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看護師が働きながら大学院へ行くには|学費・期間・給付金と修了後の進路

ナースひとやすみ 編集部2026年10月22日 更新約18分で読めます
目次

臨床で数年働くと、「この先、何を専門にしていくか」を考える時期が来ます。大学院はその選択肢の一つですが、募集要項を前にすると、夜勤を続けながら通えるのか、学費はいくらか、修了したあとに居場所はあるのか、と手が止まるところです。

看護師は働きながら大学院に通えます。 回答した看護系の修士課程等の87.3%が、平日夜間か土日に開講しています(204課程のうち178課程。日本看護系大学協議会ほか『看護系大学に関する実態調査』2024年度)。

ただし「大学院に行く意味」は、何になりたいかで変わります。専門看護師(CNS)には修士課程の修了が必要ですが、特定行為研修や認定看護師の教育課程は、大学院の修了が要件ではありません。しかも、回答した病院のうち専門看護師が所属する病院は、分野別に見ると最も多いがん看護でも10.1%です。

この記事では、目的の選び方、分野ごとの通える課程数と働き先、両立の形、費用、修了後の進路を、公的資料と、日本看護協会・日本看護系大学協議会ほかの調査で順に確かめます。

まず決めるのは「何になりたいか」|大学院が要る道・要らない道

判断は、次の順に進めると迷いにくくなります。目的が決まらないと分野が決まらず、分野が決まらないと、通える課程も修了後の働き先も見えないからです。

  • 最初に: 何をする人になりたいか(目的)
  • 次に: その分野の課程が通える範囲にあり、勤務先や転職先に役割があるか
  • そのあとで: 夜勤や休みをどう調整して通うか
  • 最後に: 費用をどう用意するか

目的別に、大学院が必要かどうかを分けると次のとおりです。

なりたい姿向く道大学院
複雑な事例で、ケアをする人への相談・調整・倫理調整まで担う専門看護師(CNS)必要。修士課程で教育課程基準の38単位を取得し、さらに実務研修が通算5年以上(うち3年以上は専門看護分野)
医師の手順書で、特定行為を行えるようになりたい特定行為研修大学院に通わなくても受講できる。特定行為研修のメリット・デメリットで整理
医師や多職種と連携して、一定レベルの診療を担いたい診療看護師(NP)日本NP教育大学院協議会が認定した大学院の修了が前提(国家資格ではない)。診療看護師(NP)になるにはで整理
特定の分野の実践を深めたい(感染管理など)認定看護師要件ではない。認定看護師教育機関を修了して審査を受ける
助産師になりたい助産師の養成課程大学院の助産師コースもある(修士課程の修了生の16.6%)。看護師から助産師になるにはで整理
看護専門学校(養成所)の教員になりたい専任教員として必要な研修(専任教員養成講習会など)要件ではない。大学院で教育に関する科目を履修する道もある
看護系大学の教員・研究者になりたい修士課程のあと、博士後期課程へ進む道がある要件は大学・職位ごとに違う。志望先の公募要項で確認

出典: 日本看護協会「専門看護師」「認定看護師」、厚生労働省『看護師等養成所の運営に関する指導ガイドライン』(専任教員の要件。厚生労働省「看護教育」ページに掲載)、助産師コースの割合は同実態調査表5-1(2024年度の修士課程修了生1,731人中287人)

認定看護師を目指す場合の実務5年の数え方、費用、審査の合格ラインは認定看護師になるにはで整理しています。

日本看護協会によると、専門看護師の役割は、実践・相談・調整・倫理調整・教育・研究の6つです。「手順書で行う行為を増やしたい」だけなら、大学院に行かなくても目的に届く道があります。 大学院を選ぶ理由になるのは、事例を整理して周りに働きかける役割や、大学での教育・研究の仕事に進みたいときです。

目的がまだ決まらない人は、入学を急がず、科目等履修制度で1科目から試す方法があります。この制度を設けている大学院は、回答した205課程のうち166課程(81.0%)です。入学後に、その単位が認められるかどうかは大学ごとに違うので、募集要項で確かめてください。

分野を選ぶ|通える課程の数と、配置している病院の数は別

専門看護師が所属する病院は、最も多いがん看護でも10.1%

日本看護協会『2025年 病院看護実態調査 報告書』表18(回答3,502病院)

