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看護師の転職時期はいつがいい?求人が多い月と決まりやすい月のズレを数字で
目次
- 01転職時期は「求人量・賞与・引き継ぎ」の3軸で決まる
- 02軸1:求人量——「多い月」と「決まりやすい月」は違う
- 03軸2:賞与——「もらってから辞める」なら支給日在籍要件を先に見る
- 04軸3:引き継ぎ——申し出の期限は民法と就業規則の両方で決まる
- 05入職希望月から逆算する早見表
- 06ステップ1:現職の規程を3点だけ確認する(所要20分)
- 07ステップ2:求人の動きに合わせて情報収集を始める
- 08ステップ3:退職の申し出と引き継ぎを設計する
- 09よくある失敗
- 10よくある質問
- Q. 看護師の転職に一番いい時期は何月ですか?
- Q. 看護師の求人が多いのは何月ですか?
- Q. ボーナスをもらってから辞めることはできますか?
- 11まとめ
看護師の転職時期に「この月がベスト」という唯一の答えはありません。ただし求人が多い月と、決まりやすい月は違います。厚生労働省「一般職業紹介状況」で「保健師,助産師,看護師」の月次データを並べると、新規求人数が多いのは1月(37,175件)と4月(36,133件)。一方で求人1件あたりの競争が最もゆるいのは12月で、新規求人倍率は3.81倍。4月は1.91倍まで落ちます。この記事では求人量・賞与・引き継ぎの3軸から、自分の入職希望月に合わせて動き出す月を逆算します。
転職時期は「求人量・賞与・引き継ぎ」の3軸で決まる
時期の話がかみ合わなくなるのは、3つの別々の都合を1つの「ベストな月」にまとめようとするからです。分けて考えます。
- 求人量の軸:応募先の選択肢が多い時期。新規求人数で測る
- 賞与の軸:支給日に在籍していないと受け取れない可能性がある。就業規則で確認する
- 引き継ぎの軸:退職の申し出から実際に抜けるまでの期間。民法と就業規則の両方で決まる
この3つは同じ月を指しません。だから「◯月がベスト」ではなく、自分がどの軸を優先するかで動く月が変わる、というのがこの記事の結論です。
軸1:求人量——「多い月」と「決まりやすい月」は違う
厚生労働省「一般職業紹介状況(職業安定業務統計)」の参考統計表から、「保健師,助産師,看護師」の直近6か月を並べます(常用・パート含む、全国計)。
新規求人倍率が最も高かった月(2025年12月)。最も低い4月は1.91倍3.81倍
厚生労働省「一般職業紹介状況(職業安定業務統計)」参考統計表・保健師,助産師,看護師(2026年)
| 月 | 新規求人数 | 新規求職者数 | 新規求人倍率 | 就職件数 |
|---|---|---|---|---|
| 2025年12月 | 33,231 | 8,722 | 3.81倍 | 2,853 |
| 2026年1月 | 37,175 | 12,963 | 2.87倍 | 2,772 |
| 2026年2月 | 33,741 | 11,724 | 2.88倍 | 3,244 |
| 2026年3月 | 33,841 | 12,493 | 2.71倍 | 4,760 |
| 2026年4月 | 36,133 | 18,952 | 1.91倍 | 3,607 |
| 2026年5月 | 32,533 | 12,102 | 2.69倍 | 3,363 |
看護師(保健師・助産師を含む区分)の新規求人倍率の推移
出典: 厚生労働省「一般職業紹介状況(職業安定業務統計)」参考統計表6(常用・パート含む、職業別、全国計)(2026年)
※ 差が見えるようグラフの起点は0倍ではありません。最大3.81倍と最小1.91倍の差は1.90倍分で、バーの長さの比ほど倍率は離れていません。
読み取れることは3つあります。
1つ目。求人数のピークは1月と4月です。 1月の37,175件は5月の32,533件より4,642件(14%)多い。年度替わりに向けた採用計画と、年度が始まってからの欠員補充が重なる時期です。
