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障害者施設の看護師求人|仕事内容・配置基準・給料と、辞めたいと感じやすい体制

ナースひとやすみ 編集部約19分で読めます
目次
  1. 01求人票の「障害者施設」は、看護師の人数が違う4種別に絞って比べる
  2. 02施設種別ごとの仕事内容と配置基準
  3. 障害者支援施設:日中は生活介護、夜は入所支援
  4. 療養介護:病院の中にある、最も医療に近い職場
  5. 生活介護:日中だけ、看護師は1人前後
  6. グループホーム:看護職員の配置義務がない
  7. 03給料:介護分野より高めだが、比べ方に注意
  8. 04障害者施設の看護師が「辞めたい」と感じやすい3つの構造
  9. 1. 看護の判断を1人で背負う
  10. 2. 夜間は看護師が勤務していなくても、連絡は来る
  11. 3. 医療的なケアの分担があいまいになりやすい
  12. 05状況別の選び方:向く人・向かない人
  13. 06障害者施設の求人を選ぶ3つの手順
  14. 1. 求人票の施設種別を確定する
  15. 2. 看護師の人数と夜間の連絡体制を数字で聞く
  16. 3. 医療的ケアの範囲と、介護職員との分担を聞く
  17. 07失敗例・よくあるNG
  18. NG①:「障害者施設は日勤のみ」と思い込む
  19. NG②:介護施設と同じ感覚で応募する
  20. 08Q&A
  21. Q. 障害者施設の看護師の仕事内容は何ですか?
  22. Q. 障害者施設の看護師の給料はいくらですか?
  23. Q. 障害者施設の看護師は辞めたいと感じやすいですか?
  24. Q. 障害者施設の経験がなくても、看護師として転職できますか?
  25. Q. 准看護師でも応募できますか?
  26. Q. 障害のある子どもの施設で働きたい場合は、どこを見ればよいですか?
  27. Q. 求人を紹介するサービスは、使うのに費用がかかりますか?
  28. 09まとめ
  29. 次に読む記事

障害者施設の看護師求人は、障害者支援施設・療養介護・生活介護・グループホームの4種別で、看護師の人数と夜間の体制が大きく違います。

1事業所あたりの看護師(常勤換算)は、療養介護の約45.9人からグループホームの約0.02人まで開きます。数値は社会福祉施設等調査(2024年10月1日現在)から当サイトが算出しました。

求人票に「日勤のみ」とあっても、看護師が何人いて、夜は誰が電話を受け、どこまで医療的なケアを担うのかは載っていないことがあります。いま障害者施設で働いていて、受診させるか様子を見るかを相談相手のいないまま決める場面がつらい方にも、同じ見分け方が使えます。迷ったときは、夜勤の有無より先に「日中、看護師が何人いるか」で絞るのが近道です。

この記事では、厚生労働省の「社会福祉施設等調査」と人員基準の省令を施設種別ごとに並べ、仕事内容・給料・つらさの理由を比べます。最後に、応募前に面接で確かめる質問(逆質問)をまとめます。障害のある子どもの支援(放課後等デイサービスや医療的ケア児)は、医療的ケア児の支援で働く看護師で扱っています。

求人票の「障害者施設」は、看護師の人数が違う4種別に絞って比べる

看護師の求人で「障害者施設」とまとめて呼ばれる職場は、障害者総合支援法の上では別々のサービスです。この記事では、成人の障害者が日常の生活を送る場(入所・日中の介護・住まい)にあたる4種別に絞ります。一時的に利用する短期入所、就労の訓練が目的の就労継続支援、障害児が対象の障害児入所施設などは扱いません。この線引きは編集部の判断で、求人の多さを示す統計に基づくものではありません。事業所の数と看護師の人数(常勤換算)は、社会福祉施設等調査から並べました。病院の「障害者施設等入院基本料」の病棟も、医療機関の入院料の区分で、この4種別とは別です。求人票に「障害者施設」とあっても、どちらの職場かを確かめてください。

施設種別主な役割事業所数看護師の常勤換算数1事業所あたり(当サイト算出)
療養介護病院で、医療と常時の介護が必要な人を支える25411,646人約45.9人
障害者支援施設夜間の入所支援と日中の生活介護などを一体で行う2,5515,485人約2.2人
生活介護日中に通う人の介護・創作活動・健康管理10,4048,662人約0.83人
グループホーム(共同生活援助)少人数で暮らす住まいでの生活支援14,241329人約0.02人