専門看護師には14の専門看護分野があります。分野によって、通える課程の数も、専門看護師が働いている病院の割合も大きく違います。

分野(日看協の名称)38単位の教育課程数登録者数所属している病院の割合
がん看護711,172人10.1%
精神看護55466人5.0%
老人看護(課程名は「老年看護」)42314人3.7%
小児看護39337人2.7%
急性・重症患者看護(課程名は「クリティカルケア看護」)35445人4.7%
慢性疾患看護(課程名は「慢性看護」)26299人3.4%
在宅看護20153人0.8%
感染症看護(課程名は「感染看護」)15129人1.9%
母性看護10106人1.6%
家族支援(課程名は「家族看護」)5102人1.2%
遺伝看護527人0.4%
災害看護549人0.6%
放射線看護214人0.1%
地域看護031人0.1%

出典: 課程数は日本看護系大学協議会「高度実践看護師教育課程一覧」(2026年2月現在。14分野の合計330課程)、登録者数は日本看護協会「専門看護師 都道府県別登録者数」(2025年12月現在。合計3,644人)、「所属している病院の割合」は、日本看護協会『2025年 病院看護実態調査 報告書』表18の、回答した3,502病院(2025年10月1日時点)のうち、その分野の専門看護師が1人以上所属している病院の割合(正規・非正規は問わない)。この調査は病院が対象で、訪問看護ステーションなど病院以外で働く専門看護師は含まれません

読み取れることは4つあります。

  • 課程数が多い分野ほど、働き先も多い傾向があります。 がん看護は71課程で、所属する病院も10.1%と最も多い分野です
  • それでも、最も多い分野で1割です。 回答した病院の約9割には、がん看護の専門看護師がいません。小児看護は39課程ありますが、所属する病院は2.7%です
  • 登録者数は、全国にその分野の専門看護師が何人いるかを示します。 所属する病院の割合と合わせて見ると、がん看護は登録者1,172人で所属病院も多く、放射線看護は14人で、所属する病院は回答した病院のうち5病院でした
  • 課程が少ない分野は、通える範囲に課程がないことがあります。 放射線看護は2課程、地域看護は38単位の課程が一覧にありません(2026年2月現在。登録者31人がいる理由は資料から分かりません)

働き先の偏りは、病院の規模でさらにはっきりします。

病床規模(回答病院数)がん看護精神看護急性・重症患者看護
99床以下(886)1.1%0%0.1%
100〜199床(1,249)1.5%0.9%0.3%
200〜299床(483)4.6%3.9%1.9%
300〜399床(378)16.7%6.9%4.0%
400〜499床(209)34.9%14.4%12.4%
500床以上(281)59.4%31.7%39.1%

出典: 日本看護協会『2025年 病院看護実態調査 報告書』統計表3(病床規模の無回答16病院を除く)

500床以上の病院の59.4%にはがん看護の専門看護師がいますが、99床以下では1.1%です。がん看護・精神看護・急性・重症患者看護の3分野では、専門看護師の配置は大規模な病院に集まっています。 小さな病院に勤めている人が修了しても、同じ病院にその役割のポストがあるとは限りません。

働きながら通える形|期間・開講・長期履修・休職

期間と修了の条件

修士課程の標準修業年限は2年で、修了には2年以上の在学と30単位以上の修得、研究指導、修士論文または特定の課題研究の審査と試験の合格が必要です(大学院設置基準第3条・第16条)。専門看護師の教育課程は、日本看護系大学協議会の基準で38単位と、30単位より多く設定されています。授業・研究・修士論文にどれだけ時間を取られるかは、公表資料で確かめられませんでした。課程のカリキュラムと修了までの課題を、募集要項で確認します。実務経験者向けに標準修業年限を1年以上2年未満とする課程も制度上は設けられます(第3条第3項)が、看護系での実施状況は分かりません。

夜間・土日に開講している課程は87.3%(178課程)

「昼間と夜間・土日の両方」が77.9%を占めます。これは、夜間か土日に授業があるという意味で、夜間・土日だけで修了できるという意味ではありません。 平日昼間のみの課程は12.7%で、働きながら通うなら対象から外れます。なお、この割合は看護系の修士課程等の全体で、専門看護師の課程だけの割合は調査から分かりません。

