PR当サイトはアフィリエイトプログラムに参加しています
急性期以外の病棟の違い|回復期リハ・地域包括ケア・療養・緩和ケアを配置基準で比べる
目次
- 014つの病棟の違いを配置基準で比べる
- 02病棟ごとの仕事の中身
- 回復期リハビリテーション病棟:できるようになった動作を生活につなげる
- 地域包括ケア病棟:急性期の後と在宅からの受け入れ、そして退院支援
- 療養病棟:医療処置が続く患者の長期療養
- 緩和ケア病棟:看護師だけで7対1
- 034つの病棟の規模の目安
- 04状況別の選び方と、向く人・向かない人
- 05異動・転職で病棟を選ぶ3つの手順
- 1. いちばん変えたいことを1つ決める
- 2. 求人票で「入院料の区分」を確かめる
- 3. 見学・面接で、実際の配置と夜勤体制を数字で聞く
- 06失敗例・よくあるNG
- NG①:緩和ケア病棟を「落ち着いた職場」と決めつける
- NG②:療養病棟では看護技術が落ちると決めつける
- 07Q&A
- Q. 回復期リハビリテーション病棟と地域包括ケア病棟の違いは何ですか?
- Q. 回復期リハビリテーション病棟には、どんな患者が入院していますか?
- Q. 地域包括ケア病棟では、どんな患者を受け持ちますか?
- Q. 緩和ケア病棟の看護師の配置は、ほかの病棟とどう違いますか?
- Q. 療養病棟は看護師が少ないのですか?
- 08まとめ
急性期以外の主な病棟は回復期リハ・地域包括ケア・療養・緩和ケアの4つで、看護配置の基準は7対1〜20対1と違います。
受け持ちの患者さんを覚える前に退院していき、また次の入院の連絡が入る。急性期の忙しさに疲れたけれど、病院は辞めたくない。そう考えたときの候補が急性期以外の病棟です。ただ、看護師が何人いて、どんな患者さんを受け持ち、何を求められる病棟なのかは、外から見えにくいものです。この記事では、2026年6月の診療報酬改定後の施設基準(国が定める病棟の条件)を4つの病棟で1つの表に並べ、患者と入院期間、残業の調査、病床数の目安と合わせて働き方の違いに翻訳します。最後に、見学や面接で実際の体制を確かめる手順もまとめます。
4つの病棟の違いを配置基準で比べる
この記事で比べるのは、発症や手術のあとの回復(回復期リハビリテーション病棟)、急性期の後の受け入れと在宅への復帰の支援(地域包括ケア病棟)、長期の療養(療養病棟)、終末期の苦痛の緩和(緩和ケア病棟)を、それぞれ主に担う4つの病棟です。地域包括医療病棟、障害者施設等の病棟、特殊疾患病棟、精神病棟などは、対象の患者や基準の組み立てが大きく違うため扱いません。
看護職員を何人置くかという基準は、病棟の働き方を左右する要素の一つです。2026年6月1日から適用されている施設基準を、急性期の代表的な区分と並べました。
| 病棟 | 看護職員の配置 | うち看護師の割合 | 主な要件(抜粋) |
|---|---|---|---|
| (比較)急性期一般入院料1 | 7対1以上 | 7割以上 | 平均在院日数16日以内 |
| 回復期リハビリテーション病棟 | 入院料1・2は13対1以上、3〜5は15対1以上 | 1・2は7割以上、3〜5は4割以上 | 看護補助者30対1以上。自宅等に退院する割合7割以上(入院料1〜4)。入院料を算定できるのは状態ごとに60〜180日まで |
| 地域包括ケア病棟 | 13対1以上 | 7割以上 | 在宅等に退院する割合が入院料1・2で7割2分5厘(72.5%)以上、3・4で7割以上 |
| 療養病棟 | 20対1以上 | 2割以上 | 看護補助者20対1以上。医療区分2・3の患者が入院料1で8割以上、入院料2で6割以上 |
| 緩和ケア病棟 | 看護師だけで7対1以上 | 看護師のみで数える | 主な対象は悪性腫瘍・後天性免疫不全症候群・終末期の末期腎不全。夜間は看護師を複数配置 |