出典: 厚生労働省「令和6(2024)年 社会福祉施設等調査の概況」表4・表8・総括表、同調査 第14表-1(e-Stat)。2024年10月1日現在。看護師数は調査の職種区分(療養介護・グループホームは「看護師」、生活介護は「保健師・看護師」、障害者支援施設は「保健師・助産師・看護師」)の常勤換算(調査の区分名のとおり。准看護師がこの区分に含まれるかは調査の定義に記載がなく、確認できていない)。生活介護には障害者支援施設が行う日中のサービスを含まない

看護師の常勤換算数(総数)。事業所数が最多のグループホームは329人

療養介護
11,646人
生活介護
8,662人
障害者支援施設
5,485人
グループホーム
329人

出典: 厚生労働省「令和6年 社会福祉施設等調査」表8・第14表-1(2024年10月1日現在)

常勤換算とは、非常勤の勤務時間も常勤1人分に換算して足し合わせた人数です。生活介護の「約0.83人」は平均なので、事業所によっては看護師の勤務が常勤1人分に届かないことを示しています。

ここから読み取れることは2つあります。

  • 「何人の看護師と働くか」は施設種別で大きく変わる: 病院の中で行う療養介護は1事業所あたり数十人で、病棟に近い働き方です。障害者支援施設は平均2人あまり、生活介護は1人に届きません(いずれも平均値で、事業所ごとのばらつきは見えません)
  • 事業所の数と、看護師の人数は別の話: 事業所数は生活介護とグループホームが1万を超え、前年からそれぞれ3.7%・6.7%増えました(社会福祉施設等調査 表4)。ただ、看護師の総数が最も多いのは療養介護で、グループホームは14,241事業所あっても329人です。事業所の多い種別ほど、看護師が1人か、そもそも常駐しない職場に当たる可能性があります

施設種別ごとの仕事内容と配置基準

施設種別で看護師の人数がここまで違うのは、看護職員の配置を定める省令がそれぞれ違うからです。条文から読める働き方の違いを、種別ごとにまとめます。

障害者支援施設:日中は生活介護、夜は入所支援

障害者支援施設は、夜間の「施設入所支援」と日中の「生活介護」などをあわせて行う施設です。日中の生活介護では、看護職員を生活介護の単位ごとに1人以上置く決まりです(指定障害者支援施設等の人員、設備及び運営に関する基準 第4条)。一方、夜間の施設入所支援で求められているのは生活支援員で、利用者60人以下なら1人以上です。看護職員を夜間に置く規定はありません。

在所者は全国で145,488人(入所者と通所者の合計)、1施設あたり約57人です(社会福祉施設等調査 総括表から当サイト算出)。これを常勤換算で平均約2.2人の看護師が支えるので、健康管理・服薬管理・受診の調整を少人数で分け合うことになります。夜間の急変には、オンコール(自宅待機で電話を受ける当番)で対応する施設もあり、体制は施設ごとに違います。

療養介護:病院の中にある、最も医療に近い職場

療養介護は、医療と常時の介護が必要な障害者に、病院で機能訓練・療養上の管理・看護・介護を行うサービスです(社会福祉施設等調査の用語の定義)。看護職員は療養介護の単位ごとに、常勤換算で利用者の数を2で割った数以上が必要です(指定障害福祉サービスの事業等の人員、設備及び運営に関する基準 第50条)。この基準の「看護職員」には看護補助者も含まれる点が、ほかの種別と違います。

2024年9月の利用者は17,127人、1人あたりの利用日数は月25.3日でした(社会福祉施設等調査 表6)。ほぼ毎日そこで過ごす人を看護師が常勤換算で数十人の体制で支える、病棟に近い職場です。医療的なケアを続けたい人には有力な選択肢です。ただし254事業所は都道府県あたり平均約5事業所(当サイト算出)なので、通える範囲にないことがあります。

生活介護:日中だけ、看護師は1人前後

生活介護は、日中に通ってくる人に入浴・排せつ・食事の介護や、創作的活動・生産活動の機会を提供するサービスです。看護職員は生活介護の単位ごとに1人以上置く決まりで(同基準 第78条)、看護師は1事業所あたり常勤換算で約0.83人です。

仕事の中心は、来所時の体調確認、服薬の管理、てんかん発作などへの対応、経管栄養や喀痰吸引が必要な人のケア、家族や医療機関との連絡です。理学療法士などが確保できない場合、看護師が機能訓練指導員として置かれることがあります(同条4項)。営業は日中なので夜勤はありませんが、看護師が自分1人という時間が長くなりやすい職場です。