仕事のほうを調整する制度

  • 長期履修: 働きながら、標準より長い期間で計画的に履修できる制度です(大学設置基準第30条の2。大学院設置基準第15条で準用)。実施の有無と授業料の扱いは、大学ごとに違います
  • 勤務先の長期休職制度: 長期(3か月〜1年程度)の休職制度がある病院は、回答した病院の12.7%です(病休・産休・育休を除く。日本看護協会『2025年 病院看護実態調査 報告書』表63、n=3,502)。教育のための休職に限った割合ではありませんが、制度のない病院のほうが多いので、勤務先の就業規則で確かめる必要があります

学費|国立の標準額と、設置主体別の初年度の平均

国立大学の大学院は、授業料の標準額が年535,800円、入学料の標準額が282,000円です(国立大学等の授業料その他の費用に関する省令第2条。各国立大学法人が標準額をもとに定めます)。この標準額で2年間通うと、入学料282,000円+授業料535,800円×2年=1,353,600円です(編集部計算。教材費・交通費などは含みません)。

実際の初年度の納付額は、看護系の大学院の調査で、次のとおりでした。

設置主体(課程数)初年度の学納金(総額の平均)
国立(16課程)82.9万円
公立(28課程)89.1万円
私立(41課程)113.7万円

出典: 日本看護系大学協議会・日本私立看護系大学協会『看護系大学に関する実態調査』2024年度(2025年度実施)表16-4(専門看護師課程。入学金・授業料・実習費・施設設備費等の合計の平均)

私立は、国立より初年度で約31万円高い計算です(113.7万円−82.9万円)。この数字は初年度だけで、2年目以降の額は調査にないため、私立の2年間の総額は算出していません。2年目は入学金がかからない分、初年度と同じ額とは限らず、実習費などの扱いも大学ごとに違います。志望校の募集要項で、2年間の総額を確認してください。

学費を軽くする制度|教育訓練給付・休暇給付金・奨学金

  • 教育訓練給付: 雇用保険の加入期間などの条件を満たし、指定を受けた課程なら対象になりえます。支給の可否と額はハローワークが決めます。大学院は課程ごとに指定の有無と区分(専門実践か一般)が決まります。区分と手続きは看護師の学び直しで使える教育訓練給付金に整理しています
  • 教育訓練休暇給付金: 仕事を休んで通う場合の制度です。勤務先に教育訓練のための休暇の制度があることが前提です(同記事)
  • 奨学金: 日本看護協会の「石橋美和子がん看護CNS奨学金」(貸与)は、がん看護専門看護師の教育課程に在籍する人(入学許可を受けた人を含む)向けです。2026年度の募集は年額180万円以内・貸与期間1年、申込期間は4月でした。返還の条件、応募資格、募集期間は年度ごとに変わるので、日本看護協会の案内で確かめてください

入れるのか、修了後はどうなるのか

入学の状況|全体では定員に届いていないが、課程ごとに違う

回答した171課程の修士課程等で、定員2,496人に対し、志願者は2,438人、入学者は1,711人でした(同調査表4-1、2024年度)。分かることと分からないことを分けると、次の3点です。

  • 全体では、志願者が定員に届いていません。 定員に対する入学者の割合(充足率)は68.5%です
  • 志願者の約3割は入学していません。 入学者は志願者の70.2%(1,711÷2,438、編集部計算)で、志願者数を入学者数で割った倍率は1.4倍です。不合格と入学辞退は調査では分けられないため、倍率は合格率ではありません
  • 課程ごとの差は、この調査からは分かりません。 全体の数字だけでは、志望校の入りやすさは判断できません

入試の科目や方法は、この調査にありません。説明会や募集要項で、過去の入試の内容を確かめてください。出願資格は、大学を卒業していなくても、個別の入学資格審査(22歳以上)などで認められる場合があります(学校教育法施行規則第155条。詳しくは診療看護師(NP)になるにはのFAQ)。

修了した人の進路

修士課程の修了生1,804人の就職・進学は、病院・診療所が1,136人(63.0%)、大学・短大・研究機関等が130人(7.2%)、看護系大学院への進学が60人(3.3%)でした。専門看護師などの高度実践看護師の教育課程の修了生に限ると、次のようになります。

進路修士課程の修了生全体(1,804人)うち高度実践看護師教育課程の修了生(274人)
病院・診療所63.0%86.9%
訪問看護ステーション1.4%1.8%
大学・短大・研究機関等7.2%1.5%
上記以外(進学・保健所・企業・その他など)28.4%9.8%