出典: 基本診療料の施設基準等の一部を改正する件(令和8年厚生労働省告示第70号。別表第九を含む)、「基本診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて」(令和8年3月5日 保医発0305第7号)、厚生労働省「令和8年度診療報酬改定の概要 包括期・慢性期入院医療」
表の読み方は3つ押さえておくと十分です。
- 「13対1」は患者13人ごとに看護職員1人以上: 地域包括ケア病棟の施設基準では「常時、当該病棟の入院患者の数が13又はその端数を増すごとに1以上」と書かれています(保医発0305第7号)。数字が大きいほど、看護職員1人あたりの患者が多い基準です。同じ患者数なら、基準上の最低人数は13対1で7対1の約54%、20対1で約35%です(7÷13、7÷20で当サイト算出)。1日を通した基準なので、時間帯ごとの受け持ち数は日中と夜間で変わります
- 「看護師7割」は看護職員のうち看護師の割合: 看護職員は看護師と准看護師の合計です。療養病棟は2割以上でよい一方、緩和ケア病棟は准看護師を数えず、看護師だけで7対1を満たす必要があります
- 看護補助者と医療区分: 看護補助者は、看護職員の指導のもとで食事・清潔・排泄・入浴・移動などの療養生活上の世話を担う職員です(保医発0305第7号)。医療区分は療養病棟の患者を医療の必要度で1〜3に分けたもので、2・3に当たらない患者が1です。3には中心静脈栄養(条件つき)や24時間の持続点滴、人工呼吸器の使用などが、2には1日8回以上の喀痰吸引などが入ります(改定概要の医療区分表)
どの病棟も、これは最低ラインで、実際の配置は病院ごとに違います。
表の基準のうち、療養病棟入院料2の医療区分2・3の割合(6割以上)や、回復期リハ病棟入院料2〜4の実績の指数・休日のリハビリ体制などには、2026年9月30日までの経過措置がありました。10月以降も同じ入院料を続ける病院には届出が求められました(厚生労働省 事務連絡、令和8年9月10日)。基準を満たせずに入院料の区分を変える病院が出る可能性もあるので、応募先の区分は最新の情報で確かめておくと安心です。
病棟ごとの仕事の中身
施設基準の要件からは、その病棟で看護師が何に時間を使うことになりやすいかが読み取れます。以下は基準からの当サイトの読み取りで、実際の業務は病院ごとに違います。
回復期リハビリテーション病棟:できるようになった動作を生活につなげる
対象は、脳血管疾患や大腿骨の骨折などの発症・手術のあとの患者で、入院料を算定できる日数は状態ごとに60〜180日と決まっています(患者の種類と日数はQ&Aに掲載)。入院料1・2では専従のリハビリ職(理学療法士3名以上・作業療法士2名以上・言語聴覚士1名以上)が求められ、入院料1〜4では退院患者の7割以上が自宅などへ帰ることが条件です。看護師の仕事の重心は、訓練で身につけた動作を、食事・排泄・移動といった病棟での毎日の生活で使える形にしていくことと、退院先の準備になりやすいと考えられます。
地域包括ケア病棟:急性期の後と在宅からの受け入れ、そして退院支援
看護配置は13対1・看護師7割以上で、在宅等に退院する割合は入院料1・2で72.5%以上が条件です。入院料1では、自宅などから入棟した患者が2割以上であることも求められます(保医発0305第7号)。急性期病棟からの転棟だけでなく自宅からの入院も受け入れ、入院したときから退院後の生活を見据えて調整を進める、退院支援の比重が大きい病棟と読めます。
療養病棟:医療処置が続く患者の長期療養
療養病床は、医療法で「主として長期にわたり療養を必要とする患者を入院させるための」病床と定められています(医療法第7条第2項第4号)。療養病棟入院料1では医療区分2・3の患者が8割以上を占めることが条件です。看護職員は20対1・看護師2割以上ですが、看護補助者も20対1以上置く基準で、看護補助者と役割を分けて進める体制が前提です。「慢性期は処置が少ない」とは限らない病棟です。
緩和ケア病棟:看護師だけで7対1
