PR当サイトはアフィリエイトプログラムに参加しています
40代の看護師が辞めたいと感じたとき|「転職は難しい」を最新データで検証する
目次
- 0140代は、看護師のなかで最も人数が多い年代
- 0240代の内側で、人数の重心が後半へ動いている
- 0340代の負荷は「業務量」ではなく「指導と調整」に出る
- 04給与は上がり続けている。だから「割に合わない」と感じる
- 0540代の転職で効く3つの戦略
- 1. 「経験年数」ではなく「担ってきた役割」で書く
- 2. 体力の変化を前提に、勤務形態から逆算する
- 3. 専門性の棚卸しをしてから、広げる方向を決める
- 0640代の転職でよくある失敗
- 失敗1: 年収だけを条件にして、負荷の中身を聞かない
- 失敗2: 管理職への打診を、辞めるかどうかの判断と同時に考える
- 失敗3: 在職中の引き継ぎ計画を立てずに退職を切り出す
- 07よくある質問
- Q. 40代の看護師の転職は難しいですか?
- Q. 40代で辞めたら、収入は下がりますか?
- Q. 40代になって急にしんどくなったのは体力のせいですか?
- Q. 管理職の打診を受けるべきか迷っています。
- 08まとめ
40代の看護師が「今から動くのは難しい」と感じる必要は、数字の上ではほとんどありません。就業看護師136万3,142人のうち40代は348,658人で25.6%。4人に1人が40代で、全年代のなかで最も厚い層です。ただし40代がつらいのは事実で、その中身は「業務量」ではなく「指導・調整という見えにくい仕事」に集中しています。この記事では、40代の内側で起きている人数の変化、負荷の正体、そして経験を条件に変える転職の進め方を整理します。
40代は、看護師のなかで最も人数が多い年代
「40代で転職なんて」と口にする同僚がいるかもしれません。ですが厚生労働省「令和6年 衛生行政報告例(就業医療関係者)」(2024年末現在)を見ると、現場の実像は逆です。
年齢階級別で最も多いのは45〜49歳の186,529人(13.7%)。40〜44歳の162,129人(11.9%)と合わせると348,658人となり、40代だけで全体の25.6%を占めます。
就業看護師に占める40代の割合(348,658人)。全年代で最も厚い層25.6%
厚生労働省「令和6年 衛生行政報告例(就業医療関係者)の概況」(2024年)
40代は「残っている人」ではなく「支えている人」です。この前提を外したまま「もう遅い」と判断すると、実際の市場より厳しい基準で自分を採点することになります。
40代の内側で、人数の重心が後半へ動いている
40代をひとまとめにすると見えない変化があります。同じ統計の年次推移を、40代前半と後半に分けたのが下の表です。
| 年末現在 | 40〜44歳 | 45〜49歳 |
|---|---|---|
| 2014年 | 158,440人 | 137,191人 |
| 2016年 | 172,831人 | 151,497人 |
| 2018年 | 183,793人(ピーク) | 159,750人 |
| 2020年 | 181,281人 | 173,766人 |
| 2022年 | 168,684人 | 183,778人 |
| 2024年 | 162,129人 | 186,529人 |
| 2018年比 | −21,664人 | +26,779人 |
出典: 厚生労働省「衛生行政報告例(就業医療関係者)」統計表2 各年版(隔年調査)
40〜44歳は2018年の183,793人をピークに6年で約2万2千人減り、入れ替わるように45〜49歳が約2万7千人増えました。40代の重心が、前半から後半へ移っているということです。
現場に置き換えると、40代前半のスタッフは以前より薄くなっています。プリセプターや主任層に近い年齢の人が減れば、指導と調整は残った人に寄ります。40代がしんどい理由のひとつはここにあり、裏を返せば採用側から見た40代前半は見つけにくい層になりつつあるということでもあります。
「40代だから」で候補を削る前に
40代は現場でいちばん人数の多い年代です。まずは自分の経験が相場でどう評価されるか、条件を見るところから確かめてみてください。
40代の負荷は「業務量」ではなく「指導と調整」に出る
日本医療労働組合連合会「2022年 看護職員の労働実態調査」(回答35,933人)の年齢階級別データを見ると、40代の特徴がはっきり出ます。
- 仕事量の増加は40代が最も強い: 1年前と比べて仕事量が「大幅に増えた」と答えた割合は、30〜34歳24.9%、35〜39歳27.5%に対して40〜49歳30.1%(50〜59歳30.4%)で、40代以降が突出しています。
- 休みは30代後半より取りにくくなる: 年次有給休暇を10日以上取得した割合は、35〜39歳54.3%に対し40〜49歳51.6%。全体平均50.8%とほぼ同水準まで下がります。年代が上がれば休みやすくなる、とは限りません。
