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訪問看護ステーションの選び方|規模・機能強化型・利用者層を、看護師が数字で見分ける
目次
- 01ステーションは増えているが、令和7年度は960か所が廃止された
- 02選ぶ順番:4つの軸と、なぜその順なのか
- 03軸1:訪問看護のオンコール(24時間対応)があるか
- 04軸2:看護職員の人数と訪問回数を見る
- 看護職員の人数:常勤換算で5人以上は46.2%
- 延べ訪問回数の区分で、収支差率と1人あたりの訪問回数を比べる
- 05軸3:機能強化型訪問看護ステーションの要件は「体制の目安」として読む
- 06軸4:利用者の層。精神科の比率は事業所でまったく違う
- 07あなたの条件なら、どのステーションか(ケース別の結論)
- 08訪問看護ステーションの面接・見学で聞く5つの数字
- 09ステーション選びの失敗例:こうなりやすいパターン
- 失敗例1:家から近い・給与が高い、だけで決める
- 失敗例2:開設したばかりの事業所に、未経験で1人目の看護師として入る
- 失敗例3:利用者の層を聞かずに入り、仕事の中身が違った
- 10よくある質問
- Q. 訪問看護ステーションは大きいほうが良いですか?
- Q. 機能強化型のステーションを選べば安心ですか?
- Q. オンコールなしで訪問看護はできますか?
- Q. 面接で人数やオンコールを細かく聞くと、印象が悪くなりませんか?
- 11まとめ
求人票を並べても、どれも同じに見えて決め手が見つからないことがあります。夜に電話が鳴ったら誰が出るのか、困ったときに相談できる人は何人いるのか。看護職員が常勤換算で5人以上いるステーションは46.2%(2024年)。人数ひとつとっても差があるので、応募先ごとに数字で比べると、入ってからの食い違いを避けやすくなります。
ステーションは増えているが、令和7年度は960か所が廃止された
令和7年度に960か所が廃止されるなど入れ替わりが大きい中、2026年4月に稼働している訪問看護ステーションの数は20,051か所
全国訪問看護事業協会「令和8年度 訪問看護ステーション数 調査結果」(2026年)
全国訪問看護事業協会の調査では、2026年4月1日時点で稼働している訪問看護ステーションは20,051か所で、前年より1,297か所増えました。同じ令和7年度中の動きは、新しく開いたのが2,428か所、廃止されたのが960か所です(休止や再開などもあるため、差し引きは1,297か所と一致しません)。開設が廃止の約2.5倍あるので全体は増えていますが、年度初めに稼働していた18,754か所で廃止の数を割ると約5.1%で、おおよそ20か所に1か所が1年のうちに閉じた計算です(当サイト算出)。入れ替わりの大きい市場なので、応募先の体制を確かめる意味があります。
体制の差は大きいので、求人の数ではなく「どのステーションか」で選ぶ必要があります。訪問看護そのものに向いているかを先に考えたい人は、訪問看護に未経験から転職するにはから読んでください。
選ぶ順番:4つの軸と、なぜその順なのか
ステーションの違いは、次の4つの軸でほぼ整理できます。上から順に確かめると、合わない応募先を早く外せます。
- 24時間対応(オンコール)があるか — 働き方そのものが変わる。日勤だけで働きたいなら、ここで候補が大きく絞られる
- 看護職員の人数と訪問回数 — オンコールの回数や、休みの取りやすさを左右しうる
- 機能強化型の届出があるか、どの型か — 看取り・重症児・精神科など、体制と実績の目安になる
- 利用者の層 — 高齢者中心か、精神科中心か、小児か。自分の経験と希望に合うか
1を最初に置くのは、ここが合わないと他の条件が良くても続かないからです。2と3は体制の厚さを測る軸、4は仕事の中身を測る軸です。看取りや精神科など、やりたい中身がはっきり決まっている人は、3と4から確かめても構いません。
軸1:訪問看護のオンコール(24時間対応)があるか