出典: 日本看護系大学協議会・日本私立看護系大学協会『看護系大学に関する実態調査』2024年度(2025年度実施)表6(「上記以外」は100%から上の3行を引いた編集部計算)

高度実践看護師の教育課程の修了生は、9割弱が病院・診療所で働いています。一方、大学等に進む割合は修士課程全体より低く、博士後期課程の修了生では大学・短大・研究機関等が48.1%でした(318人中153人)。この列には専門看護師だけでなくNPなどの課程も含まれます。大学等で働く人の割合は、修士課程の修了生より博士後期課程の修了生のほうが高いことが分かります。教員の要件は大学・職位ごとに違うので、志望先の公募要項で確かめてください。

この数字には、看護師として働いたことのない新卒の入学者も含まれます。在職者がどれだけ元の職場に戻ったのか、転職したのかは、調査では分かりません。資格手当の実額は、認定看護師・専門看護師は何人いる?を参照してください。

進め方の3ステップ

ステップ1: 目的と分野を決め、勤務先に役割があるかを確かめる

手順は次のとおりです。

  • 前の節の表で、なりたい姿に合う道を選ぶ
  • 専門看護師なら、分野を絞る。日本看護協会の「分野別都道府県別登録者検索」で、通勤圏の登録者を確認する
  • 勤務先に、その分野の専門看護師がいるかを調べる。いなければ、看護部長か師長に「修了後にどんな役割を想定しているか」を聞く
⚠️ つまずきやすい落とし穴

課程数や登録者数が多い分野だけを見て決め、修了後の役割がないまま卒業することです。たとえば急性・重症患者看護の専門看護師は、500床以上の病院の39.1%に所属しますが、199床以下では0.3%以下です。小規模な病院で働く人が修了しても、同じ病院にその役割のポストはないかもしれません。進学を決める前に、修了後の配置、時期、処遇の見込みまでを看護部に確かめてください。口頭の「頑張って」だけで終わらせず、答えが曖昧なら、転職を含めて働き先を探す選択肢も並べておくと、修了後に身動きが取れなくなるのを避けやすくなります。

ステップ2: 課程を絞り、募集要項で5項目を確かめる

日本看護系大学協議会の「高度実践看護師教育課程一覧」や、日本看護協会の教育機関・課程一覧で、分野ごとの課程を探します。気になる課程は3つほどに絞り、募集要項で次の項目を確かめます。

⚠️ つまずきやすい落とし穴

「夜間・土日開講」の表示だけで安心し、実習の日程を確かめないことです。調査では、昼間と夜間・土日の両方を開講する課程が77.9%と大半を占め、夜間・土日だけで修了できるとは限りません。実習や演習が平日の昼間に組まれていないかは、この調査からは分からず、課程ごとに違います。その期間に勤務先の休暇が取れないと、休学や留年になりかねません。出願の前に、実習が何日間・何か月あるのかを説明会で聞き、勤務先の上司にその期間の休みを取れるか、事前に確認しておいてください。

なお、日本看護系大学協議会の認定を受けた課程の外で修了した人(コース外修了者)には、教育要件を確かめる受験資格審査という別の手続きがあります(日本看護協会)。

ステップ3: 勤務先に相談し、お金と休みの計画を立てる

相談の順番は、上司→看護部→人事(就業規則の確認)です。次のことを書面や就業規則で確かめます。

  • 夜勤の免除や日勤への配置換えができるか
  • 学費の補助があるか。あるなら、修了後の勤務年数などの条件
  • 長期の休職制度があるか(回答した病院の12.7%)
⚠️ つまずきやすい落とし穴

学費だけを見て、通学中の収入の減り方を見落とすことです。夜勤を減らすと夜勤手当が減り、休職中の給与は就業規則しだいで、無給の場合もあります。入学料と授業料は国立の標準額で2年間135万円台ですが、収入の減少分はそこに含まれません。給与明細で「夜勤手当の月額×12か月」を出し、夜勤を減らす場合の年間の減り方を、学費と並べて見積もってください。また、学費の補助を受けるときは、修了後に決められた年数勤めることなどが条件になっていることがあり、守れなかった場合は返還を求められる契約もあります。看護師の奨学金「お礼奉公」がつらいでも書いたとおり、契約書の条件は、サインの前に読んでおきます。