主な対象は、悪性腫瘍、後天性免疫不全症候群、終末期の末期腎不全の患者です。末期腎不全は2026年度の改定で加わり、透析の差し控えや中断を選んだ患者が想定されています。看護師のみで7対1、夜間も看護師が複数いることが条件で、看護職員7対1のうち看護師7割以上でよい急性期一般入院料1より、看護師の人数では厚い基準です。病棟には患者家族の控え室・患者専用の台所・面談室・談話室を備えることも求められており(保医発0305第7号)、患者本人に加えて家族への関わりが仕事の大きな部分を占めやすい病棟です。緩和ケアの認定看護師を含む資格制度の全体像は、認定看護師・専門看護師は何人いる?で整理しています。
4つの病棟の規模の目安
急性期以外が病床の4割強(病床機能報告による機能別の病床数、2025年7月時点)
出典: 厚生労働省「2025年度病床機能報告について」(各医療機関が病棟単位で報告、計1,163,779床)
病院と有床診療所は、病棟ごとに「高度急性期・急性期・回復期・慢性期」のどれを担うかを毎年国に報告しています。2025年7月時点では、回復期が21.1万床、慢性期が29.3万床で、合わせて50万3,533床、全体の43.3%が急性期以外です(当サイト算出)。急性期以外の病床が、全体の4割強を占めていることになります。
ただし、この「回復期」「慢性期」は医療機関が自ら選んで報告する区分で、診療報酬上の病棟の種類とは一致しません。回復期リハビリテーション病棟は協会の集計で97,589床なので、「回復期21.1万床」を回復期リハ病棟の数だと取り違えると、2倍以上に見積もることになります。4つの病棟そのものの規模は次のとおりです。数え方と時点が出典ごとに違うため、足し合わせたり順位をつけたりせず、桁の目安として読んでください。
| 病棟 | 規模 | 時点 | 数え方(出典) |
|---|---|---|---|
| 回復期リハビリテーション病棟 | 2,122棟・97,589床 | 2025年3月1日 | 届出数の協会集計(回復期リハビリテーション病棟協会) |
| 地域包括ケア病棟 | 2,667病院・110,722床 | 2026年8月17日 | 地方厚生局のデータを協会が集計(地域包括ケア推進病棟協会) |
| 療養病床(病院) | 3,250病院・262,870床 | 2026年6月末 | 医療法上の病床の種類(厚生労働省「医療施設動態調査」)。療養病棟入院料の届出数ではない |
| 緩和ケア病棟 | 476施設・9,860床 | 2025年12月1日 | 届出受理の協会集計(日本ホスピス緩和ケア協会) |
地域包括ケア病棟は一般病棟にも療養病棟にも置けるため、療養病床の数字と重なる部分があります。そのうえで読めることは2つです。
- 緩和ケア病棟は一桁小さい: ほかの3つが約10万〜26万床の規模なのに対し、緩和ケア病棟は約1万床です。床数が少ないぶん、募集の件数も限られる可能性があります。希望するなら、情報を早めに集めておくと動きやすくなります
- 療養病床は減っている: 病院の療養病床は、2024年10月1日の268,521床から、2026年6月末には262,870床と5,651床減りました(同調査、当サイト算出)。療養病床を持つ病院も3,338から3,250に減っています。応募先の病院が病棟の転換を予定していないか、面接で聞いておくと安心です
状況別の選び方と、向く人・向かない人
選び方は、今の病棟でいちばん変えたいことから決めると迷いにくくなります。
| いちばん変えたいこと | 候補の病棟 | 根拠 | 注意 |
|---|---|---|---|
| 患者の入れ替わりが速く、1人ひとりに関われない | 回復期リハ病棟、療養病棟 | 急性期一般入院料1は平均在院日数16日以内。回復期リハは状態ごとに60〜180日まで入院料を算定でき、療養病床は長期の療養のための病床 | 療養病棟は医療区分2・3の患者が6〜8割以上で、処置は続く |