グループホーム:看護職員の配置義務がない

グループホーム(共同生活援助)で置く必要があるのは、世話人・生活支援員・サービス管理責任者です(同基準 第208条)。看護職員の配置を求める条文はありません。全国14,241事業所に看護師は常勤換算で329人しかいないのは、配置義務がないことが背景の一つと考えられます。

それでもグループホームの看護師求人はあります。配置が義務ではない分、巡回か常駐か、どこまでのケアを担うかは事業所が決めるので、求人票と面接で確かめる必要があります。

給料:介護分野より高めだが、比べ方に注意

障害福祉で働く看護職員の給料には、厚生労働省「障害福祉サービス等従事者処遇状況等調査」があります。同じ定義(基本給+手当+一時金の6分の1)で算出した介護分野の調査と並べました。

職種(常勤)平均給与額平均年齢平均勤続年数出典
障害福祉の看護職員421,390円49.5歳9.4年障害福祉サービス等従事者処遇状況等調査(令和6年度)第86表
介護の看護職員(月給の者)384,620円51.8歳10.5年介護従事者処遇状況等調査(令和6年度)第70表
障害福祉の福祉・介護職員327,720円44.9歳7.9年障害福祉サービス等従事者処遇状況等調査(令和6年度)第86表

いずれも2024年9月時点、処遇改善加算を届け出ている事業所の常勤者(看護職員は保健師・看護師・准看護師)で、前年9月にも在籍していた人のみの集計。障害福祉は単純集計、介護は全国推計値で、集計方法が違う。平均給与額は基本給+手当+一時金(4〜9月の支給額の6分の1)で、内訳は障害福祉サービス等従事者処遇状況等調査 第88表

障害福祉の看護職員(常勤)の平均給与額(賞与の一部を月割りで含む)421,390円

厚生労働省「令和6年度 障害福祉サービス等従事者処遇状況等調査」(2024年)

障害福祉の看護職員は、前年の399,130円から22,260円増えました。介護分野の看護職員との差は36,770円で、障害福祉のほうが平均年齢は若く(49.5歳対51.8歳)、勤続も短い(9.4年対10.5年)ので、年齢や勤続の差だけでは説明できません。差の理由は、この調査からは分かりません。また、この数字は賞与の一部を月割りで含んだ額です。基本給だけで見ると障害福祉の看護職員は261,530円で、手当と一時金が給与の約4割を占めます。

福祉・介護職員(327,720円)との差は93,670円ですが、年齢(44.9歳)や勤続(7.9年)も違うので、看護の資格への上乗せ分とは言い切れません。

読み方として押さえておきたいのは次の3点です。

  • 施設種別の内訳は公表されていない: 療養介護(病院)と生活介護の看護師が同じ平均に入っています。夜勤のある職場とない職場の差は、この平均からは読めません
  • 病院の給与調査とは定義が違う: 一時金の入れ方や対象が異なるので、病院の平均と並べて「障害福祉のほうが高い」とは言えません
  • 集計は加算を届け出た事業所だけ: 看護職員の回答者は707人です。小規模な事業所の実態は、面接で個別に確かめるしかありません

障害者施設の求人を、看護師の人数と夜間体制から比べておく

人数や夜間の連絡体制が求人票に載っていないことがあります。求人を見比べながら、問い合わせや面接で確かめる項目を決めておくと、応募先を絞りやすくなります。

障害者施設の看護師が「辞めたい」と感じやすい3つの構造

障害者施設の看護師が辞めたい理由を、施設種別ごとに集計した公的な調査は見当たりません。そのため、ここでは人員基準と統計から読み取れる「つらさが生まれやすい構造」を整理します。今の職場に当てはまるかを確かめる材料にしてください。

1. 看護の判断を1人で背負う

生活介護の看護職員は単位ごとに1人以上という基準で、実際の看護師の配置(調査の「看護師」区分。准看護師の扱いは確認できていません)も、常勤換算で平均1人前後です。体調の変化に気づいたとき、受診させるか、家族に連絡するか、様子を見るかを、相談相手がいないまま決める場面が続きます。病棟のように先輩や医師にすぐ聞けない環境は、「辞めたい」と感じる要因の一つになりやすいと考えられます。