2つ目。4月は求職者が一気に増えます。 新規求職者数は12月の8,722人に対し4月は18,952人で、2.2倍。求人も増えていますが、求職者の増え方のほうが急なので、新規求人倍率は1.91倍まで下がります。「求人が多い=入りやすい」ではない、ということです。
3つ目。12月は倍率が最も高い時期です。 求人1件に対する競争がゆるく、じっくり選びやすい。一方で就職件数は3月が4,760件でピークなので、12月〜1月に動いて3〜4月に入職する流れが、実際にいちばん人が動いている経路だと分かります。
なお、この統計はハローワークに出された求人と求職の数字です。転職サイトやエージェント経由の求人は含まれないため、絶対数ではなく月ごとの増減の形として読んでください。
軸2:賞与——「もらってから辞める」なら支給日在籍要件を先に見る
賞与を受け取ってから退職したい場合、確認すべきは支給月ではなく支給要件です。賞与の支給に「支給日に在籍していること」を要件として定めている職場があり、これは就業規則や賃金規程で決まります。法律で一律に決まっているものではないため、自分の職場の規程を読むしかありません。
支給月の目安としては、国家公務員の期末手当・勤勉手当が6月期と12月期に支給されます。日本看護協会「2024年度 看護職員の賃金に関する実態調査」では、賞与額の決定に「人事院勧告」を参考にしている病院が23.1%、「地方公務員の賞与月数」が15.2%ありました。公的な支給時期に連動している職場が一定数ある、ということです。
もうひとつ見落とされがちなのが査定期間です。同じ調査では賞与額の査定基準(複数回答)の1位が「出怠勤」68.1%。査定期間の途中で有給消化に入ると、その分が査定に影響する可能性があります。「賞与をもらってから辞める」を成立させるには、支給日の在籍だけでなく、査定期間中の勤務状況も含めて逆算する必要があります。
軸3:引き継ぎ——申し出の期限は民法と就業規則の両方で決まる
期間の定めのない雇用契約では、民法第627条第1項により「各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する」と定められています。
ただし実務では、就業規則が「退職を希望する場合は1か月前(あるいは3か月前)までに申し出ること」と定めていることがほとんどです。法律上の期間と職場のルールが違う場合の扱いは個別の事情によるため、ここでは断定しません。現実的には、就業規則の期限に沿って申し出るほうが、引き継ぎもシフト調整も円滑に進みます。
看護の現場では、次年度の勤務表・委員会・プリセプター担当が年度単位で組まれます。年度途中の退職が難しいのは制度ではなくこの運用の都合で、だからこそ年度末での退職が多くなり、3月の就職件数がピークになるわけです。
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入職希望月から逆算する早見表
3軸を1枚にまとめます。転職活動の所要期間は3〜6か月が一般的な目安です。
| 入職したい月 | 情報収集を始める月 | 退職を申し出る月 | 求人量の状況 | 賞与との関係 |
|---|---|---|---|---|
| 4月 | 10〜11月 | 1〜2月 | 求人は1月にピーク。ただし4月入職の競争は最も激しい | 12月賞与を受け取ってから動ける |
| 7月 | 1〜2月 | 4〜5月 | 4月の欠員補充求人を拾える。求職者は5月に落ち着く | 6月賞与の支給日在籍要件を要確認 |
| 10月 | 4〜5月 | 7〜8月 | 本記事のデータ範囲(2025年12月〜2026年5月)外のため、求人量・倍率は要確認 | 6月賞与後・12月賞与前の谷間 |
| 1月 | 7〜8月 | 10〜11月 | 12月は新規求人倍率が最も高い | 12月賞与の支給日在籍要件を要確認 |
この表は「4月入職が正解」と言っているわけではありません。4月入職は選択肢が多い代わりに競争が最も厳しく、10月入職は賞与の谷間で動きやすい(求人量は本記事のデータ範囲外のため要確認)、というトレードオフを示しています。
