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看護師の週休3日・短時間正職員という働き方|週休3日の2つの型と、給料・社会保険・有給の決まり方
目次
- 01看護職の希望と、病院の導入状況
- 02「週休3日」には2つの組み方がある
- 03短時間正職員・パート・育児の時短は、何が違うのか
- 04給料・社会保険・有給は、何で決まるか
- 給料は、型と夜勤手当の組み合わせで決まる
- 社会保険は「雇用区分」ではなく、時間と勤務先で決まる
- 有給休暇は「週30時間未満かつ週4日以下」で減る
- 05どれを選ぶか:判断の順番
- 06今の職場に相談する・求人を探すときの手順
- 今の職場に相談する場合
- 求人を探す場合
- 07週休3日・短時間正職員で起きやすい失敗例
- 08よくある質問
- Q. 看護師で週休3日の求人はありますか?
- Q. 短時間正職員の賞与・退職金は減りますか?
- Q. 短時間勤務からフルタイムに戻れますか?
- 09まとめ
勤務表で次の夜勤の日付を見るたびに、この働き方をあと何年続けられるだろうと考える。かといって、パートに下げれば賞与や社会保険がどうなるのか分からない。その間にある選択肢として気になるのが、週休3日や短時間正職員という働き方です。
看護師の「週休3日(週4日勤務)」には、労働時間ごと減らす型と、1日を長くして週の時間を保つ型があり、給料も疲れ方も大きく違います。ただ、週休3日制はまだ珍しく、導入している病院は0.9% です。一方、育児・介護の法定分とは別に正職員の勤務時間を短くできる 短時間勤務は、病院の39.3%が導入 しています(日本看護協会、2025年)。事情別にどちらを選ぶかまで示します。
正職員の人材確保のために週休三日制を導入している病院(33病院)。看護師が週休3日の求人を探すのは簡単ではない0.9%
日本看護協会「2025年 病院看護実態調査」(2025年)
看護職の希望と、病院の導入状況
日本看護協会の2025年看護職員実態調査(有効回答4,430人)で、希望する働き方を聞くと、「週休三日制」は31.2%、「短時間勤務」は22.5%でした。最多は「異動がない/希望どおりの部署で働ける」(35.3%)で、週休三日制は4番目に入ります。
病院の側はどうでしょうか。同じ年の病院看護実態調査(回答3,502病院)で、正職員の人材確保のために導入している働き方は次のとおりです。
希望は個人、導入は病院への調査で、差は比べられません。それでも、週休三日制を導入する病院は33病院にとどまる ことは分かります。別の調査でも、全産業で主な週休制として何らかの週休3日制をとる企業は0.9%です(厚生労働省「令和7年就労条件総合調査」、常用労働者30人以上。一部の従業員だけが使える制度は数えません)。
希望は少なくないのに、受け皿は多くありません。同じ看護職員実態調査で、短時間勤務を望む人は22.5%ですが、実際に「正規雇用(短時間勤務)」として働く人は5.5%です。望む人に比べて、使える人は少ない と言えます。病院の就業規則上の週休形態(正規雇用フルタイム)は「4週8休」が51.2%、「完全週休2日制」が23.3%で(2025年病院看護実態調査)、週休2日が基本の中で週休3日は例外です。
「週休3日」には2つの組み方がある
求人で「週休3日」と書かれていても、中身は職場で違います。フルタイムの週40時間(労働基準法32条の上限)を基準に、2つに分けて考えます。
| 型 | 週の働き方の例 | 月給の考え方 | 1日の負担 | 向く人 |
|---|---|---|---|---|
| ① 時間を減らす型 | 1日8時間×週4日=週32時間 | 所定時間に合わせて減る(例: フルタイムの8割) | フルタイムと同じ | 総労働時間そのものを減らしたい人 |
| ② 1日を長くする型 | 1日10時間×週4日=週40時間 | フルタイムと同じ額を保ちやすい | 長い(1日10時間) | 収入を保ちつつ、休みの日を増やしたい人 |
