給与額で見ると、医療法人の病院は210,276円、公立は251,512円、日本赤十字社は264,066円で、公立と医療法人の差は41,236円です。病床規模でも、99床以下の216,131円と500床以上の242,720円で26,589円違います。学歴による差(月5,467円)より大きいので、初任給で比べるなら就職先の種類と規模を先に見てください(日本看護協会「2025年 病院看護実態調査」統計表39・40)。

Q. 公務員の看護師は、民間病院より初任給が高いですか?

A. 基本給で比べると高い傾向があります。国家公務員の看護師(短大3卒)の俸給月額263,400円も、都道府県の初任給基準額の平均252,350円も、医療法人の病院の平均基本給与額205,613円を上回ります。ただし時点と定義が違い、手当の付き方も異なるため、応募先の給料表で確かめるのが確実です。

基本給・手当・賞与を分けて、求人を比べる

就職先を選ぶときも、1〜2年目に給与を見直すときも、基本給・手当・賞与の月数を分けて求人と並べると、比べる材料が増えます。

まとめ

  • 2025年度の新卒看護師の平均基本給与額は、大卒221,883円・3年課程卒216,416円。手当込みの総額は292,527円・285,078円
  • 学歴の差は月5,467円。開設者(公立と医療法人で約4万円)や病床規模の差のほうが大きい
  • 公務員の看護師は給与表で決まり、国の短大3卒は2級5号俸263,400円(2026年9月25日時点)。勧告の額は法改正まで確定しない

初任給の先の給与は、次の記事で確認できます。

参考文献

  1. 日本看護協会「2025年 病院看護実態調査 報告書」(2026年3月31日)(2026-09-25 閲覧)
  2. 日本看護協会 ニュースリリース「2025年 病院看護実態調査」結果(2026年3月31日)(2026-09-25 閲覧)
  3. 人事院規則九―八(初任給、昇格、昇給等の基準)別表第二(e-Gov 法令検索)(2026-09-25 閲覧)
  4. 一般職の職員の給与に関する法律 第19条の4・第19条の7・別表第八(e-Gov 法令検索)(2026-09-26 閲覧)
  5. 人事院「令和8年 人事院勧告」(2026年8月7日)(2026-09-25 閲覧)
  6. 総務省「令和7年地方公務員給与実態調査結果等の概要」(2026-09-25 閲覧)
  7. 厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」一般労働者 職種(職種第5表、e-Stat)(2026-09-25 閲覧)
  8. 厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」職種第5表(Excel、e-Stat)(2026-09-26 閲覧)
  9. 厚生労働省「賃金構造基本統計調査で使用されている主な用語の説明」(2026-09-26 閲覧)
  10. e-Gov 法令検索「独立行政法人国立病院機構法」(附則 平成26年法律第67号)(2026-09-26 閲覧)