ステップ1:現職の規程を3点だけ確認する(所要20分)
手順は次のとおりです。
- 就業規則の「退職」の条項を開き、申し出の期限(1か月前/3か月前など)を確認する
- 賃金規程の「賞与」の条項で、支給日在籍要件の有無と査定期間を確認する
- 年次有給休暇の残日数を確認し、退職日から逆算して消化できる期間を出す
見本:規程が手元になければ「退職を検討するにあたって、就業規則の退職に関する条項と賞与の支給要件を確認したいのですが、どこで閲覧できますか」と事務部門に聞きます。退職の意思表示にはならない聞き方です。
⚠️ つまずきやすい落とし穴3点のうち、いちばん後回しにされて後悔につながるのが有給の残日数です。退職日を先に決めてしまうと、残った有給を消化する余地がなくなります。看護の現場は有給が取りにくく、残日数が20日を超えている人も珍しくありません。20日分は約1か月分の給与に相当します。退職日から逆算するのではなく、「最終出勤日=退職日−有給残日数」から先に決めるのが順序です。加えて、有給消化中に賞与の査定期間が重なると出怠勤の評価に影響する可能性があるため、賞与を受け取る前提なら査定期間を避けて消化の時期を組むほうが安全です。
ステップ2:求人の動きに合わせて情報収集を始める
手順は次のとおりです。
- 入職希望月の5〜6か月前から求人を見始める(決めるためではなく、相場を知るため)
- 気になる求人は「基本給・夜勤手当・賞与の前年度実績・夜勤回数」の4項目だけメモする
- 3か月分ためてから比較する。同じ条件の求人が繰り返し出ていないかも見る
見本:メモは「A病院/基本給24.5万/夜勤手当11,000円・月4回/賞与前年度4.2か月/300床」のように、数字だけを1行で残します。
⚠️ つまずきやすい落とし穴「いい求人が出たら動く」と決めていると、たいてい動けません。求人は出てから充足するまでの期間が短く、準備ができていない状態で見つけても応募に踏み切れないためです。逆に、準備だけ整えて求人を見続けると、今度は同じ求人が何度も出ていることに気づきます。繰り返し募集が出る職場は、募集枠が大きい場合もあれば、人が定着しにくい場合もある。どちらなのかは、募集の頻度だけでは判断できません。情報収集の目的は「いい求人を見つけること」ではなく、自分の中に相場の基準を作ることだと考えてください。基準ができていれば、条件のよい求人が出たときに迷わず動けます。
ステップ3:退職の申し出と引き継ぎを設計する
手順は次のとおりです。
- 内定と労働条件通知書を書面で受け取ってから、退職を申し出る
- 申し出は直属の上司(師長)に、口頭で先に伝える
- 引き継ぎ資料は「担当患者の申し送り」「委員会・係の業務」「年度内に予定されている行事」の3つに分けて作る
見本:「◯月末での退職を考えています。就業規則では1か月前までにお伝えすることになっていますので、早めにご相談させていただきました」と、規程に沿っていることを先に示すと話が進みやすくなります。
⚠️ つまずきやすい落とし穴内定前に退職を申し出てしまうと、引き止めや条件交渉の余地がなくなるうえ、転職先が決まらなかった場合に戻る場所もなくなります。とくに年度末は「次の勤務表を組むので早めに教えてほしい」と先に聞かれることがあり、まだ何も決まっていない段階で答えてしまいがちです。この時点では「検討中です」で構いません。転職活動をしていること自体を伝える義務はなく、退職の意思表示は労働条件通知書を受け取ってからで遅くありません。順序を守ることが、引き継ぎの質にも、気持ちよく辞められるかにも効いてきます。
よくある失敗
- 失敗例1:4月入職を狙って1月から活動を始めた → 求人のピークは1月ですが、同じ月に求職者も増え始めます。4月の新規求人倍率は1.91倍と、示した6か月(2025年12月〜2026年5月)のなかで最も低い水準。4月入職を狙うなら、前年の10〜11月から情報収集を始めておく