| 急変や処置の多さに気が張り続ける | 回復期リハ病棟 | 対象は発症・手術のあとの回復期の患者で、専従のリハビリ職の配置がある(入院料1〜4) | 新しく入る患者のうち重症の割合の基準がある(入院料1・2は3割5分以上) |
| 残業が多い | 療養病棟 | 日勤の終業後に約60分以上の残業がある人は、一般病棟7対1で55.8%、地域包括ケア病棟で48.4%、療養病棟で28.8% | 2022年の労働組合の調査で、回復期リハ・緩和ケアの区分はない。地域包括ケア病棟は急性期の一般病棟と大きく違わない |
| 夜勤そのもの | 4つの病棟では解決しない | どの病棟も入院患者がいるため夜勤がある | 夜勤のない働き方があるかは病院ごとに違う |
出典: 施設基準は上の表と同じ。残業は日本医療労働組合連合会「2022年 看護職員の労働実態調査」問10(2022年10〜12月、加盟組合のある医療機関などの看護職員35,933人。国立・公立・公的病院が67.8%)
夜勤をなくしたい場合は、病院の外の働き先も含めて看護師の働き先一覧で比べられます。夜勤のない働き方と手当の変化は看護師が夜勤なしで転職する方法、残業の調査の詳しい読み方は看護師が残業の多い職場から転職するにはで扱っています。
変えたいことが決まったら、仕事の相性も合わせて見てください。
| 病棟 | 向く人 | 向かない人・注意したい人 |
|---|---|---|
| 回復期リハビリテーション病棟 | 患者の回復の過程を数週間〜数か月の単位で見届けたい。リハ職とのチームで動きたい | 急変対応や処置の頻度を急性期並みに保ちたい |
| 地域包括ケア病棟 | 急性期の知識を活かしながら退院支援を深めたい | 家族や院外の関係者との調整が負担に感じる |
| 療養病棟 | 1人の患者と長く関わりたい。処置のある慢性期看護を続けたい | 看護師の割合が低い体制で、判断を担う場面が多いことが不安 |
| 緩和ケア病棟 | 苦痛を和らげるケアと家族への支援を専門にしたい | 看取りが続く環境で、気持ちを話せる場がないと抱え込みやすい |
異動・転職で病棟を選ぶ3つの手順
1. いちばん変えたいことを1つ決める
- 手順: ①今の病棟でつらいことを「患者の入れ替わりの速さ」「急変や処置の多さ」「残業」「夜勤」に分けて書く → ②いちばん変えたいものを1つ選ぶ → ③上の選び方の表で、候補の病棟を1〜2種類に絞る
- 見本: 「受け持ちの患者さんを覚える前に退院していく」→ 入れ替わりの速さ、「急変のたびに緊張が続く」→ 急変や処置の多さ
13対1や20対1は、看護職員1人あたりの患者が7対1より多い基準です。急変や処置は減るかもしれませんが、基準の上では受け持つ患者の数が増える方向です。残業も、2022年の調査では地域包括ケア病棟で48.4%が日勤の終業後に約60分以上残っており、一般病棟7対1の55.8%と大きくは違いませんでした。療養病棟は医療区分2・3の患者が6〜8割以上を占め、人工呼吸器や中心静脈栄養の管理を担う病棟もあります。「楽かどうか」で選ぶと、忙しさの種類が変わっただけで、入ってから「思っていたのと違う」となりがちです。何がいちばんつらいのかを先に分けて、それが減る病棟かどうかで判断すると、選んだ理由を面接でも説明しやすくなります。
2. 求人票で「入院料の区分」を確かめる
- 手順: ①求人票や病院のサイトで、病棟名に加えて入院料の区分(回復期リハ病棟入院料1〜5、地域包括ケア病棟入院料1〜4、療養病棟入院料1・2)を探す → ②書かれていなければ、面接の前に問い合わせる → ③比較表で、その区分の看護配置と看護師の割合を見る
- 院内で異動する場合: 看護部に候補の病棟の入院料の区分と夜勤の人数を聞き、病棟に掲示されている看護職員の配置を見ておくと、転職と同じ物差しで比べられます
求人票のほかの欄(基本給やみなし残業など)の読み方は、看護師の求人票の見方にまとめています。
