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看護師が取れる資格一覧|取得期間・費用・人数で比べる
目次
- 01取れる資格は3系統|必要な実務経験と期間を一覧で比べる
- 認定看護師は、B課程が中心になる
- 02人数で比べる|25,809人から1,118人まで
- 03費用で比べる|公表されている額だけを並べる
- 04取ったあとに待遇は変わるか|手当と基本給の評価
- 手当を確かめる質問の見本
- 05目的別の決め方|迷ったときの判断表
- 学会・団体の認定資格を見るときの3点
- 失敗例・よくあるNG|年数の数え違いと、A課程だけを探し続けること
- 06産休・育休中や働きながら取れるか
- 07よくある質問
- Q. 看護師のキャリアアップに役立つ資格は、どれですか?
- Q. 看護師が資格を取ると、資格手当はいくら付きますか?
- Q. 看護師が取れる資格で、いちばん取りやすいのはどれですか?
- Q. 資格を取る費用は、給付金で減らせますか?
- Q. 産休・育休中に取れる資格はありますか?
- 08まとめ
- 次のステップへ
看護師が取れる主な資格・研修は、専門性を認定する資格、診療の補助を広げる研修、働く場を変える免許・公的資格の3系統です。
- 専門性を認定する資格: 認定看護師・専門看護師・認定看護管理者
- 診療の補助を広げる研修: 特定行為研修・診療看護師(NP)
- 働く場を変える免許・公的資格: 保健師・助産師・ケアマネジャー・養護教諭
産休・育休中に取れる資格を探している方へ。この9つのうち、休業中だけで進められると確認できたものはありません。実務経験の年数か、通学・実習が前提になります。
「夜勤の先を考え始めた」「産休中に何か身につけたい」と調べ始めると、資格の種類が多く、期間も費用もばらばらで比べられません。しかも「取っても給料は上がらないのでは」「働きながら取れるのか」「自分の年数で申し込めるのか」と、申し込む前の不安も重なります。この記事は、国・日本看護協会・日本NP教育大学院協議会などが要件を公表している、全分野共通の9つを取り上げます。「必要な実務経験・期間・費用・人数・取ったあとの待遇」の5点を、公表されている範囲で表に並べ、目的別の選び方まで進めます。学会・団体が分野ごとに認定する資格は、横並びで比べられる公表資料が見つからなかったため表に入れていません。順位はつけません。
決める順番は、実務年数、職場で使えるか、費用の総額、期間です。認定看護師・専門看護師・特定行為研修は、手当が出る病院が約3〜5割で、平均額は1万円台前半です。受講を申し込む前に、資格を使う場所があるかを確かめてください。
取れる資格は3系統|必要な実務経験と期間を一覧で比べる
期間は、公表されている教育課程の時間や法令の定めを書き、公表されていない項目は書いていません。
| 系統 | 資格・研修 | 位置づけ | 必要な実務経験 | 取り方と期間(公表値) |
|---|---|---|---|---|
| 専門性の認定 | 認定看護師 | 日本看護協会の認定(民間資格) | 免許取得後5年以上(うち3年以上は認定分野) | 教育機関を修了して認定審査。A課程は600時間以上・6か月〜1年以内、B課程は800時間程度(特定行為の実習は別に追加)・1年以内 |
| 専門性の認定 | 専門看護師 | 日本看護協会の認定 | 5年以上(うち3年以上は専門分野) | 看護系大学院の修士課程(38単位)を修了して審査。修士の標準修業年限は2年 |
| 専門性の認定 | 認定看護管理者 | 日本看護協会の認定 | 5年以上 | サードレベルの修了、または看護管理に関する修士以上。教育課程はファースト105時間・セカンド180時間・サード180時間 |
| 診療の補助 | 特定行為研修 | 国の研修制度(資格ではなく修了証) | 省令に年数の定めはなく、研修機関の募集要項で決まる | 共通科目250時間と区分別科目。研修期間は6〜24か月(厚労省Q&A、2019年11月改訂時点) |
| 診療の補助 | 診療看護師(NP) | 日本NP教育大学院協議会の認定(民間資格) | 課程の入学要件は臨床経験5年以上 | 協議会が認めた大学院を修了し、資格認定試験に合格。5年ごとに更新 |
| 働く場を変える | 保健師 | 国家資格(免許) | 条文に実務経験の定めはない | 国家試験の受験には、指定の学校で1年以上学ぶか、指定の養成所を卒業 |