- 失敗例2:賞与の支給日を確認せずに退職日を決めた → 支給日在籍要件がある職場では、支給日の前日に退職すると受け取れないことがあります。就業規則の確認が先
- 失敗例3:有給を消化せずに辞めた → 残日数20日なら約1か月分の給与に相当します。最終出勤日と退職日を分けて設計する
よくある質問
Q. 看護師の転職に一番いい時期は何月ですか?
A. 目的によって変わります。選択肢の多さを優先するなら求人数がピークになる1月と4月、競争のゆるさを優先するなら新規求人倍率が3.81倍と最も高い12月です(厚生労働省「一般職業紹介状況」2025年12月〜2026年5月、保健師・助産師・看護師の区分)。実際に人が動いているのは12月〜1月に活動を始めて3〜4月に入職する流れで、就職件数は3月の4,760件がピークでした。
Q. 看護師の求人が多いのは何月ですか?
A. 直近6か月では2026年1月の37,175件が最多で、次いで4月の36,133件、最少は5月の32,533件でした(同統計、常用・パート含む)。ただしハローワークに出された求人に限った数字で、転職サイト経由の求人は含まれません。絶対数ではなく月ごとの増減の形として参考にしてください。
Q. ボーナスをもらってから辞めることはできますか?
A. 賞与の支給要件は職場の就業規則・賃金規程で定められており、「支給日に在籍していること」を要件としている職場もあります。法律で一律に決まっているものではないため、自分の職場の規程を確認するのが確実です。また賞与額の査定基準は「出怠勤」を挙げる病院が68.1%と最も多いため(日本看護協会「2024年度 看護職員の賃金に関する実態調査」)、有給消化の時期が査定期間に重なるかどうかもあわせて確認しておくと安心です。
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まとめ
- 求人が多いのは1月と4月。ただし4月は求職者が12月の2.2倍に増え、新規求人倍率は1.91倍と最も低くなります
- 12月は新規求人倍率3.81倍で競争が最もゆるい時期。就職件数のピークは3月で、12月〜1月に動いて年度替わりに入職する流れが主流です
- 賞与は支給月ではなく支給日在籍要件と査定期間、退職は民法第627条と就業規則の両方で逆算します
転職活動全体の進め方は 看護師の転職活動の流れ完全ガイド に、退職を切り出す場面の具体的な言い方は 看護師が円満退職するコツ にまとめています。賞与の水準そのものを確かめたい方は 看護師のボーナス平均、退職届の書き方は 看護師の退職届の書き方 をご覧ください。
参考文献
- 厚生労働省「一般職業紹介状況(令和7年12月分及び令和7年分)について」参考統計表(2026-09-20 閲覧)
- 厚生労働省「一般職業紹介状況(令和8年1月分)について」参考統計表(2026-09-20 閲覧)
- 厚生労働省「一般職業紹介状況(令和8年2月分)について」参考統計表(2026-09-20 閲覧)
- 厚生労働省「一般職業紹介状況(令和8年4月分)について」参考統計表(2026-09-20 閲覧)
- 厚生労働省「一般職業紹介状況(令和8年3月分及び令和7年度分)について」参考統計表(2026-09-20 閲覧)
- 厚生労働省「一般職業紹介状況(令和8年5月分)について」参考統計表(2026-09-20 閲覧)
- 日本看護協会「2024年度 看護職員の賃金に関する実態調査 報告書」(2025年6月)(2026-09-20 閲覧)
- 民法(明治二十九年法律第八十九号)第627条(e-Gov法令検索)(2026-09-20 閲覧)
- 人事院「令和8年人事院勧告」給与勧告のポイント(2026年8月7日)(2026-09-20 閲覧)