表の月給は考え方の例で、実際の額は就業規則や雇用契約で決まります。②のように1日8時間を超える日を所定労働時間として組むには、1か月単位の変形労働時間制(労働基準法32条の2)などの定めが必要です。月給を据え置いたまま日数だけ減らす求人があれば、賞与や手当の扱いを含めて条件を書面で受け取ります。
次の章の定義に当てはめると、①は賞与・退職金の算定が時間当たりでフルタイムと同等なら短時間正社員、同等でなければ「正職員という名前の時短勤務」です。②は週の所定時間が40時間のままなので、フルタイムの勤務の組み方の一つです。
⚠️ つまずきやすい落とし穴:型を聞かずに「週休3日」に応募する「週休3日」という言葉だけで応募すると、①なのか②なのかが分からないまま入職してしまうことがあります。①だと月給は2割ほど下がり、賞与の基準額も下がる場合があります。②だと休みは増えても、日勤が10時間になり、子どものお迎えや通院に間に合わない日が出てきます。求人票や面接では、1日と週の所定労働時間、月給の計算方法を数字で聞いてください。夜勤がある病棟では、夜勤の回数が週休3日の前と同じかも聞きます。日勤の日数だけが減って夜勤の回数が変わらなければ、休みが増えても体の負担はあまり変わりません。
短時間正職員・パート・育児の時短は、何が違うのか
厚生労働省は「短時間正社員」、日本看護協会の調査は「短時間勤務正職員」と呼びます。この記事では「短時間正職員」と書きます。
| 働き方 | 雇用の形 | 時間当たりの待遇 | 根拠・利用できる期間 |
|---|---|---|---|
| 短時間正職員(厚労省の定義) | 期間の定めなし | 基本給・賞与・退職金の算定方法が同種のフルタイム正社員と同等 | 厚生労働省「多様な働き方の実現応援サイト」。期間は職場の制度による |
| パート(短時間労働者) | 期間の定めの有無は契約による | 職場ごとに決まる。正職員との不合理な待遇差は禁止 | パートタイム・有期雇用労働法2条・8条。期間は契約による |
| 育児の短時間勤務(法定) | 元の契約のまま | 短くした時間分の賃金は減りうる | 育児・介護休業法23条。原則として子が3歳になるまで |
「パート」という言葉と法律の「短時間労働者」はぴったり重なりません。パートタイム・有期雇用労働法の「短時間労働者」は、週の所定労働時間が通常の労働者より短い人を指し、雇用区分の名前ではありません。日本看護協会の調査(2024年病院看護実態調査、表46の脚注)の「短時間勤務正職員」も、「フルタイムの正職員より一週間の所定労働時間が短い正規雇用の看護職員」で、厚労省の定義より広い言葉です。「短時間正職員」と呼ばれていても、賞与や退職金の算定がフルタイムと同じかは、就業規則の賃金規程を見ないと分かりません。
育児の短時間勤務は看護師の時短勤務はいつまで?で整理しています。
給料・社会保険・有給は、何で決まるか
給料は、型と夜勤手当の組み合わせで決まる
月給は、①なら所定時間に比例して減る職場があり、そこに夜勤手当の増減が重なります。計算の仮定として、フルタイムの月給を30万円(夜勤手当を除く)、夜勤手当を月3万円とします(実際の相場は看護師の夜勤手当の相場にあります)。
| 働き方 | 月給 | 夜勤手当 | 合計 | フルタイムの合計(33万円)比 |
|---|---|---|---|---|
| ① 週32時間・夜勤なし | 24万円 | 0円 | 24万円 | 約3割減 |
| ① 週32時間・夜勤は今のまま | 24万円 | 3万円 | 27万円 | 約2割減 |
| ② 週40時間・夜勤なし | 30万円 | 0円 | 30万円 | 約1割減 |
金額は計算のための仮定で、時間比例で月給が決まる職場の場合です。同じ週32時間でも、夜勤をやめるかどうかで差が出ます。②の約1割減は、型ではなく夜勤手当がなくなる分です。
社会保険は「雇用区分」ではなく、時間と勤務先で決まる
健康保険・厚生年金に入るかどうかは、正職員かパートかでは決まりません。日本年金機構の案内(2026年10月1日更新)では次のとおりです。