- 上司からのハラスメントは半数超が経験: パワハラを受けた相手として「看護部門の上司」を挙げた割合は20〜24歳78.7%から年齢とともに下がりますが、40〜49歳でも56.9%。年齢で自動的に解消するものではありません。
同調査は時間外労働についても、年齢別に約60分以上の割合を集計したうえで「40〜50歳代の時間外労働が他の年代に比べて多い傾向にあった」とし、その背景としてベテラン層が新人教育や委員会活動、研修などの任務を持ちながら、若手の負荷のカバーもしているという現場の声を挙げています。
つまり40代の消耗は、受け持ち患者が増えたからではありません。記録に残らない仕事——教育、委員会、フォロー、調整——が積み上がった結果です。ここを言語化できると、辞めるべきかどうかの判断も、転職先に確認すべきことも変わります。
給与は上がり続けている。だから「割に合わない」と感じる
厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」(2026年3月公表・一般労働者・企業規模10人以上)の看護師の数値を、年齢階級別の年収換算にしたのが下のグラフです。年収は同調査の「きまって支給する現金給与額×12+年間賞与その他特別給与額」で算出しました(看護師全体の平均524.7万円と同じ計算方法です)。
40〜44歳548.4万円、45〜49歳561.2万円。どちらも看護師全体の平均524.7万円を上回り、金額そのものは着実に増えています。
ただしこの数字は、前のセクションで見た負荷の増え方とセットで読む必要があります。給与は上がる、仕事量も増える、有給は取りにくくなる——この増え方のズレが「割に合わない」の正体です。次に確認すべきは「給与をいくら上げるか」ではなく「同じ給与で、指導と調整の負荷がどれくらいの職場か」になります。
40代の転職で効く3つの戦略
1. 「経験年数」ではなく「担ってきた役割」で書く
40代の職務経歴書で最ももったいないのは、「◯◯病院 一般病棟 18年」で終わってしまうことです。採用側が知りたいのは在籍年数ではなく、任されてきた範囲です。
- 手順: ①この5年で担当した役割を全部書き出す(プリセプター/委員会/シフト作成/新人研修/実習指導/マニュアル改訂)→ ②それぞれに「人数」か「回数」をつける → ③上位3つだけを職務経歴書に残す
- 見本: 「新人看護師のプリセプターを通算6名担当。感染対策委員会に4年在籍し、部署内の手順書改訂を主担当として実施」
⚠️ つまずきやすい落とし穴役割を書いたのに評価されない典型が、「委員会に所属していました」のように所属だけを並べるケースです。採用側は所属歴から働きぶりを推測できないので、結局「経験年数の長い人」として一律に扱われます。数字が入ると読み方が変わります。「6名」「4年」「主担当」のように、人数・期間・立場のどれかを必ず添えてください。逆に役割を盛るのは危険です。面接では必ず具体的な場面を聞かれるため、実際に自分が判断したこと以外を書くと、その場で説明が止まります。事実だけを、数字をつけて書くのが最短です。
2. 体力の変化を前提に、勤務形態から逆算する
40代は夜勤の回復にかかる時間が変わってくる時期です。「まだいける」を基準に職場を選ぶと、入職後に条件変更を申し出ることになり、交渉力が落ちます。
- 手順: ①直近3か月で「夜勤明けの翌日に予定を入れられたか」を数える → ②入れられなかった割合が半分を超えるなら夜勤回数の上限を決める → ③その上限を応募条件として先に伝える
- 見本: 「夜勤は月4回までを希望します。日勤帯での指導業務は引き受けられます」
⚠️ つまずきやすい落とし穴「夜勤なし」を条件にすると、求人は一気に絞られます。そこで多くの人が「とりあえず今と同じ夜勤回数で応募し、慣れたら相談する」という進め方を選びますが、これは後で効いてきます。入職時の労働条件通知書に書かれた勤務形態が基準になるため、数か月後の変更は「特別な配慮」の扱いになり、通りにくくなるからです。減らしたいなら入職前に上限を数字で出す。「月4回まで」と伝えて通らない職場は、入職後に相談しても通りません。条件の出し方そのものが、職場の運用を確かめる質問になります。
3. 専門性の棚卸しをしてから、広げる方向を決める
40代は、専門性を深める道と、対象を広げる道の両方が現実的に選べる最後の時期にあたります。認定看護師・専門看護師などの資格は取得後も活かせる年数が十分にあり、教育課程の受講要件を満たしているケースも多い年代です。
- 手順: ①今の領域で「後輩に説明できること」を10個書き出す → ②そのうち他施設でも通用するものに印をつける → ③印がついた項目が3つ以上なら深める方向、2つ以下なら広げる方向を検討する
- 見本: 資格の要件と分野は認定看護師・専門看護師の資格と働き方で確認できます