2. 夜間は看護師が勤務していなくても、連絡は来る

障害者支援施設の夜間の基準は生活支援員で、看護職員の夜間配置は求められていません。夜勤がない代わりに、夜間の発熱や発作の連絡を電話で受けるオンコールが看護師に回る施設があります。当番を回す看護師が3人なら、単純計算で月に約10日は待機日になります。

3. 医療的なケアの分担があいまいになりやすい

都道府県知事の登録を受けた事業所では、所定の研修を修了した介護職員(認定特定行為業務従事者)や介護福祉士が、医師の指示の下で、認められた範囲の喀痰吸引や経管栄養を行えます(社会福祉士及び介護福祉士法 第48条の2・第48条の3、附則第10条・第27条)。事業所が登録を受けているか、誰がどの行為を行えるかは職場ごとに違います。分担が整理された職場では看護師は手順づくりと確認に回れますが、整理されていない職場では「結局すべて看護師がやる」状態になりがちです。反対に、医療処置がほとんど無く、技術が落ちることへの不安を感じる人もいます。

当てはまる項目は、管理者に体制の改善を相談するときの材料になります。たとえば「オンコールの当番が3人で、月に約10日待機している。4人に増やせば約7〜8日になる」のように、今の数字と変えたい数字を並べて伝えると話が具体的になります。当番を増やす、嘱託医への相談手順を文書にする、研修を修了した介護職員を増やす、のどれも数字で伝えられる提案です。

⚠️ つまずきやすい落とし穴:「つらい」だけを口頭で伝えて、返事の期限を決めない

「最近しんどくて」と伝えるだけでは、管理者は何を変えればよいか分からず、話は「もう少し様子を見よう」で終わりがちです。たとえば、夜間の電話で3か月ぶん眠れていないのに、数字を出さないまま半年が過ぎる、という流れです。回避するには、今の当番人数・待機日数・呼び出し回数を紙に書き、変えたい数字と並べて渡し、「次の勤務表を作る前までに返事をください」と期限を決めます。期限を過ぎても変わらなければ、看護師の人数が多い種別への転職を考える判断の基準になります。相談しないまま辞めると次の職場でも同じ構造に当たりかねないので、先に数字で相談した事実を残しておくと、どちらに進むにしても納得しやすくなります。介護分野で同じ悩みを持つ人向けの整理は介護施設の看護師が辞めたいと感じる理由にあります。次の比較表で種別ごとの違いを確かめてください。

状況別の選び方:向く人・向かない人

あなたの状況候補になる種別向く理由向かない人・トレードオフ
医療的なケアを続けたい・複数の看護師と働きたい療養介護看護師が多く、病棟に近い体制夜勤を避けたい人には向かない(夜勤がある前提で考える)。全国254事業所で、通える範囲にないことがある
夜勤をやめたいが、看護師が複数いる職場がいい障害者支援施設看護師は平均で約2.2人(常勤換算)と、生活介護より多いオンコールを避けたい人は注意。同時に勤務する人数と、夜勤・オンコールの有無を必ず確認する(基準は夜間の看護配置を求めていない)
日勤のみ・短時間で働きたい生活介護夜勤がなく、日中の勤務で完結する相談相手のいる環境で働きたい人には向かない。看護師が1人の時間が長く、判断の相談先を確認する
1人ひとりの暮らしに長く関わりたいグループホーム少人数の住まいで生活に寄り添える看護の処置を日常的に続けたい人には向かない。看護師は全国で常勤換算329人のみで、役割は事業所しだい

迷う場合は、「夜勤の有無」より先に「日中、看護師が何人いるか」で絞るのがおすすめです。夜勤をなくしても、1人で判断を背負う時間が増えれば、つらさの種類が変わるだけになりかねないからです。夜勤をなくす選択肢全体は看護師が夜勤なしで転職する方法で比べています。

障害者施設の求人を選ぶ3つの手順

1. 求人票の施設種別を確定する

  • 手順: ①求人票の「事業内容」「サービス種類」の欄で、療養介護・障害者支援施設(施設入所支援)・生活介護・共同生活援助のどれかを確かめる → ②書かれていなければ、法人名で自治体の指定事業所一覧を調べる → ③複数のサービスを併設していれば、自分がどのサービスの職員として雇われるかを聞く
⚠️ つまずきやすい落とし穴:法人名と「障害者施設」の言葉だけで応募する