- 1週の所定労働時間と1か月の所定労働日数が、どちらも通常の労働者の4分の3以上: 正職員と同じように加入します
- どちらかが4分の3未満でも、週20時間以上で学生でない: 厚生年金の被保険者が51人以上の法人、国・地方公共団体の事業所などで働いていれば加入します
- 2026年10月1日に、月額8.8万円以上という賃金の要件はなくなりました。勤務先の規模の要件は、2027年10月から36人以上に広がります
たとえばフルタイムが週5日・週40時間の病院で、週4日・週32時間なら、時間も日数も4分の3以上なので加入します。週24時間なら4分の3未満ですが、週20時間以上なので、規模の要件を満たす病院では加入します。実際の適用は、勤務先の社会保険担当か年金事務所に聞いてください。パートの扶養との関係はパート看護師の扶養内は週何時間まで?で計算しています。
有給休暇は「週30時間未満かつ週4日以下」で減る
年次有給休暇は、週の所定労働時間が30時間以上なら、フルタイムと同じ日数(勤続6か月で10日、6年6か月以上で20日)です。週の所定労働時間が30時間未満で、かつ週4日以下(年216日以下)の場合に、日数に応じて減ります(労働基準法39条3項、同施行規則24条の3)。週5日勤務なら、30時間未満でも通常の日数です。
| 働き方の例 | 週の所定 | 勤続6か月 | 勤続6年6か月以上 |
|---|---|---|---|
| 8時間×週5日(フルタイム) | 40時間 | 10日 | 20日 |
| 10時間×週4日(②の型) | 40時間 | 10日 | 20日 |
| 8時間×週4日(①の型) | 32時間 | 10日 | 20日 |
| 6時間×週4日 | 24時間 | 7日 | 15日 |
週休3日でも週30時間以上なら、有給の日数は減りません。 1日6時間×週4日のように30時間を下回ると、勤続が長くなるほど差が開きます。
どれを選ぶか:判断の順番
判断は次の順で決めます。
- 週の時間: 有給(週30時間・週4日)も社会保険(4分の3・週20時間)も、所定時間で分かれ目が決まり、入職後に動かしにくいため、最初に決めます
- 月の手取りの下限: 上の計算例で見ます
- 夜勤を続けるか: 夜勤手当は回数で決まることが多いためです
- 期間限定か、長く続けるか: 長く続けるなら、賞与・退職金の算定方法を見ます
| 事情 | 第一候補 | 理由 |
|---|---|---|
| 子どもが3歳未満 | 育児の短時間勤務(法定) | 申し出れば使える。ただし勤続1年未満の人などを労使協定で対象外にしている職場もあり、1日の所定労働時間が6時間以下の人は対象外 |
| 体力・持病で総労働時間を減らしたい | ①時間を減らす型 | 1日の負担を増やさずに週の時間を減らせる |
| 収入を保ちつつ休みを増やしたい | ②1日を長くする型 | 週40時間を保てる。1日10時間に耐えられるかが条件 |
| 夜勤手当を保ちたい | ①で夜勤回数を維持 | 夜勤手当は回数で決まりやすい。回数を維持できるか交渉する |
| 学び直し・副業の時間を作りたい | ①時間を減らす型 | 兼業・副業を認める病院は26.6%なので、就業規則の副業の可否を先に見る |
| 時間を細かく決めたい | パート | 曜日・時間を契約で決める。待遇は就業規則で見る |
希望の型が見つからないときの次善策は、日勤のみ(導入54.7%)や、夜勤の回数・曜日を選べる働き方(44.1%)です。今の職場に相談するか転職するかは、就業規則に短時間勤務の規程がある、または師長に相談して前向きな返事があれば、今の職場が先です。転職せずに済み、勤続年数も途切れません。規程も前例もなく、希望の型が出てこなければ、転職で求人を探します。
週の時間・夜勤の回数が合う職場を、条件から比べておく
週休3日や短時間正職員は求人が限られます。まだ転職を決めていなくても、条件に合う職場があるかを知っておくと判断しやすくなります。
今の職場に相談する・求人を探すときの手順
今の職場に相談する場合
まず就業規則に、短時間正職員や短時間勤務の制度があるかを見ます。