訪問看護ステーションの看護師は、夜勤の代わりに夜間の待機(オンコール)で働くことが多い職場です。日本看護協会「2025年 看護職員実態調査」では、訪問看護ステーションで働く正規雇用・フルタイムの会員(回答者137人)のうち、交代制の夜勤(3交代・変則3交代・2交代の合計、当サイト算出)は5.8%、オンコールは64.2%でした。回答者が少なく、事業所の割合ではなく回答者の割合なので、目安として読んでください。働き先ごとの夜勤の形は看護師の働き先一覧で比べています。
見分け方は2つです。
- 機能強化型のステーションは、すべて24時間対応が前提: 届出があるかどうかで、オンコールの有無を絞り込めます
- 機能強化型でなくても、24時間対応をしている事業所はある: 届出の有無だけで決めず、「オンコールを担当するのは誰で、月に何日か」を聞きます(質問の見本は後述)
「夜勤なし」の求人でも夜間の待機がないとは限りません(理由は看護師の働き先一覧で扱っています)。もう一つの落とし穴は、24時間対応のステーションに入っても、自分にはオンコールが回らないと思い込むことです。24時間対応は事業所の体制で、担当に入るかどうかは、雇用形態などの取り決めで変わることがあります。入職後に「全員で交代」と言われて驚かないよう、「オンコールの当番に入るのは、いつからですか」「私の雇用形態では、月に何日ですか」「当番に入らない雇用形態はありますか」と確かめてください。回答が「状況によります」なら、当番が月に何日になるか数字で返ってくるまで、条件は決まっていないと考えて構いません。
軸2:看護職員の人数と訪問回数を見る
看護職員の人数:常勤換算で5人以上は46.2%
人数の厚みは事業所で差があり、看護職員が常勤換算で5人以上の訪問看護ステーションの割合は46.2%
中央社会保険医療協議会 総会資料「在宅(その3)」(保険局医療課調べ)(2024年)
厚生労働省保険局医療課の調べでは、看護職員が常勤換算で5人以上いるステーションの割合は、2024年に46.2%でした(中医協資料。グラフには人数が「不明」の区分もあります)。仮に毎日1人が待機するなら、5人で分けると1人あたり月6日ほどです(30日÷5人、当サイト算出)。休みや急な欠勤も互いにカバーしやすくなります。
⚠️ つまずきやすい落とし穴: 「スタッフ15名」の数字に、リハ職と事務が含まれている求人票の「スタッフ数」には、理学療法士・作業療法士などのリハビリ職や事務職が含まれていることがあります。リハ職が多いステーションでは、看護職員は実は少数ということもありえ、その場合オンコールを看護職員で分けることになり、1人あたりの当番が増えることがあります。機能強化型の要件でも、看護師等に占める看護職員の割合が6割以上であることが求められるほど、この比率は体制を左右します。応募先には「看護職員は常勤で何人、非常勤で何人ですか」「オンコールを担当している看護職員は何人ですか」と、職種を分けて聞いてみてください。総数だけで判断すると、入ってから負担の重さに気づくことがあります。
延べ訪問回数の区分で、収支差率と1人あたりの訪問回数を比べる
人数ごとの違いを直接示す公的な集計は見つからなかったので、ここでは、厚生労働省「令和7年度介護事業経営概況調査」の、1か月の延べ訪問回数で区分した集計を使います。介護保険の訪問看護についての調査で、2024年度の決算です。「延べ訪問回数」は事業所全体の1か月の訪問の合計、「収支差率」は収入に対する利益の割合(補助金を含まない税引前)です。
| 1か月の延べ訪問回数 | 看護職員(常勤換算) | 看護職員1人あたりの訪問回数(月) | 税引前の収支差率 | 常勤看護師1人あたりの給与費(月) |
|---|---|---|---|---|
| 100回以下 | 3.4人 | 11.4回 | 3.8% | 45.8万円 |
| 101〜200回 | 3.6人 | 41.6回 | 5.0% | 44.9万円 |
| 201〜300回 | 4.3人 | 58.1回 | 2.6% | 45.2万円 |