| 働く場を変える | 助産師 | 国家資格(免許) | 条文に実務経験の定めはない | 同じく1年以上の課程が受験資格 |
| 働く場を変える | ケアマネジャー | 公的資格(都道府県に登録) | 5年以上かつ900日以上 | 試験に合格し、87時間の講義・演習(東京都。実習は別)の実務研修を修了して登録 |
| 働く場を変える | 養護教諭(一種免許) | 教員免許 | 要件なし | 看護師免許を持つ人は、指定の養成機関に1年以上在学し22単位を修得 |
出典: 日本看護協会「認定看護師」「専門看護師」「認定看護管理者」(認定看護管理者は第30回審査・申請の手引き)、特定行為及び特定行為研修に関する省令、厚生労働省Q&A、日本NP教育大学院協議会、保健師助産師看護師法19条・20条、東京都福祉保健財団、教育職員免許法別表第二
この表で見るべきは「必要な実務経験」の列です。認定看護師・専門看護師・認定看護管理者・NPは、実務5年が入口で、働き始めて3年目の人はまだ申し込めません。保健師・助産師・養護教諭には実務経験の条件がなく、年数より「学校に通う1年」が壁になります。ケアマネは5年に加えて900日の勤務日数が必要です(数え方は看護師からケアマネジャーになるには)。
認定看護師は、B課程が中心になる
認定看護師にはA課程とB課程があり、A課程の修了者に対する認定審査は2029年度で終わります。B課程は特定行為研修を組み込んだ課程で、2021年度に認定審査が始まりました。2026年度に開講する課程は、A課程6・B課程58で、受講定員はA課程170人・B課程1,025人です(2026年4月13日現在)。B課程は特定行為研修の修了が認定の条件なので、特定行為研修の費用・手当・修了後の働き先も合わせて見る必要があります。実務5年の数え方、分野別の人数と受講定員、費用、審査の合格ラインは認定看護師になるにはで整理しています。
人数で比べる|25,809人から1,118人まで
人数は、その資格を持つ人がどれだけいるかの目安です。同じ棒グラフに並べますが、数え方が資格ごとに違うので、大小の優劣は付けられません。
このグラフの人数は足し算できません。 認定看護師のうちB課程の6,539人は、特定行為研修の修了が認定の条件なので、特定行為研修の14,266人と重なります。認定看護師・専門看護師・認定看護管理者も、同じ人が複数を持つことがあります。NPの1,118人は、協議会の表の合計で、2021〜2025年度の資格更新者と試験合格者の合算です。
認定看護師の教育課程に1年で入れる人数は、2026年度の定員(1,195人)が全部埋まっても、登録者25,809人の約4.6%
日本看護協会「認定看護師教育機関別の開講状況・定員数一覧」(2026年4月13日現在)、同「都道府県別登録者数」(2025年12月)より算出
2026年度の定員で見ると、1年に入れるのは1,200人弱です。人数が少ない資格でも、勤め先に役割がなければ活きません。そのため人数は、決める軸にしません。入口の広さ(定員)は、候補を絞るときの参考にします。認定・専門看護師の人数と手当は認定看護師・専門看護師は何人いる?にまとめています。
免許・公的資格は、人数の出し方が別になります。
| 資格 | 公表されている人数 | 数え方 |
|---|---|---|
| 保健師 | 63,536人 | 就業者(2024年末)。直近の国家試験(第112回)の合格者は6,502人、合格率87.1% |
| 助産師 | 38,721人 | 就業者(2024年末)。直近の国家試験(第109回)の合格者は2,040人、合格率99.7% |
| ケアマネジャー | 12,961人 | 結果が公表されている直近の試験(第28回・2025年度)の合格者。受験50,601人・合格率25.6%。合格者のうち看護師・准看護師は2,094人(合格者の16.2%、約6人に1人) |
| 養護教諭 | 1,164人 | 公立学校の2025年度採用者。受験9,499人・競争率8.2倍 |
出典: 厚生労働省「令和6年衛生行政報告例」、同「第112回保健師国家試験、第109回助産師国家試験及び第115回看護師国家試験の合格発表」、同「第28回介護支援専門員実務研修受講試験の実施状況について」、文部科学省「令和7年度公立学校教員採用選考試験の実施状況」
保健師・助産師の国家試験は合格率が高い一方で、受験資格を得る課程に入る段階が入口です。課程の入試倍率は本記事では確認していません。ケアマネは合格率25.6%で、4人に1人しか通りません。養護教諭は、免許を取れても採用枠が小さく、競争率は8.2倍でした(看護師から養護教諭になるには)。