- 相談の見本: 「今後も長く働き続けたいので、勤務時間を短くする働き方を考えています。就業規則に短時間正職員や短時間勤務の制度があれば、条件と手続きを教えていただけますか」
制度があっても、「前例がない」「病棟の人手が足りない」という理由で話が進まないことがあります。「週4日、1日8時間、夜勤は月2回まで」のように、曜日・時間・夜勤の回数を数字で示すと、師長も勤務表に当てはめて検討できます。短時間勤務への変更は雇用契約の変更です。口頭の「いいよ」だけで始めると、数か月後の勤務表で夜勤の回数が戻っていたり、賞与の算定が想定と違っていたりしても、何を合意したのか示せません。新しい労働条件(所定時間、月給、賞与の算定、夜勤の扱い)は、始める前に書面で受け取ります。
求人を探す場合
病院に限らず、クリニック・訪問看護・介護施設なども含めて、勤務時間の条件で探すと選択肢が増えます。働き先ごとの特徴は看護師の働き先一覧で比べられます。
⚠️ つまずきやすい落とし穴:「短時間正職員」の名前だけで、賞与や退職金も同じだと思い込む求人票に「短時間正職員」とあっても、契約期間、賞与、退職金の算定方法は書かれていないことがあります。厚労省の定義(時間当たりの待遇が同等)を満たさない「時短の正職員」もあるからです。入職後に賞与が時間の割合以上に下がっていたと分かっても、条件は雇用契約で決まっているので、後から変えるのは難しくなります。面接では「フルタイムで月給30万円なら、この働き方では何万円になりますか。賞与の算定は同じ割合ですか」と数字で聞き、内定後は労働条件通知書で、所定時間・月給・賞与の算定・夜勤の扱いが書面になっているかを見てください。
週休3日・短時間正職員で起きやすい失敗例
- 失敗例①: 週4日で、週30時間を少し下回る時間で契約する → 有給の日数が比例して減ります(上の表: 週24時間なら勤続6か月で7日)
- 失敗例②: 夜勤をやめた分の収入の減り方を計算していない → 時間の減少に夜勤手当の減少が重なります(上の計算例: 週32時間・夜勤なしは約3割減)
よくある質問
Q. 看護師で週休3日の求人はありますか?
A. 少ないのが実情です。日本看護協会の2025年調査で、週休三日制を導入している病院は0.9%(33病院)でした。次善策は短時間勤務や日勤のみ、夜勤の選択ができる病院です。
Q. 短時間正職員の賞与・退職金は減りますか?
A. 厚生労働省の定義どおりなら、時間当たりの算定方法がフルタイムと同等なので、所定時間の割合に応じて決まります。同等でない職場では割合以上に下がる場合もあるため、就業規則で算定方法を見てください。
Q. 短時間勤務からフルタイムに戻れますか?
A. 職場の制度によります。戻る手続きと時期が就業規則にあるかを、勤務時間を変える前に聞き、書面に残してもらいます。
決めた条件で、求人を探してみる
週の時間・夜勤・月給の下限が決まったら、次の一歩は、その条件に合う求人が実際にあるかを見ることです。
まとめ
- 週休3日制を導入する病院は0.9%、短時間勤務は39.3%。実際に短時間勤務で働く人は回答者の5.5%です
- 収入を保つなら②1日を長くする型、総労働時間を減らすなら①時間を減らす型が第一候補です
- 社会保険は週の時間・月の日数(4分の3・20時間)と勤務先の規模、有給は週30時間未満かつ週4日以下で決まります
- 今の職場に規程や前向きな返事があれば相談が先、なければ数字で条件を決めて求人を探します
次に読む記事を、状況に合わせて選べます。
- 看護師の働き先を全体から見直したい → 看護師の働き先一覧
- 子育て中で時短を考えている → 看護師の時短勤務はいつまで?
- 持病の治療と両立したい → 持病がある看護師の働き方
- 副業や学び直しの時間がほしい → 看護師の副業
- 親の介護と両立したい → 親の介護と看護師の仕事を両立するには
- 土日に休める職場を探したい → 看護師が土日休みの職場へ転職するには
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