| 301〜400回 | 5.6人 | 62.3回 | 1.1% | 45.7万円 |
| 401回以上 | 7.6人 | 110.2回 | 13.7% | 48.7万円 |
出典: 厚生労働省「令和7年度介護事業経営概況調査結果」第75表(2024年度決算、1事業所あたり月額)。有効回答は区分ごとに36〜97事業所と少なく、調査は給与費の数値について「個々のデータが大きく影響している可能性がある」と注記しています。給与費は事業所が負担した額で、手取りの額ではありません。
収支差率が高いのは401回以上の区分だけ(延べ訪問回数の区分別・税引前)
出典: 厚生労働省「令和7年度介護事業経営概況調査結果」第75表(2024年度決算)
この表から読めることは3つです。
- 収支差率が高いのは、訪問回数が最も多い区分だけ: 401回以上が13.7%で、ほかの区分は1〜5%台です。順に上がってはいないうえ、各区分の回答数が少ないので、「大きいほど経営が安定する」とまでは言えません
- 給与費はほぼ横ばい: 訪問回数が約10倍違っても、常勤看護師1人あたりの給与費は月44.9〜48.7万円です。訪問の多い事業所だから給与が高い、とは読めません
- 1人あたりの訪問回数は、訪問の多い区分ほど大きくなる: 区分そのものが訪問回数で分けてあるので当然の結果です。分子には看護職員以外の訪問が含まれる可能性もあり、看護職員本人の1日の件数としては読めません。目安にとどめ、応募先には人数と1日の訪問件数の両方を聞いてください
軸3:機能強化型訪問看護ステーションの要件は「体制の目安」として読む
機能強化型とは、24時間の対応や看取りの実績などの要件を満たし、医療保険で高い管理療養費を算定できるステーションのことです。2026年6月1日の診療報酬改定で、精神科の訪問看護に重点を置いた機能強化型4が新設され、4つの型になりました。
| 型 | 常勤の看護職員 | 24時間対応 | 主な実績の要件 | 読み取れること |
|---|---|---|---|---|
| 機能強化型1 | 7人以上(うち6人は常勤のみ) | 必須 | 前年度の看取り(ターミナルケア)20件以上など。専門の研修を受けた看護師の配置 | 人数が厚く、看取りや重症児のケアの経験を積みやすい |
| 機能強化型2 | 5人以上(うち4人は常勤のみ) | 必須 | 看取り15件以上など | 型1に近い体制。人数はやや少ない |
| 機能強化型3 | 4人以上 | 必須 | 医療的な管理が必要な利用者が月10人以上、地域の医療機関との共同指導・研修の実績 | 病院との連携や地域への研修に力を入れている |
| 機能強化型4(2026年6月新設) | 4人以上 | 必須 | 精神科の支援ニーズが高い利用者が月7人以上、地域の連携機関5以上 | 精神科の訪問看護が中心 |
出典: 厚生労働省保険局医療課長通知「訪問看護ステーションの基準に係る届出に関する手続きの取扱いについて」(保医発0305第9号、2026年3月5日、6月1日適用)から要点を抜粋。型1・2の看取りの要件は、重症児の受け入れで満たす方法もあります。要件はほかにもあります。
届出の数は、令和8年度改定前の2024年8月時点で型1が477、型2が314、型3が172、合わせて963事業所でした(中医協資料)。同じ年の10月に全国で18,042の訪問看護ステーションがあったので(厚生労働省「令和6年介護サービス施設・事業所調査」)、機能強化型は全体の約5.3%、20か所に1か所ほどです(時点が2か月ずれる当サイト算出)。型の有無は足切りに使わず、体制の目安として読むのが現実的です。
要件から読み取れる実務上の意味は、次の3つです。
- 型1・型2は人数と、看取りまたは重症児の受け入れの実績が要件: 同行訪問や相談の相手の人数を確保しやすい環境といえる(同行の期間は要件にない)
- 型4は精神科が中心: 精神科の経験を生かしたい人には合い、身体ケア中心を望む人には合わない
- すべて24時間対応が要件: オンコールのない働き方を望む人は、オンコールが免除される雇用条件があるかを確かめる