⚠️ つまずきやすい落とし穴:同じ病棟名なら同じ働き方だと思い込む回復期リハビリテーション病棟は、入院料1・2なら13対1で看護師7割以上ですが、入院料3〜5なら15対1で看護師4割以上です。療養病棟も、入院料1と2では医療区分2・3の患者の割合が8割と6割で違います。求人票に「回復期リハ病棟」としか書かれていないまま応募すると、見学で初めて体制の違いに気づくことになります。入院料の区分は病院が地方厚生局に届け出ているもので、届出の内容は院内にも掲示されます。聞くこと自体は失礼にあたらないので、「病棟の入院料の区分を教えていただけますか」と一言たずねるだけで、表のどの行を見ればよいかが決まります。
3. 見学・面接で、実際の配置と夜勤体制を数字で聞く
- 見本: 「この病棟の夜勤は、看護師と看護補助者それぞれ何人の体制ですか」「日勤で1人の看護師が受け持つ患者さんは、平均で何人くらいですか」「病棟の入院料の区分は、今後変更の予定がありますか」
- 手順: ①聞きたいことを3つまでメモする → ②答えを数字で書き留める → ③2つの病院の答えを比較表の隣に書き込んで比べる
病院全体の働きやすさを公的データで調べる方法は、看護師のブラック病院の見分け方にあります。
⚠️ つまずきやすい落とし穴:基準の数字を、実際の配置だと思い込む施設基準は最低ラインで、実際の配置は病院ごとに違います。夜勤の人数も、基準の読み方だけではわかりません。表の数字だけで「この病棟なら余裕がある」と判断して入職すると、夜勤の人数や受け持ち数が想定と違うことがあります。手がかりになるのが院内の掲示です。病院は届出の内容を院内の見やすい場所に掲示するよう指導されていて、「当病棟では、1日に◯人以上の看護職員が勤務しています」「夕方17時から深夜1時まで、看護職員1人当たりの受け持ち数は◯人以内です」といった形で示されます(保医発0305第7号の掲示例)。見学のときに病棟の掲示を探し、面接の答えと照らし合わせると、数字の食い違いに気づけます。
失敗例・よくあるNG
NG①:緩和ケア病棟を「落ち着いた職場」と決めつける
緩和ケア病棟は、看護師だけで7対1という、看護師の人数では急性期一般入院料1より厚い配置を求められる病棟です。家族への関わりや、看取りが続く中での気持ちの整理も仕事に含まれます。見学で、カンファレンスやスタッフ同士で振り返る場があるかを聞いておくと、入ってから抱え込むのを防ぎやすくなります。
NG②:療養病棟では看護技術が落ちると決めつける
療養病棟の患者の6〜8割以上は医療区分2・3に当たります。急変対応の頻度は急性期と違っても、長期の医療処置を管理する技術は求められます。「技術が落ちるか」ではなく「どの技術を使う病棟か」で比べると、異動や転職の理由も説明しやすくなります。
Q&A
Q. 回復期リハビリテーション病棟と地域包括ケア病棟の違いは何ですか?
A. 回復期リハ病棟は発症や手術のあとの回復を担い、専従のリハビリ職の配置や、自宅等に退院する割合7割以上(入院料1〜4)が条件です。地域包括ケア病棟は急性期の後の患者と自宅などからの患者を受け入れ、在宅等に退院する割合が入院料1・2で72.5%以上と定められた、退院支援に重心がある病棟です。看護配置はどちらも13対1が基本で、回復期リハ病棟の入院料3〜5は15対1です。
Q. 回復期リハビリテーション病棟には、どんな患者が入院していますか?
A. 脳血管疾患・脊髄損傷などの発症や手術のあと、大腿骨・骨盤・脊椎・股関節・膝関節の骨折のあと、手術や肺炎の治療中の安静による廃用症候群、股関節・膝関節の置換術のあと、急性心筋梗塞などの心疾患の発症や手術のあとの患者です。入院料を算定できる日数は、脳血管疾患などが150日(高次脳機能障害を伴う重症の脳血管障害などは180日)、骨折・廃用症候群・置換術後・心疾患が90日、神経・筋・靱帯の損傷のあとが60日までで、いずれも算定開始日から数えます(基本診療料の施設基準等 別表第九)。
