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看護師からケアマネジャーになるには|受験資格「5年・900日」の数え方・費用・給与(2026年10月時点)

ナースひとやすみ 編集部約13分で読めます
目次

看護師がケアマネジャー(介護支援専門員)になるには、現行制度(2026年10月時点)では実務経験5年・900日以上で試験に合格し、87時間の実務研修を修了して都道府県に登録します。 受験できるのは、看護師(准看護師を含む)の免許の登録日以降に働いた期間が通算5年以上、かつ働いた日数が900日以上ある人です。登録のあと、介護支援専門員証の交付を受けて働き始めます。

「あと何年、この夜勤を続けられるだろう」と考えて、相談の仕事に移ることを調べ始めた人に向けて、この記事では受験資格の数え方、費用と期限、給与の実際、決まった改正と決まっていない改正を整理します。内容は2026年10月時点の法令と、厚生労働省・東京都・大阪府の公表資料にもとづきます。

先に押さえたい点は2つです。給与は、同じ調査で比べると介護支援専門員の平均が看護職員より月9,210円低く、上がるとは限りません。制度は動いていて、5年ごとの更新制は2026年6月に成立した改正法で廃止が決まりましたが、受験に必要な実務経験を3年にする見直しは、まだ決まっていません。

受験資格——「5年以上」と「900日以上」は別のルール

受験資格は「通算5年以上」と「900日以上」の両方を満たすことで、この2つは別々の文書に書かれています。

  • 5年以上: 介護保険法施行規則113条の2。看護師・准看護師などが「その資格に基づき当該資格に係る業務に従事した期間」と、相談援助業務の期間が「通算して五年以上」
  • 900日以上: 厚生労働省の実施要綱(「介護支援専門員実務研修受講試験の実施について」)。通算5年以上で、「かつ、当該業務に従事した日数が900日以上」

在籍した期間が5年あっても、実際に働いた日数が900日に届かなければ受験できません。数え方には、次の決まりがあります。

受験するのは、申し込む時点で看護師などの対象業務に就いている勤務地の都道府県です。対象業務に就いていなければ住所地の都道府県になり、複数の都道府県では受けられません(実施要綱)。

900日に届くまでの目安(計算の見本)

働き方によって、5年と900日のどちらが後に来るかが変わります。次の表は、編集部が置いた前提による目安の計算です。実際は勤務記録で数えます。

働き方(前提)年間の勤務日数900日に届くまで受験資格がそろう時期
常勤・週5日(年240日)約240日約3年9か月5年(その時点で約1,200日)
パート・週3日(年50週)約150日約6年約6年
パート・週2日(年50週)約100日約9年約9年

夜勤1回(2日にまたがる勤務)を1日と数えるか2日と数えるかは、実施要綱にも大阪府・東京都の案内にも書かれていません。産休・育休・休職の期間の扱いも、要綱には記載がありません(未確認)。夜勤専従や休業の期間が長い人は、受験する都道府県に確かめてください。

受験を決めたら、職歴を1行ずつ書き出すと、証明書の依頼先と足りない日数が一度に見えます。

◯◯病院(閉院・統合なし)/2016年4月〜2021年3月/常勤・病棟/週5日/約1,200日

◯◯クリニック/2021年4月〜在職中/パート・外来/週3日/約750日(2026年3月末時点)

⚠️ つまずきやすい落とし穴

パートや時短の期間が長い人ほど、「在籍5年」で受けられると思い込みやすくなります。たとえば常勤で2年(約480日)働いたあと、週2日のパートを3年(約300日)続けると、在籍は5年でも日数は約780日で、900日に届きません。もう1つは証明書の出し直しです。見込みで証明して申し込んだ人が、決められた期日までに改めて実務経験証明書を出さないと、受験そのものが無効になります(実施要綱)。前の職場が閉院・統廃合で証明書を出せないときは、給与明細書や雇用契約書などで確認する方法も認められています。ただし、これは廃業や統廃合などで発行が難しい場合の扱いで、「連絡しにくい」だけでは使えないと考えてください。証明書は受験を決めた時点で依頼しておきましょう。