費用で比べる|公表されている額だけを並べる
費用は、平均が公表されているものと、公表されていないものに分かれます。ここでは公表された額だけを置き、無いものは「確認できず」と書きます。看護系大学院の初年度の学納金(入学金と授業料等の総額・平均)は、次のとおりです。
| 課程(大学院) | 国立 | 公立 | 私立 |
|---|---|---|---|
| 専門看護師課程 | 829,191円 | 891,057円 | 1,136,873円 |
| NP課程 | 817,400円(n=2) | 917,897円(n=3) | 1,161,400円(n=10) |
| 保健師コース | 817,640円 | 860,998円 | 1,293,444円 |
| 助産師コース | 825,523円 | 926,706円 | 1,516,127円 |
出典: 日本看護系大学協議会・日本私立看護系大学協会『看護系大学に関する実態調査』2024年度(2025年度実施)表16-4。初年度のみで、2年目以降の授業料は含まれません。NP課程の国公立は回答数が少ない参考値です
私立は、国立より約31万〜69万円、公立より約24万〜59万円、初年度が高くなっています(上の表の差から編集部が計算。差が最大なのは助産師コースの国立と私立)。そのほかに、公表されている額は次のとおりです。
- 審査料・認定料: 認定看護師・専門看護師・認定看護管理者は、いずれも審査料51,700円と認定料51,700円(税込)です。合格すれば学費とは別に計103,400円、不合格なら審査料の51,700円だけがかかります(日本看護協会の各ページ。計は編集部が合算)
- 助産師専攻科・別科: 初年度の入学金と授業料等の合計は、公立で約81.5万円、私立で約172万円(上の調査の表16-2から編集部が合算)。公立の約81.5万円は、上の大学院の助産師コースの公立(926,706円)より低くなっています
- ケアマネ: 東京都の令和8年度の受験手数料は12,400円(申込は終了)です。費用は試験前の受験手数料と、合格後の実務研修の受講料の2段階で出ます(受講料と期限は看護師からケアマネジャーになるには)
- 日本看護協会の奨学金: 認定看護師教育課程は年額120万円以内を貸与し、ほかの奨学金・給付金と併用できます(2026年度の募集回は終了。次回は日本看護協会のページで確認)
確認できなかった費用は、認定看護師教育機関の学費の全国平均、特定行為研修の受講料の全国平均、保健師の1年課程の学費の平均です。保健師コースの表は大学院の額で、「保健師になる費用」ではありません。給付金は看護師の学び直しで使える教育訓練給付金、大学院に働きながら通う方法は看護師が働きながら大学院へ行くにはで扱っています。年会費と研修割引を含めて看護協会に入会するかどうかは看護協会に入るべき?で扱っています。
⚠️ つまずきやすい落とし穴学納金の表だけで総額を決めてしまい、受講中の収入と職場の扱いを見積もりに入れないことです。日本看護協会の「認定看護師」のページの入試情報欄には、教育機関の開講形態が「集中型」「分散型」に分けて載っていて、開講期間も教育機関で違います。専門看護師やNPは大学院の2年間で、表の額は初年度の分だけです。募集要項を受け取ったら、次の4点を1枚に書き出します。
- 学費の総額
- 開講形態と期間
- 実習先が所属施設で使えるか
- 受講中の勤務が出勤扱いか休職扱いか
所属施設が学費を負担する場合は、修了後に何年勤めれば返還が免除されるか、書面で確かめてください。口頭で「出してもらえる」と聞いただけで申し込むと、修了後に転職したくなったとき、返還を求められることがあります。取り決めの扱いに迷ったら、労働局の総合労働相談コーナーなどに相談する方法もあります。
取ったあとに待遇は変わるか|手当と基本給の評価
答えは、資格を取っても手当が付くとは限らず、手当も基本給の評価も病院の規程しだいです。日本看護協会の調査(2025年1〜2月、回収3,471件)で、資格を持つ人を雇っている病院の処遇は次のとおりでした。
| 資格 | 手当がある病院 | 平均手当額(手当がある病院) | 基本給で「特別な評価をしていない」 |
|---|---|---|---|
| 専門看護師 | 47.0%(277/589病院) | 11,857円 | 65.0% |
| 認定看護師 | 49.5%(863/1,745病院) | 11,228円 | 59.9% |