機能強化型の要件は、看護職員の人数、24時間対応、看取りや重症児の実績、地域への研修などで、新しく入った職員の教育期間を決めたものではありません。型1には「人材育成のための研修等の実施」が要件に入っていますが、それは看護学生の実習の受け入れや地域向けの研修などを指し、中途で入る看護師の同行訪問の期間とは別の話です。同行が数回で終わる機能強化型も、1か月ほどかける届出のない事業所も、どちらもありえます。型の名前は体制の目安にとどめ、「入職後の同行訪問は何回・何週間ですか」「1人で訪問を始める判断は誰がしますか」を聞いてみてください。
軸4:利用者の層。精神科の比率は事業所でまったく違う
医療保険で訪問看護を受けている人のうち、精神科訪問看護の利用者が占める割合は、2013年の20.6%から2025年には46.5%まで増えました(中医協資料、訪問看護療養費実態調査から保険局医療課が推計。2025年は速報値)。訪問看護の仕事は、高齢者の在宅療養だけではなくなっています。
ステーションごとの差は大きく、厚生労働省がレセプトのデータ(2025年5月分)で、医療保険の利用者に占める精神科の割合を調べた結果は次のとおりです。
- 機能強化型のステーション: 精神科の利用者が20%未満の事業所が77.5%
- 機能強化型以外のステーション: 20%未満が55.3%の一方、精神科の利用者が80%以上の事業所が18.4%
つまり、機能強化型でないステーションの5か所に1か所近くは、医療保険の利用者のほとんどが精神科という計算になります。精神科の訪問看護をやりたい人には選択肢が多く、身体のケアや看取りを経験したい人は、応募先の利用者の内訳を確かめないと「思っていた仕事と違う」ことになりかねません。精神科の訪問看護に関心がある人は、精神科看護師への転職ガイドもあわせて読んでください。
⚠️ つまずきやすい落とし穴: 求人票の「精神科にも対応」を、利用者の割合だと受け取る「精神科訪問看護にも対応」と書いてあっても、利用者のうち何割が精神科なのかは分かりません。上の分布のとおり、同じ「機能強化型以外」でも、精神科が2割未満の事業所と8割以上の事業所が混ざっています。しかも原典の割合は医療保険の利用者が分母で、介護保険の利用者は入っていません。「医療保険の利用者のうち、精神科の方は何割くらいですか」「介護保険の利用者を含めた全体では、疾患の内訳はどうなっていますか」と、分母を分けて聞いてみてください。医療保険の利用者の中では、2割未満なら身体ケア中心、8割以上なら精神科中心、というのが上の分布から読める目安です。介護保険の利用者の人数次第で、事業所全体の姿は変わります。
あなたの条件なら、どのステーションか(ケース別の結論)
4つの軸を、よくある条件に当てはめた結論です。
| あなたの条件 | 選ぶステーション | 先に確かめたい点 | 聞くこと |
|---|---|---|---|
| 訪問看護が初めてで、不安が大きい | 看護職員が常勤換算で5人以上。型1・型2なら相談相手の人数を確保しやすい | 看護職員が少なく開設1〜2年の場合は、同行の担当者と期間 | 同行訪問の回数と期間、1人立ちの判断者 |
| オンコールの負担を減らしたい | 看護職員が多く、オンコール担当者の人数が多い(当番を分ける人数が多いほど、1人あたりの回数が減るため) | 看護職員が少なく24時間対応をしている場合は、1人あたりの当番の回数 | オンコール担当の人数、月の待機日数、実際の呼び出し回数 |
| 日勤だけで働きたい | 24時間対応をしていない事業所、またはオンコールなしの非常勤 | 機能強化型は24時間対応が要件なので、オンコールが免除される雇用条件があるか | オンコールなしの雇用形態があるか、そのときの給与 |
| 看取りや重症児のケアの経験を積みたい | 機能強化型1・2(看取りまたは重症児の受け入れの実績が要件) | 医療保険の利用者の精神科の割合が高い場合は、身体ケアの機会がどれだけあるか | 前年度の看取りの件数、医療保険の利用者の割合 |