⚠️ つまずきやすい落とし穴資格取得を「転職がうまくいかないときの保険」として始めると、時間もお金も回収しにくくなります。教育課程は受講期間中の勤務調整が前提になるため、今の職場の協力が得られるかどうかで負担がまったく変わるからです。先に確認すべきは分野の選択ではなく、勤務先が受講中の勤務をどう扱うか(勤務免除の有無、費用補助、復帰後の配置)です。ここが曖昧なまま出願すると、受講と勤務の両立で消耗し、資格を取る前に辞めることになりかねません。順番は、職場の支援制度の確認が先、分野選びが後です。
40代の転職でよくある失敗
失敗1: 年収だけを条件にして、負荷の中身を聞かない
40〜44歳548.4万円という全国平均を基準に「年収が下がらなければいい」と判断すると、指導・委員会・シフト作成といった見えない負荷がそのまま引き継がれます。面接では「新人の受け入れは年に何名ですか」「委員会は何を担当することになりますか」を必ず聞いてください。
失敗2: 管理職への打診を、辞めるかどうかの判断と同時に考える
主任・師長への打診と「辞めたい」が重なるのは40代に多いパターンです。ただし役職を受けるかは勤務形態と責任範囲の話で、辞めるかどうかとは別の判断です。同時に考えるとどちらも決まりません。まず「今の勤務形態を続けられるか」だけを切り分けてください。
失敗3: 在職中の引き継ぎ計画を立てずに退職を切り出す
40代は担当している役割が多いぶん、引き継ぎに時間がかかります。退職の意思を伝える時期と手順は看護師の退職の伝え方完全ガイド、全体のスケジュールは看護師の転職活動の流れを参考に逆算してください。
よくある質問
Q. 40代の看護師の転職は難しいですか?
A. 看護師市場全体としては求職者に有利な状態が続いています。保健師・助産師・看護師の有効求人倍率は2.33倍(2026年3月・常用パート除く)で、全職業計の1.17倍のおよそ2倍です。年齢別の求人倍率は公表されていないため「40代だけが不利」とも「有利」とも言えませんが、就業看護師の25.6%が40代である以上、40代の応募が例外的なわけではありません。
Q. 40代で辞めたら、収入は下がりますか?
A. 職場と勤務形態によります。「令和7年賃金構造基本統計調査」の看護師の年収換算は40〜44歳548.4万円、45〜49歳561.2万円で、全体平均524.7万円を上回ります。ただしこの額は夜勤を含む勤務を前提とした平均で、日勤のみに変えれば手当分は減ります。比較するときは基本給ではなく、自分が実際に入る夜勤回数で計算し直した額で見てください。
Q. 40代になって急にしんどくなったのは体力のせいですか?
A. 体力の変化もありますが、データでは業務の中身の変化が大きいことが示されています。仕事量が「大幅に増えた」と答えた割合は40〜49歳で30.1%と全年代で最も高く、有給の取得率は35〜39歳より下がります。日本医療労働組合連合会の同調査は、ベテラン層が新人教育や委員会活動を担いながら若手の負荷もカバーしている状況を指摘しています。
Q. 管理職の打診を受けるべきか迷っています。
A. 辞めるかどうかとは切り分けて考えてください。役職を受けると勤務形態(夜勤の有無、オンコール、会議の頻度)と責任範囲が変わるため、まず「変更後の勤務形態を続けられるか」を確認するのが先です。判断材料の整理の仕方は看護師が辞めたいと思ったときの対処法にまとめています。
経験を「条件」に変える
40代の強みは年数ではなく、担ってきた役割です。何がどう評価されるのかを、複数のサービスで聞き比べてみてください。
まとめ
- 40代は最も厚い層: 就業看護師の25.6%(348,658人)が40代。最多年齢階級も45〜49歳です
- 重心は後半へ動いている: 40〜44歳は2018年比で約2万2千人減、45〜49歳は約2万7千人増。40代前半の薄さが指導・調整の負担に直結しています
- しんどさの正体は見えない仕事: 仕事量「大幅に増えた」は40〜49歳30.1%で最多。給与は上がっているのに割に合わないと感じるのは、負荷の増え方との差です
年代前後の見通しは30代看護師が辞めたいと感じたときと50代看護師が辞めたいと感じたとき、年齢構成の全体像は看護師は何歳が多い?年齢構成と転職しやすさをご覧ください。3分の働き方タイプ診断も参考にどうぞ(匿名・登録不要)。
参考文献
- 厚生労働省「令和6年 衛生行政報告例(就業医療関係者)の概況」(2024年末現在・表3/統計表2)(2026-09-20 閲覧)
- 厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」(2026年3月公表・職種別・年齢階級別)(2026-09-20 閲覧)
- 日本医療労働組合連合会「2022年 看護職員の労働実態調査」(回答35,933人・問9/問10/問17/問25)(2026-09-20 閲覧)
- 厚生労働省「一般職業紹介状況(令和8年3月分及び令和7年度分)」参考統計表(2026-09-20 閲覧)