2026年の改正で決まったこと・まだ決まっていないこと

項目2026年10月時点の状態根拠
5年ごとの更新制廃止が決定。介護支援専門員証の有効期間と、更新のための研修をなくす。施行は公布(2026年6月25日)から1年6か月以内に政令で定める日社会福祉法等の一部を改正する法律(令和8年法律第51号)
定期的な研修更新制の廃止後も受講は続く。正当な理由なく受けないと受講を命じられ、従わないと1年以内の業務禁止がありうる同上
実務経験5年→3年国の審議会が「3年に見直すことが適当」と意見。受験資格を定める施行規則113条の2は「五年以上」のままで、改正はまだ公布されていない社会保障審議会介護保険部会「介護保険制度の見直しに関する意見」(2025年12月)
受験できる国家資格の追加診療放射線技師・臨床検査技師・臨床工学技士・救急救命士・公認心理師を加えることが「適当」とされた。看護師・准看護師はもともと対象同上

看護師にとっての意味は2つです。

  • 実務経験が3年以上5年未満の人: 次の第30回(2027年度)の受験資格が現行のままか変わるかは、この記事の公開時点で決まっていません。900日の条件をどうするかも未定です。2027年に勤務地の都道府県が出す受験要項で確かめてから、申し込みの計画を立ててください
  • これからケアマネになる人: 改正法の施行後は、一度交付を受けた資格が期限で失効しなくなります。現行の更新研修(2回目以降で32時間)のような決まった日程の研修は、一定期間の中で分けて受けられる仕組みに変わる予定です(厚生労働省の改正概要)

試験のデータ——合格率と、看護職の合格者

直近の第28回(2025年10月)は受験者50,601人、合格率25.6%でした。これは全職種を合わせた数字で、看護師・准看護師だけの受験者数や合格率は公表されていません。

受験資格の見直しで「介護等業務従事者」が対象から外れた第21回(2018年度)は、受験者が49,332人で、前年(131,560人)の4割弱でした。その第21回以降の合格率は次のとおりです。

合格率は年によって10%台から30%台まで動きます。看護職について公表されているのは、合格者の職種の内訳です。

職種第28回(2025年度)の合格者第1〜28回の合計
介護福祉士8,310人(64.1%)357,241人(45.7%)
看護師・准看護師2,094人(16.2%)181,620人(23.2%)
社会福祉士857人(6.6%)50,413人(6.5%)
保健師245人(1.9%)29,189人(3.7%)

出典: 厚生労働省「第28回介護支援専門員実務研修受講試験の実施状況について」職種別合格者数。構成比は各回の合格者数に対する割合で、複数の資格を持つ人は重複して数えられています。一部の都道府県は看護師と准看護師を区分していません

看護師・准看護師は、累計では合格者の23.2%ですが、第28回は16.2%でした。直近の構成比は累計より低く、合格者の中心は介護福祉士です。試験は五肢複択のマークシート方式で、120分・60問(介護支援分野25問、保健医療福祉サービス分野35問)です(東京都の2026年度の案内)。出題は、介護保険制度、要介護認定、ケアプラン、保健医療サービスと福祉サービスの知識です(施行規則113条の3)。

ケアマネになるまでの流れ——申込から登録までの費用と期限

段階内容費用・期限(2026年度の例)
申込勤務地の都道府県へ。実務経験証明書を添える期間は約1か月(大阪府5月25日〜6月22日、東京都6月1日〜30日)。受験手数料は大阪府13,400円、東京都12,400円
試験年1回第29回は2026年10月11日。東京都の合格発表は11月24日(予定)
実務研修87時間の講義・演習と、居宅介護支援事業所での実習東京都の受講料は44,600円。第29回の合格者向けは2026年12月下旬〜2027年3月中旬(予定)
登録都道府県知事の登録(介護保険法69条の2)実務研修の修了日から3か月を経過する日までに申請(施行規則113条の7)
介護支援専門員証交付を受けて業務に就く現行は有効期間5年で、更新研修を受けて更新(69条の7・69条の8)。改正法の施行後は有効期間がなくなる