| 特定行為研修修了者 | 30.5%(371/1,217病院) | 11,644円 | 68.5% |
出典: 日本看護協会「2024年度 看護職員の賃金に関する実態調査 報告書」表76〜81。手当の有無は「ない」と「無回答・不明」(3%台)があるため、「ある」と「ない」の合計は100%になりません。基本給の評価は複数回答で、平均手当額の支払い単位は報告書に明記されていません
手当がある病院でも、平均額は1万円台前半です。手当の有無と基本給の評価は別々に集計されていて、どちらも無い病院の割合は公表されていません。大学院の初年度の学納金と並べると、手当だけで費用を回収する見込みは立ちにくいと読めます。
上の調査の対象は専門看護師・認定看護師・特定行為研修修了者で、免許・公的資格は含みません。免許・公的資格は、働く場所で待遇が変わります。2024年末の就業保健師63,536人の52.3%(33,217人)は市区町村で、助産師38,721人の59.5%(23,054人)は病院で働いています。働き先と年収は、行政保健師への転職、産業保健師への転職、看護師から助産師になるにはで数字つきで扱っています。ケアマネの給与は看護師からケアマネジャーになるにはで、看護職との差を同じ調査で比べています。
手当を確かめる質問の見本
受講を決める前に、人事か上司へ、次のように聞きます。
〇〇の資格を取った場合、資格手当の対象になりますか。対象なら額と支給の条件、なければ基本給での扱いを教えてください。すでに同じ資格を持つ方は何名いて、どの部署でどんな役割を担っていますか。
回答が口頭だけなら、給与規程の資格手当の条項を見せてもらいます。転職を考えている場合は、求人票に手当の記載が無ければ面接で同じ質問をします。
目的別の決め方|迷ったときの判断表
資格を1位から並べる記事ではないので、目的から選びます。左の目的に当てはまるものを1つ決め、候補を見てください。
| 変えたいこと | 候補 | 向く人 | 向かない人・トレードオフ | 最初の一歩 |
|---|---|---|---|---|
| 今の領域で専門性を深め、院内で役割を持つ | 認定看護師(B課程が中心。1年の入口は定員1,195人)または専門看護師(大学院の修士に2年通う) | 実務5年以上で、同じ分野に3年以上いる人 | 手当で費用を回収したい人。教育期間中の勤務調整が難しい人 | 給与規程の資格手当の条項と、自院の認定・専門看護師の配置を見る |
| 手順書で診療の補助を広げる | 特定行為研修・診療看護師(NP) | 手順書が運用されている職場にいる人 | 手順書の体制がない職場の人(修了しても使う場がない) | 特定行為研修とNPで、手順書を作る医師がいるかを確かめる |
| 看護管理の役割を担う | 認定看護管理者 | 実務5年以上で、サードレベルの修了か修士を見込める人 | 臨床の専門性を深めたい人 | 教育課程の募集時期を日本看護協会のページで見る |
| 臨床の外へ出る(行政・企業・学校) | 保健師・養護教諭 | 1年の通学を調整できる人 | 養護教諭は採用枠が小さく、競争率8.2倍。養成機関は限られる | 行政保健師・産業保健師・養護教諭の個別記事で、通える課程を探す |
| 出産・産後の支援を仕事の中心にする | 助産師 | 助産の課程に1年通える人 | 国家試験の前に、課程に入る段階が壁になる | 看護師から助産師になるにはで課程の種類を比べる |
| 相談を中心とする仕事に移る | ケアマネジャー | 5年・900日が見込める人 | 給与の変わり方は個別記事で数字を確かめる。試験の合格率は25.6% | ケアマネの記事で900日の数え方を確かめる |
| 実務5年未満で、まず臨床で力をつける | まだ申し込める資格が少ない時期 | 5年に届く日を数えて準備する人 | 資格を急いで取り、使う場のない状態になる人 | 実務が通算5年になる日と、教育機関の募集時期を手帳に書く |
1行目の専門看護師と2行目の診療看護師(NP)は、大学院の修了が要件です(専門看護師は修士課程で標準2年)。認定看護師の教育課程は1年以内、特定行為研修は6〜24か月(2019年11月改訂時点)なので、まず大学院に通えるかで進む道が分かれます。
迷う人は、次の順に絞ります。
- 実務年数で候補を減らす: 申し込めるかどうかは、年数が先に決めます。5年に届いていなければ、認定・専門・管理者・NP・ケアマネはまだ申し込めません
- 今の職場で資格を使えるかを確かめる: 手当が付くかは病院の規程しだいで、使う部署や手順書が無ければ役割も増えません。受講より先に、体制のある部署への異動や転職を考えます