障害福祉の法人は、1つの敷地で障害者支援施設・生活介護・短期入所・グループホームを並行して運営していることがよくあります。求人票に「障害者施設の看護師」とだけあって応募したら、実際はグループホームを巡回する仕事だった、ということも起こりえます。種別が違えば看護師の人数は数十倍違い、夜間の体制も変わります。面接の冒頭で「どのサービスの看護職員として採用されますか」と聞き、雇用契約書や労働条件通知書の就業場所・業務内容の欄と一致しているかを確かめてください。求人票の見方全体は看護師の求人票の見方にまとめています。

2. 看護師の人数と夜間の連絡体制を数字で聞く

  • 逆質問の見本: 「看護職員の方は常勤・非常勤あわせて何名で、日中は同時に何名が勤務していますか」「夜間に利用者さんの体調が変わったとき、最初に連絡を受けるのはどなたですか。オンコールの当番は何名で回していますか」
  • 手順: ①日中の同時勤務人数を聞く → ②オンコールの当番人数と、月の当番回数・呼び出し回数の目安を聞く → ③オンコール手当の額と、呼び出された時間が労働時間として扱われるかを聞く
⚠️ つまずきやすい落とし穴:「看護師3名」を同時に3人いると受け取る

求人票や面接で聞く看護師の人数は、非常勤を含めた頭数のことがあります。週2日勤務の非常勤3人なら、あなたが出勤する日にほかの看護師がいない日もあります。この記事の表の数字も常勤換算で、生活介護の平均は1人に届きません。確かめるべきは総数ではなく「同じ時間帯に何人いるか」です。オンコールも同じで、当番が2人なら単純計算で月の半分が待機日になります。回数と手当を聞かずに入職すると、たとえば「夜勤はないと聞いていたのに、毎週夜中に電話が鳴る」と感じて、短期間で辞めることにもなりかねません。当番の人数と回数は、施設側も勤務表で把握しているので答えやすい質問です。

逆質問の組み立て方と聞く順番は、看護師の面接でよく聞かれる質問と回答例にまとめています。

3. 医療的ケアの範囲と、介護職員との分担を聞く

  • 逆質問の見本: 「喀痰吸引や経管栄養が必要な利用者さんは何名いますか」「そのケアを行える研修を修了した介護職員の方は何名いますか」「嘱託医や協力医療機関には、どのような手順で相談しますか」
  • 手順: ①医療的ケアが必要な利用者の人数を聞く → ②介護職員が担える範囲と人数を聞く → ③医師への相談・受診の判断の手順が文書になっているかを聞く
⚠️ つまずきやすい落とし穴:「医療行為は少なめです」を楽な職場と受け取る

医療処置が少ないことと、看護師の負担が軽いことは同じではありません。処置が少ない職場ほど看護師が少なく、てんかん発作や誤嚥、急な発熱など「いつ起きるかわからない変化」への判断を1人で担うことになりがちです。研修を修了した介護職員が少なければ、夜間や休日の対応も看護師に集中します。面接では処置の件数よりも、介護職員と分担できる人数と、医師に相談する手順が決まっているかを確かめてください。決まっていれば、入職後に1人で抱え込む場面を減らしやすくなります。

失敗例・よくあるNG

NG①:「障害者施設は日勤のみ」と思い込む

療養介護は夜勤がある前提で考え、障害者支援施設は夜勤がなくてもオンコールがある場合があります。「日勤のみ」の求人でも、夜間の連絡が誰に来るかは必ず聞いてください。

NG②:介護施設と同じ感覚で応募する

障害者施設の利用者は高齢者に限らず、障害の種類も支援の内容も、意思疎通のしかたも人によって違います。介護保険の施設とは人員基準も別の体系です。介護施設の種別ごとの違いは介護施設への看護師転職ガイドで比べています。

Q&A

Q. 障害者施設の看護師の仕事内容は何ですか?

A. 種別で違います。療養介護は病棟に近い働き方です。障害者支援施設は、健康管理・服薬管理・受診の調整を少人数で分け合います。生活介護は、来所時の体調確認、服薬管理、てんかん発作への対応、経管栄養や喀痰吸引のケアなどです。グループホームは配置義務がなく、役割は事業所しだいです。

Q. 障害者施設の看護師の給料はいくらですか?

A. 調査は障害福祉サービス等の従事者(処遇改善加算の届出事業所の常勤者)が対象で、施設種別の内訳は公表されていません。常勤の看護職員の平均給与額は421,390円(令和6年度、2024年9月時点)で、賞与の一部を月割りで含む額です。求人票の月給と比べるときは、賞与込みかをそろえてください。