東京都で受験から実務研修の修了までにかかる手数料と受講料(12,400円+44,600円)。東京都の研修は教育訓練給付の対象講座で、金額は都道府県で違う57,000円

東京都福祉保健財団「令和8年度 東京都介護支援専門員実務研修受講試験」「実務研修」(2026年)

東京都の実務研修は、雇用保険の教育訓練給付(特定一般教育訓練)の対象講座に指定されています。支給を受けられるかと金額は、ハローワークで確かめてください。研修は法定研修で、東京都は、オンラインの回でも仕事をしながらの受講はできないとしています。講義は動画で各自視聴し、演習と実習は決められた日に受けるので、その日は勤務を外す相談が必要です。

この記事の公開時点(2026年10月9日)で、第29回の申込は締め切られています。これから目指す人が受けられるのは翌年度の第30回で、日程と受験資格は勤務地の都道府県が受験要項で発表します。東京都の2026年度の日程で見ると、6月の申込から実務研修の修了までは約10か月かかります。

⚠️ つまずきやすい落とし穴

実務研修を終えたあと、「就職先が決まってから登録すればいい」と申請を後回しにすると、期限を過ぎることがあります。登録の申請は、実務研修の修了日から3か月を経過する日までです(施行規則113条の7)。東京都福祉保健財団は、期日を過ぎると登録できず、ケアマネとして働くには実務研修をもう一度受ける必要があると案内しています。受講料と87時間の研修をやり直すことになるので、修了証書を受け取った日に、登録を申請する日を決めてください。もう1つは研修の席です。東京都は、ケアマネの業務に就く予定の人を優先して受講者を決め、定員を超えると抽選にしています。すぐに転職しない人は、合格した年度の研修に入れないこともある前提で計画を立ててください。

給与の実際——平均では看護職より低い

給与は、定義の違う2つの統計で確かめました。どちらでも、介護支援専門員の平均は看護職より低い結果です。

統計看護職介護支援専門員定義
介護従事者処遇状況等調査(2024年9月)看護職員 384,620円(平均51.8歳)375,410円(平均50.9歳)処遇改善加算を取得している介護事業所で、2023年9月末と2024年9月末の両方に在籍していた月給・常勤の人の月額。基本給+手当+一時金(4〜9月支給額の6分の1)
賃金構造基本統計調査(2025年)看護師 524.7万円(平均42.1歳)441.3万円(平均53.1歳)企業規模10人以上・一般労働者で、病院に限らない。平均年収は「きまって支給する現金給与額×12+年間賞与」で算出

出典: 厚生労働省「令和6年度介護従事者処遇状況等調査」統計表 第70表/厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」職種第1表

  • 介護事業所の中の職種別平均: 処遇状況等調査は、介護事業所で働く人を同じ定義で職種ごとに並べています。その平均で、介護支援専門員は看護職員より月9,210円低くなっています
  • 看護師全体との比較: 賃金構造基本統計調査では、介護支援専門員のほうが平均年齢は11歳高いのに、平均年収は約83万円低く、月あたりのきまって支給する給与でも約5.7万円(309.1千円と365.9千円)の差があります。この給与には深夜勤務手当や交替手当も含まれるので(同調査の用語の定義)、夜勤のある看護師の平均には夜勤の手当が入っています

どちらも別の人の集団の平均で、職場や年齢の構成も違います。一人ひとりの給与がどう変わるかは、移る先の給与と、今の夜勤手当の額で決まります。

ケアマネを目指すかの判断——条件別の結論

次の3点を順に確かめると、決めやすくなります。

  1. やりたいのは相談と連絡調整の仕事か: 法律上、介護支援専門員は要介護者などの相談に応じ、適切なサービスを使えるよう市町村や事業者と連絡調整を行う人です(介護保険法7条5項)。看護の手技を自分で行う仕事からは離れます
  2. 給与の差を家計で吸収できるか: 介護事業所の看護職員と比べると月約1万円、看護師全体と比べると月5万円台の差が平均の目安です。今の給与明細で夜勤手当の月額を確かめ、下がる額を具体的に出してください
  3. 今の不満は、看護師のまま職場を変えても解決しないか: 夜勤や体力が理由なら、介護施設の看護師や訪問看護など、看護職のまま働き方を変える道もあります