- 費用を「総額−給付金−施設負担」で出す: 給付金や施設の負担で変えられる余地があるので、年数と職場の次に置きます。表の初年度の額に、2年目と受講中の収入の減少を足します
- 期間と両立を確かめる: 費用が払えても、通学や実習の時間を勤務と両立できなければ修了できません
- 決められなければ、取らない選択をする: 職場や働き方が変われば、目的も変わることがあります
どの資格にも向かないのは、「資格を取れば今の不満が解決する」と考えている人です。夜勤や人間関係の悩みが原因なら、資格より働き先の見直しのほうが近道になることがあります(働き先の全体像は看護師の働き先一覧)。
学会・団体の認定資格を見るときの3点
分野ごとに学会や団体が認定する資格は、この記事の表に入れていません。気になる資格があれば、認定団体の公式サイトで次の3点を確かめます。誰が認定するか(学会か民間団体か)、受験要件(実務年数・研修)、更新の条件(頻度と費用)です。そのうえで、自分の職場がその資格を配置や手当で扱っているかを、上の質問の見本で聞きます。
失敗例・よくあるNG|年数の数え違いと、A課程だけを探し続けること
⚠️ つまずきやすい落とし穴実務経験の年数を数えずに準備を始め、申し込める時期を読み違えることです。ケアマネは5年に加えて900日の勤務日数が必要で、週2日のパート(年104日)なら900日に届くまで約8.7年、週3日(年156日)で約5.8年かかります(休まず働いた前提の編集部の試算)。認定看護師・専門看護師は、うち3年以上が自分の分野の実務でなければならず、異動歴によって、その分野の実務が3年あるかどうかが変わります。もう1つは、A課程の募集だけを探し続けることです。A課程は2029年度に認定審査が終わり、2026年度に開講するのは6課程・定員170人です。日本看護協会のページの入試情報には2027年度開講予定のA課程(訪問看護・感染管理・認知症看護)も載っていますが、数は限られ、分野によってはB課程(特定行為研修を組み込み)しか選べません。先に実務の通算年数と勤務日数を数え、教育機関の最新の開講状況を日本看護協会のページで確認してください。
産休・育休中や働きながら取れるか
「産休中に取れる資格」を探している方に、先に事実を書きます。看護系の資格のほとんどは、実務経験か通学・実習が前提で、休んでいるだけで進められるものは見つかりませんでした。取れるかどうかは、次の3つで分かれます。
- 実務経験の年数を数える資格(認定看護師・専門看護師・認定看護管理者・NP・ケアマネ): ケアマネは、東京都の令和8年度の受験要項で、育児休業・病気休業・介護休業の期間は従事期間に含まれず、産前産後休業は期間には含まれるが、900日は実際の勤務日数で数えるとされています。他の都道府県の扱いは、受験する都道府県の要項で確かめてください。ほかの資格の休業期間の扱いは、本記事では確認できませんでした
- 通学・実習が必要な資格(専門看護師・NP・保健師・助産師・養護教諭): 休業中に通えるかは課程しだいです。看護系大学院は、回答した204課程のうち、平日夜間・土日の開講がある課程が178課程(87.3%)です(日本看護系大学協議会などの2024年度調査表2-4から編集部が合算。通い方は看護師が働きながら大学院へ行くには)
- 研修で取る資格(特定行為研修): 指定研修機関によっては、eラーニング等の通信による方法で研修を行っています(厚生労働省Q&A)
休業中にできることは、受験要件がすでにそろっている人のケアマネ試験の準備、募集要項の取り寄せ、奨学金や給付金の確認です。育休中の収入と給付金は看護師の産休・育休でもらえるお金、学び直しの給付は先の給付金の記事で整理しています。
⚠️ つまずきやすい落とし穴休業中に「いまのうち」と焦って受講を始め、復職後に続かなくなることです。特定行為研修は共通科目だけで250時間、認定看護師のB課程は800時間程度(特定行為の実習は別)あります。実習の場所と時期は、研修機関の募集要項で決まります。育休中の勉強時間は取れても、復職後の時短勤務や保育園の送り迎えと重なる実習期間に、時間が足りなくなることがあります。始める前に、研修機関へ「休業中に受講を始め、復職後に実習を行えるか」と「受講を中断・延期できる期限はいつまでか」を書面で確認します。あわせて、復職後の勤務形態(時短・日勤のみなど)で実習の時間を確保できるかを、上司とも話しておきます。確認する順番は、研修機関の募集要項、復職予定の部署、そのあとに申し込みです。