Q. 地域包括ケア病棟では、どんな患者を受け持ちますか?
A. 急性期病棟での治療を終えた患者と、自宅などから入院する患者の両方です。入院料1では、自宅などから入棟した患者が2割以上であることが条件で、在宅等に退院する割合も72.5%以上と定められています。看護配置は13対1・看護師7割以上です。
Q. 緩和ケア病棟の看護師の配置は、ほかの病棟とどう違いますか?
A. 看護師だけで7対1以上を満たし、夜間も看護師を複数配置することが条件です。准看護師を数えないので、看護職員7対1・看護師7割以上の急性期一般入院料1より、看護師の人数では厚い基準です。主な対象は悪性腫瘍・後天性免疫不全症候群・終末期の末期腎不全の患者で、病棟には家族の控え室や談話室も備えられています。
Q. 療養病棟は看護師が少ないのですか?
A. 看護職員の配置基準は20対1で、急性期一般入院料1(7対1)と比べると、基準上の最低人数は約35%です。看護職員のうち看護師は2割以上でよい一方、看護補助者を20対1以上置くことが条件で、生活の援助は看護補助者と分担する体制です。実際の配置は病院によって違うため、夜勤の人数は見学や面接で聞いておくと安心です。
病棟の種類を絞ったら、実際の配置と夜勤体制を比べておく
入院料の区分や夜勤の人数、受け持ち患者数は、求人票だけでは読み切れないことがあります。まだ転職するか決めていなくても、条件に合う病院があるかを比べておくと判断しやすくなります。
まとめ
- 配置基準は病棟で大きく違う: 回復期リハと地域包括ケアは13対1が基本、療養は20対1、緩和ケアは看護師だけで7対1です。どれも最低ラインで、実際の配置は病院ごとに違います
- 要件が仕事の重心を表す: 回復期リハは自宅等への退院7割以上、地域包括ケアは在宅等への退院72.5%以上(入院料1・2)、療養は医療区分2・3の患者が6〜8割以上です
- 「急性期以外なら楽」とは限らない: 地域包括ケア病棟の残業は急性期の一般病棟と大きくは違わず、夜勤はどの病棟にもあります
- 求人票では入院料の区分まで確かめる: 同じ病棟名でも、入院料によって配置と看護師の割合が変わります
次に読む記事は、状況に合わせて選んでください。
- 病院の外も含めて働き先を比べたい → 看護師の働き先一覧
- 夜勤の形(二交代・三交代)を見直したい → 看護師の二交代と三交代の違い
- 介護医療院・老健など施設側で医療に関わりたい → 介護施設への看護師転職ガイド
- 在宅で長く関わる看護に関心がある → 訪問看護に未経験から転職するには
参考文献
- 基本診療料の施設基準等の一部を改正する件(令和8年3月5日 厚生労働省告示第70号、2026年6月1日適用)別表第九を含む(2026-09-26 閲覧)
- 基本診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて(令和8年3月5日 保医発0305第7号)別添4 第12・第14(2026-09-26 閲覧)
- 厚生労働省保険局医療課 事務連絡「令和8年度診療報酬改定において経過措置を設けた施設基準の取扱いについて」(令和8年9月10日、地域包括ケア推進病棟協会の掲載資料)(2026-09-26 閲覧)
- 厚生労働省保険局医療課「令和8年度診療報酬改定の概要 包括期・慢性期入院医療」(2026-09-25 閲覧)
- 厚生労働省保険局医療課「令和8年度診療報酬改定の概要【医科全体版】」(緩和ケア病棟入院料の対象患者の見直し)(2026-09-25 閲覧)
- 医療法(昭和23年法律第205号)第7条(e-Gov法令検索)(2026-09-26 閲覧)
- 厚生労働省「2025年度病床機能報告について」(2025年7月時点)(2026-09-25 閲覧)
- 厚生労働省「医療施設動態調査(令和8年6月末概数)」(2026-09-25 閲覧)
- 厚生労働省「令和6年医療施設(動態)調査・病院報告の概況」(2024年10月1日現在)(2026-09-25 閲覧)
- 回復期リハビリテーション病棟協会「各種データ」病床届出数・病棟届出数(2025年3月1日現在)(2026-09-25 閲覧)
- 地域包括ケア推進病棟協会「【速報】地域包括ケア病棟・地域包括医療病棟 全国届出状況」(2026年8月17日時点)(2026-09-25 閲覧)
- 日本ホスピス緩和ケア協会「緩和ケア病棟入院料届出受理施設数・病床数」(2025年12月1日現在)(2026-09-25 閲覧)
- 日本医療労働組合連合会「2022年 看護職員の労働実態調査」報告書 問10(回答35,933人)(2026-09-26 閲覧)