| 精神科の経験を生かしたい | 機能強化型4、または精神科の利用者が多い事業所 | 高齢者の身体ケアが中心の場合は、精神科の担当に入れるか | 精神科の利用者の割合、精神科訪問看護の研修の扱い |
| 長く安心して勤めたい | 開設から年数があり、看護職員が複数いる事業所(相談相手と同行の担当者を確保しやすいため) | 開設して間もない少人数の場合は、相談相手の人数と直近1年の退職者数 | 1人あたりの1日の訪問件数、開設からの年数、直近1年の退職者数 |
看護職員の人数を確かめても、1日の訪問件数は別の数字です。どの条件の人も、「1日の訪問件数の上限は何件ですか」と聞き、自分が続けられる件数と照らし合わせてください。
訪問看護の求人を比べるときに、聞きたい数字を整理しておく
同じ地域でも、看護職員の人数やオンコールの体制はステーションごとに違います。気になる求人をいくつか並べて、聞きたい数字を整理しておくと判断しやすくなります。
訪問看護ステーションの面接・見学で聞く5つの数字
求人票に載らない情報は、面接か見学で確かめる必要があります。次の5つは、答えが数字で返ってくる形にしてあります。「状況によります」「相談に応じます」と返ってきた項目は、まだ決まっていないと受け取り、入職前に書面で確かめてください。
質問の見本- 「看護職員は常勤で何人、非常勤で何人ですか。オンコールを担当しているのは何人ですか」
- 「オンコールの待機は1人あたり月に何日で、実際に呼び出されるのは月に何回くらいですか」
- 「入職後の同行訪問は、何回または何週間くらいですか」
- 「1人1日あたりの訪問件数は、平均で何件、多い日で何件ですか」
- 「利用者の主な疾患の内訳と、前年度の看取りの件数を教えてください」
待機が月何日なら多い、訪問が1日何件なら多い、と決める公的な基準は確認できていません。面接の前に「待機は月◯日まで、訪問は1日◯件まで」と自分の許容を決めておき、返ってきた数字と照らし合わせてください。
面接全体の受け答えは看護師の面接でよく聞かれる質問と回答例、求人票の読み方は看護師の求人票の見方にまとめています。
⚠️ つまずきやすい落とし穴: 「オンコールは月4回程度です」を、呼び出しの少なさだと受け取るたとえば「月4回程度」と言われたとします。それは待機の当番の回数で、その夜に何回電話が鳴り、何回訪問に出るかは別の数字です。看取りの多いステーションや、医療処置の多い利用者を抱えるステーションでは、当番の夜の出動が多くなることがありえます。逆に当番は多くても、ほとんど鳴らない事業所もありえます。待機の回数だけで比べると、負担を見誤ります。「当番の夜に電話が鳴る回数と、実際に訪問に出る回数は、平均でどのくらいですか」「出動した翌日の勤務はどうなりますか」まで聞いてみてください。翌日の訪問件数を減らす、午前を休みにするといった取り決めがあるかどうかで、続けやすさは大きく変わります。
ステーション選びの失敗例:こうなりやすいパターン
失敗例1:家から近い・給与が高い、だけで決める
通勤の近さと給与は大切ですが、そこだけで決めると、入ってから看護職員の少なさやオンコールの多さに気づくことがあります。給与が高い理由が「訪問件数に応じた手当が大きい」「オンコール手当込み」のこともあります。給与の内訳と、その給与を得るための訪問件数を確かめてください。
失敗例2:開設したばかりの事業所に、未経験で1人目の看護師として入る
開設直後の事業所は、管理者以外の看護職員が少なく、同行訪問や相談の相手を確保しにくいことがあります。未経験で入るなら、開設からある程度の年数があり、看護職員が複数いる事業所のほうが、同行や相談の相手を確保しやすいことがあります。
失敗例3:利用者の層を聞かずに入り、仕事の中身が違った
身体のケアや看取りを経験したくて入ったのに、医療保険の利用者のほとんどが精神科だった、ということがありえます。機能強化型以外のステーションの18.4%は、医療保険の利用者の80%以上が精神科です。応募の段階で、利用者の主な疾患の内訳を聞いておくと、食い違いに気づきやすくなります。