よくある質問
Q. 看護師のキャリアアップに役立つ資格は、どれですか?
A. 目的で変わります。院内で専門性を深めるなら認定看護師・専門看護師、手順書で診療の補助を広げるなら特定行為研修・診療看護師(NP)、看護管理の役割を担うなら認定看護管理者です。臨床の外へ出るなら保健師・養護教諭、出産・産後の支援なら助産師、相談を中心とする仕事ならケアマネジャーが候補になります。認定看護師・専門看護師・認定看護管理者・NPは実務5年が入口で、手当が付くかは病院の規程しだいです。
Q. 看護師が資格を取ると、資格手当はいくら付きますか?
A. 付かない病院もあり、病院の規程しだいです。日本看護協会の調査(2025年1〜2月、回収3,471件)で、その資格を持つ人を雇っている病院のうち、手当があるのは認定看護師で49.5%、専門看護師で47.0%、特定行為研修修了者で30.5%でした。手当がある病院の平均額は1万円台前半(11,228〜11,857円。支払い単位は報告書に明記されていません)で、基本給で「特別な評価をしていない」と答えた病院は59.9〜68.5%(複数回答)でした。
Q. 看護師が取れる資格で、いちばん取りやすいのはどれですか?
A. 「取りやすさ」は、要件・期間・費用・試験の合格率のどれで見るかで変わり、公表値では1つに決められません。実務経験が不要なのは保健師・助産師・養護教諭で、1年以上の通学が必要です。実務5年・900日がそろっていれば、ケアマネは試験のあとの研修が87時間(東京都)ですが、試験の合格率は25.6%です。
Q. 資格を取る費用は、給付金で減らせますか?
A. 雇用保険の教育訓練給付の対象になる講座があります。対象かどうかは、講座の指定と、自分の雇用保険の加入期間などの条件で決まります。確かめる手順は看護師の学び直しで使える教育訓練給付金で整理しています。
Q. 産休・育休中に取れる資格はありますか?
A. 休んでいる間に取れると確認できた資格はありません。実務経験を数える資格は、休業中の扱いが資格ごとに違います(ケアマネは東京都の令和8年度の受験要項で、育児休業の期間は従事期間に含まれず、産前産後休業は期間に含まれても、900日は実際の勤務日数で数えます)。通学や実習が必要な資格は復職後の勤務と重なります。受験要件がそろっている人のケアマネ試験の準備や、募集要項の確認は休業中にできます。
資格を取る前に、活かせる職場の条件を比べておく
手当が付くかも、役割が増えるかも、職場の規程と配置しだいです。まだ取ると決めていなくても、資格を使う部署や役割がある職場の条件を比べておくと判断しやすくなります。
まとめ
- 看護師が取れる資格は3系統で、実務経験の要件は認定・専門・管理者・NPが5年、ケアマネが5年かつ900日です。保健師・助産師・養護教諭は実務年数を問わず、1年以上の通学が要ります
- 人数は認定看護師25,809人、専門看護師3,644人、NP1,118人など数え方が違い、足し算できません
- 手当がある病院は、認定看護師で49.5%、専門看護師で47.0%、特定行為研修修了者で30.5%で、平均額は1万円台前半です。手当だけで大学院の学納金を回収する見込みは立ちにくいと読めます
- 決める順番は、実務年数、職場で使えるか、費用の総額、期間です。決められなければ、取らない選択もあります
最初の一歩は、実務の通算年数を数え、判断表で候補を1〜2個に絞って、個別記事で要件を確かめることです。
次のステップへ
- 認定・専門看護師の人数と手当を詳しく知りたい方は → 認定看護師・専門看護師は何人いる?
- 診療の補助を広げたい方は → 特定行為研修のメリット・デメリットと診療看護師(NP)になるには
- 大学院で学びたい方は → 看護師が働きながら大学院へ行くには
- 行政・企業で働く保健師や、学校の養護教諭を考える方は → 行政保健師への転職、産業保健師への転職、看護師から養護教諭になるには
- 出産・産後の支援を仕事の中心にしたい方は → 看護師から助産師になるには
- 相談を中心とする仕事に移りたい方は → 看護師からケアマネジャーになるには
- 産休・育休中の方は → 看護師の産休・育休でもらえるお金
- 学費の負担を軽くしたい方は → 看護師の学び直しで使える教育訓練給付金
- 海外で看護師として働きたい方は → 看護師が海外で働くには