失敗例・よくあるNG

  • NG①: 目的を決めずに入学する → 特定行為研修や認定看護師の教育機関で足りた、と入学後に気づく
  • NG②: 修了すれば専門看護師になれると考える → 認定審査には、看護師免許、修士課程の修了に加え、看護師の実務研修が通算5年以上(うち3年以上は専門看護分野)必要。審査料51,700円(税込)に加えて合格後に認定料51,700円(税込)がかかり、資格は5年ごとの更新(日本看護協会)
  • NG③: 科目等履修で取った単位が、入学後に必ず認められると考える → 認められるかは大学ごとに違うため、履修の前に確かめる

よくある質問

Q. 看護師は働きながら大学院に通えますか?

A. 通えます。回答した看護系の修士課程等のうち、夜間か土日に開講している課程は87.3%です(204課程のうち178課程。日本看護系大学協議会ほか『看護系大学に関する実態調査』2024年度)。ただし、専門看護師の課程に限った割合は分からず、実習や演習の時期は課程ごとに違います。長期履修などの制度を含めて、課程ごとに確認してください。

Q. 看護師の大学院は難しいですか?(難易度)

A. 全国の数字だけでは、難しいかどうかは判断できません。看護系の修士課程等(回答171課程、2024年度)では、定員2,496人に対して志願者は2,438人、入学者は1,711人で、入学者は定員の68.5%でした。全体では志願者が定員に届いていませんが、倍率は合格率ではなく、課程ごとの差も分かりません。入試の内容は、説明会や募集要項で確かめます。

Q. 看護師の大学院の学費はいくらですか?

A. 国立大学の標準額(国立大学等の授業料その他の費用に関する省令)で2年間通うと、入学料282,000円+授業料535,800円×2年=1,353,600円です(教材費・交通費は含みません。編集部計算)。専門看護師課程の初年度の学納金(総額の平均)は、国立82.9万円、公立89.1万円、私立113.7万円でした(日本看護系大学協議会ほか『看護系大学に関する実態調査』2024年度)。この3つの額は初年度だけで、2年間の総額は調査にないため、志望校の募集要項で確かめてください。

Q. 看護師の大学院は何年かかりますか?

A. 修士課程の標準修業年限は2年で、修了には30単位以上の修得と、修士論文または特定の課題研究の審査・試験への合格が必要です(大学院設置基準第3条・第16条)。専門看護師の教育課程は38単位が基準です。働きながら標準より長い期間で履修できる長期履修は、実施の有無と授業料の扱いが大学ごとに違います。

Q. 看護師が大学院に行く意味はありますか?

A. 目的しだいです。専門看護師と診療看護師(NP)を目指すなら大学院の修了が必要です。特定行為研修、認定看護師、看護専門学校の教員は、大学院の修了が要件ではありません。大学の教員・研究者の要件は、大学・職位ごとに違います。

勤務先で叶わないとき|求人・面接で確かめる4点

勤務先に修了後の役割も学びの制度もないと分かったときは、制度のある職場へ移る選び方もあります。求人や面接では、次の4点を確かめます。

  • その分野の専門看護師が在籍しているか
  • 学費の補助と、修了後の勤務年数などの条件
  • 長期の休職制度があるか
  • 夜勤の免除や日勤への配置換えができるか

学びを支える制度がある職場を、条件で比べておく

進学を考えていて、まだ転職するかは決めていなくても、上の4点を確認項目として持っておくと、職場を比べるときの判断材料になります。

まとめ

  • 目的が先: 専門看護師と診療看護師(NP)は大学院が必要。特定行為研修、認定看護師、看護専門学校の教員は大学院が要件ではない
  • 分野は働き先で選ぶ: 回答した病院のうち専門看護師が所属する病院は、最も多いがん看護でも10.1%。がん・精神・急性・重症患者看護の3分野は、500床以上に集中している
  • 両立の形: 夜間か土日に開講している課程は87.3%。実習の日程と長期履修を、出願前に確かめる
  • 費用: 入学料と授業料は、国立の標準額で2年間135万円台。専門看護師課程の初年度の平均は、国立82.9万円、私立113.7万円
  • 次の一歩: まず勤務先の看護部長か師長に、「修了後にどんな役割を想定しているか」を聞いてみる

状況に合わせて、次の記事も参考にしてください。