条件別に整理すると、次のようになります。

  • 1と2がどちらも「はい」: 職歴を日数で数え直し、証明書を集めて、第30回の受験要項を待つ
  • 一番の理由が夜勤や体力の負担: 先に看護職のまま日勤の職場を比べる。ケアマネは申込から研修の修了まで約10か月かかる(東京都の例)ので、今の負担を早く減らす手段にはなりにくい
  • 実務経験が3年以上5年未満: 受験要件の改正の行方を、2027年の受験要項で確かめてから決める

看護職のままの選択肢は、介護施設の種類ごとの働き方を介護施設への看護師転職ガイド、在宅の現場を訪問看護に未経験から転職するにはで整理しています。

失敗例・よくあるNG

  • NG①: 申込期間(約1か月)を逃す → 2026年度は大阪府が5月25日〜6月22日、東京都が6月1日〜30日だった。春から勤務地の都道府県の案内を確認する
  • NG②: 見込みで証明したあと、証明書の出し直しを忘れる → 期日までに出さないと受験が無効になる
  • NG③: 受験地を間違える → 申込時点で対象業務に就いている勤務地の都道府県で受ける。東京都は受験地を誤った申込を受け付けない
  • NG④: 実務研修の修了後、登録の申請を3か月以上放置する → 登録できず、実務研修を受け直すことになる

よくある質問

Q. 准看護師でもケアマネの試験を受けられますか?

A. 受けられます。介護保険法施行規則113条の2は、資格に基づく業務の対象として准看護師を挙げています。准看護師として働いた期間が、登録日以降で通算5年以上・900日以上あることが条件です(2026年10月時点)。

Q. ケアマネになるまでに、費用はいくらかかりますか?

A. 東京都の2026年度の例では、受験手数料12,400円と実務研修の受講料44,600円で57,000円です。大阪府の受験手数料は13,400円で、金額は都道府県で違います。研修の日に仕事を休む分の収入の変化も見込んでおきましょう。

Q. 産休・育休や休職の期間は、実務経験に数えられますか?

A. 実施要綱には扱いが書かれていません(未確認)。受験資格は「業務に従事した期間」と「従事した日数」で見るので、休んでいた期間をどう扱うかは、受験する都道府県の受験要項か問い合わせ先で確かめてください。

Q. 受験に必要な実務経験が3年になるのは、いつからですか?

A. 決まっていません。2025年12月に国の審議会が「3年に見直すことが適当」としましたが、施行規則113条の2はこの記事の公開時点で「五年以上」のままです。第30回(2027年度)の受験資格は、勤務地の都道府県の受験要項で確認してください。

ケアマネに進む前に、看護師のままの選択肢も比べる

夜勤や体力の負担を減らしたいなら、看護職のまま働き方を変える道もあります。条件の合う求人を先に比べておくと、ケアマネを目指すかどうかを落ち着いて決められます。

まとめ

  • 受験資格は2つの条件: 免許の登録日以降で通算5年以上(施行規則)、かつ900日以上(実施要綱)。試験日の前日までに満たせばよい(2026年10月時点)
  • パートや時短の人は日数で数える: 週3日なら900日まで約6年かかる計算です
  • 費用と期限: 東京都の例で受験と研修に57,000円。登録の申請は研修の修了から3か月以内で、過ぎると研修の受け直し
  • 給与は平均では看護職より低い: 同じ調査で、介護支援専門員は看護職員より月9,210円低い
  • 改正: 更新制の廃止は決定。実務経験を3年にする見直しは未確定

ケアマネには進まず看護職のまま介護の現場で働く選択肢は、親記事の介護施設への看護師転職ガイドにまとめています。