よくある質問
Q. 訪問看護ステーションは大きいほうが良いですか?
A. 訪問看護ステーションは、大きいほど良いとは限りません。看護職員が多いとオンコールの分担や相談のしやすさでは有利ですが、1日の訪問件数は別の数字です。人数と1日の訪問件数の両方を聞いてください。
Q. 機能強化型のステーションを選べば安心ですか?
A. 機能強化型は、人数や24時間対応、看取りなどの実績といった要件を満たしている点で、体制の目安にはなります。ただし教育の期間や同行訪問の回数は要件に含まれていません。また、機能強化型はすべて24時間対応が要件なので、オンコールのない働き方を望む人は、免除される雇用条件があるかを確かめる必要があります。
Q. オンコールなしで訪問看護はできますか?
A. 24時間対応をしていない事業所や、オンコールなしの非常勤・パートの雇用形態を用意している事業所なら可能です。オンコール手当がつかないため、月の給与は低くなることがあります。基本給は雇用形態で変わるので、内訳を確認してください。
Q. 面接で人数やオンコールを細かく聞くと、印象が悪くなりませんか?
A. 受け取り方は事業所によって違いますが、理由を添えて聞けば、質問の意図が伝わりやすくなります。「入ってから、思っていた働き方と違うことを避けたいので」と一言添えてください。聞きにくい項目は、見学のときや、条件を書面で確認する段階で尋ねる方法もあります。
面接で聞きにくい数字は、求人を比べる段階で整理しておく
人数やオンコールの回数を細かく聞くのは、ためらうものです。聞きたい数字をあらかじめ整理し、条件に合う求人を比べておくと、面接で確かめる項目を絞りやすくなります。
まとめ
- 選ぶ順番: 24時間対応の有無 → 看護職員の人数と訪問回数 → 機能強化型の届出 → 利用者の層
- 人数と訪問回数: 看護職員が常勤換算で5人以上のステーションは46.2%。人数とあわせて、1日の訪問件数も聞きます
- 機能強化型: 2026年6月から4つの型。すべて24時間対応が要件で、型4は精神科が中心です
- 利用者の層: 機能強化型以外のステーションの18.4%は、医療保険の利用者の80%以上が精神科です
- 面接: 人数・オンコール・同行・訪問件数・疾患の内訳の5つを数字で聞きます
求人票だけでは、ステーションの違いは見えにくい点があります。5つの数字を聞いて並べることが、入ってからの「こんなはずでは」を防ぎやすくする方法の一つです。
状況別の次の一歩- 訪問看護そのものが向いているかを考えたい: 訪問看護に未経験から転職するには
- いまの訪問看護がつらく、移るか迷っている: 訪問看護を辞めたいと感じたら
- 日勤だけの働き方をほかの職場と比べたい: 看護師が夜勤なしで転職する方法
参考文献
- 全国訪問看護事業協会「令和8年度 訪問看護ステーション数 調査結果」(2026年4月1日現在)(2026-10-02 閲覧)
- 中央社会保険医療協議会 総会資料(総-2)「在宅(その3)」(2025年11月12日)(2026-10-02 閲覧)
- 厚生労働省保険局医療課長通知「訪問看護ステーションの基準に係る届出に関する手続きの取扱いについて」(保医発0305第9号、2026年3月5日)(2026-10-02 閲覧)
- 厚生労働省「令和7年度介護事業経営概況調査結果の概要」(2026-10-02 閲覧)
- 厚生労働省「令和7年度介護事業経営概況調査結果」(統計表)(2026-10-02 閲覧)
- 厚生労働省「令和6年介護サービス施設・事業所調査の概況」(2026-10-02 閲覧)
- 日本看護協会「2025年 看護職員実態調査 報告書」(日本看護協会調査研究報告 No.103、2026年)統計表67(2026-09-25 閲覧)