Q. 障害者施設の看護師は辞めたいと感じやすいですか?

A. 施設種別ごとに辞めたい理由を集計した公的な調査は見当たりません。人員基準と統計からは、日中に看護師が1人になりやすいこと、夜間の連絡がオンコールで回ること、医療的ケアの分担があいまいなことの3つが、つらさの生まれやすい構造として読み取れます。

Q. 障害者施設の経験がなくても、看護師として転職できますか?

A. 応募条件は事業所ごとに違います。療養介護は病院での看護経験がそのまま活きる職場です。障害者支援施設や生活介護では、医師がそばにいない環境で体調の変化を見極める力が求められるので、病棟や訪問看護で培った観察力と、受診の判断の経験を具体的に話せるようにしておくと安心です。

Q. 准看護師でも応募できますか?

A. 生活介護と障害者支援施設の人員基準でいう「看護職員」は、保健師・看護師・准看護師です(指定障害福祉サービスの事業等の人員、設備及び運営に関する基準 第78条、指定障害者支援施設等の人員、設備及び運営に関する基準 第4条)。療養介護の看護職員には看護師・准看護師・看護補助者が含まれます。ただし、採用条件は事業所が決めるので、求人ごとに確かめてください。

Q. 障害のある子どもの施設で働きたい場合は、どこを見ればよいですか?

A. 放課後等デイサービスや児童発達支援、学校・保育所での医療的ケアは、この記事の4種別とは別の制度です。働き方と応募前の確認点は医療的ケア児の支援で働く看護師で整理しています。

Q. 求人を紹介するサービスは、使うのに費用がかかりますか?

A. 費用・登録の要否・連絡の頻度はサービスごとに違います。この記事では個別のサービスの条件を確認していないので、利用前に各サービスの案内で確かめてください。

施設種別を決めたら、求人を見て体制を比べる

種別によって体制が大きく違います。まだ転職するか決めていなくても、求人を見ながら体制を比べておくと判断しやすくなります。

まとめ

  • 選ぶ軸: 夜勤の有無より先に「日中、看護師が何人いるか」で絞る。夜勤をなくしても、1人で判断を背負う時間が増えれば、つらさの種類が変わるだけになりかねません
  • 差の背景には人員基準がある: 療養介護は利用者2人に看護職員1人以上(実際はこの下限を上回る人数)、生活介護は単位ごとに1人以上、グループホームは配置義務なしです
  • 給料は介護分野より月3.7万円ほど高い平均: ただし賞与の一部を含み、集計方法も介護分野と違う(障害福祉は単純集計、介護は全国推計値)ので目安です。施設種別の内訳もありません
  • 辞めたいと感じやすい体制がある: 1人での判断、夜間の連絡、医療的ケアの分担
  • 応募前に聞くこと:
    • どのサービスの看護職員として採用されるか(雇用契約書の就業場所・業務内容と一致しているか)
    • 日中の同時勤務人数と、オンコールの当番人数・月の当番回数・手当
    • 医療的ケアが必要な利用者の人数と、介護職員との分担、医師への相談手順

次に読む記事

参考文献

  1. 厚生労働省「令和6(2024)年 社会福祉施設等調査の概況」表1・表3・表4・表6・表8・総括表(2024年10月1日現在)(2026-10-02 閲覧)
  2. 厚生労働省「令和6年 社会福祉施設等調査」第14表-1 社会福祉施設等の常勤換算従事者数,職種・常勤-非常勤、施設の種類・経営主体の公営-私営別(e-Stat)(2026-10-02 閲覧)
  3. 厚生労働省「令和6年度 障害福祉サービス等従事者処遇状況等調査結果」第86表・第88表(2026-10-02 閲覧)
  4. 厚生労働省「令和6年度 介護従事者処遇状況等調査結果」第70表(2026-10-02 閲覧)
  5. 障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく指定障害福祉サービスの事業等の人員、設備及び運営に関する基準(平成18年厚生労働省令第171号)第50条・第78条・第208条(e-Gov法令検索)(2026-10-02 閲覧)
  6. 障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく指定障害者支援施設等の人員、設備及び運営に関する基準(平成18年厚生労働省令第172号)第4条(e-Gov法令検索)(2026-10-02 閲覧)
  7. 社会福祉士及び介護福祉士法(昭和62年法律第30号)第48条の2・第48条の3・附則第10条・附則第27条(e-Gov法令検索)(2026-10-02 閲覧)