本文へスキップ

PR当サイトはアフィリエイトプログラムに参加しています

ノウハウ

看護師が転職サイトを使わない転職|3つの経路と直接応募の手順

ナースひとやすみ 編集部約10分で読めます
目次

転職サイトを使わない転職は、看護師では珍しい選択ではありません。日本看護協会「2024年度 看護職員の賃金に関する実態調査」によると、看護職員の確保にハローワークを利用している病院は80.6%、都道府県ナースセンターは67.7%で、有料職業紹介事業者(いわゆる転職サイト・エージェント)の53.1%を上回ります。病院は複数の経路を併用しているので、経路を1つに絞る必要はありません。問題は「どちらが正しいか」ではなく、自分の条件をどの経路が拾いやすいかです。

病院はどの経路で看護師を探しているのか

看護職員の確保にハローワークを利用している病院の割合(有料職業紹介は53.1%)80.6%

日本看護協会「2024年度 看護職員の賃金に関する実態調査」表18・表19(2024年)

看護職員確保のために病院が利用している経路(複数利用あり)

ハローワーク
80.6%
ナースセンター
67.7%
有料職業紹介
53.1%

出典: 日本看護協会「2024年度 看護職員の賃金に関する実態調査」表18・表19(回答病院3,471件)(2024年)

※ 差が見えるようグラフの起点は0%ではありません。最大と最小の差は27.5ポイントで、バーの長さの比ほど離れていません。

3つはどれも過半数を超えていて、併用が前提になっています。ここから読み取れるのは、転職サイトを使わないと応募先がなくなるわけではないということです。同時に、有料職業紹介を使っている病院も半数を超えているため、転職サイトにしか出ていない求人も確実に存在します。どちらか一方に絞れば、見える求人は必ず減ります。

経路ごとの性格を1枚にまとめます。

経路求職者の費用根拠求人の出方向いている人
都道府県ナースセンター無料看護師等の人材確保の促進に関する法律 第15条第5号(無料の職業紹介事業)看護職に特化。都道府県ごとに1か所地元で探したい/看護職の相談も一緒にしたい
ハローワーク無料職業安定法に基づく国の職業紹介全職種。看護師の新規求人は月3万件台(※)幅広く見たい/失業給付の手続きも同時に進めたい
応募先への直接応募無料病院の採用ページ・募集要項病院が自前で募集している枠応募したい病院が決まっている
有料職業紹介(転職サイト)無料(※)職業安定法 第32条の3第2項非公開求人を含む。担当者が条件を調整在職中で時間がない/条件の交渉を任せたい

※ ハローワークの看護師求人数は厚生労働省「一般職業紹介状況」の「保健師,助産師,看護師」区分の新規求人数(2026年1月37,175件、5月32,533件。常用・パート含む)。転職サイトが求職者から手数料を取らない理由は次章で説明します。

なぜ転職サイトは「無料」なのか——手数料の構造を知っておく

有料職業紹介事業者が求職者から手数料を取らないのは、サービス精神ではなく法律の定めです。職業安定法第32条の3第2項は「有料職業紹介事業者は、前項の規定にかかわらず、求職者からは手数料を徴収してはならない」と規定しています(厚生労働省令で定める例外を除く)。

では誰が払うかというと、採用した病院です。日本看護協会の同じ調査では、有料職業紹介事業者を利用している病院のうち、最も利用実績のある事業者の料金設定は「定率(年間賃金総額に対する割合)」が89.1%、「定額」が5.0%。看護師1人あたりの紹介手数料は、定額で平均551,528円、定率で平均22.4%でした。

年収524.7万円(厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」の看護師の平均)に22.4%を当てはめると、1人採用するごとに約117万円。これは病院側のコスト構造であって、求職者が負担するものではありません。ただし、この構造を知っていると2つのことが分かります。

1つは、転職サイトが「決まること」に強い動機を持つ理由。もう1つは、採用コストを抑えたい病院がナースセンターやハローワーク、自院の採用ページに求人を出す理由です。どちらが優れているという話ではなく、経路によって求人の出方が変わる背景として押さえておくと、求人が見つからないときに探す場所を切り替えられます。

どの経路が自分の条件に合うか、確かめてみませんか

求人の探し方から条件のそろえ方まで、無料で相談できます。

使う・使わないを決める4つの質問

4つすべてに当てはまるなら、サイトを使わない進め方で十分に成立します。逆に日程調整の時間が取れない、条件交渉を自分でやりたくないのどちらかが当てはまるなら、無理に使わない選択をする理由はありません。これは向き不向きの話で、優劣ではありません。

ステップ1:ナースセンターとハローワークで求人を集める

手順は次のとおりです。

  1. 都道府県ナースセンターに登録する(各都道府県に1か所。看護師等の人材確保の促進に関する法律第14条により、都道府県知事が都道府県ごとに1個だけ指定しています)
  2. ハローワークで求職申込みをする(在職中でも可能)
  3. 両方の求人を同じ表に書き出す。項目は「基本給/夜勤手当と回数/賞与の前年度実績/病床数/通勤時間」の5つに固定する

見本:ナースセンターの窓口では「◯月ごろの転職を考えていて、まず求人の相場を知りたい」と伝えれば十分です。すぐに応募する前提でなくても登録・相談ができます。

⚠️ つまずきやすい落とし穴

「無料だからサポートも簡易だろう」と決めつけて、窓口での相談を省いてしまうのが典型的な遠回りです。ナースセンターは無料の職業紹介に加えて、研修や就業相談、情報提供も業務として法律に定められています(同法第15条)。つまり求人票を渡されて終わりではなく、地域の病院の状況を聞ける場所でもあります。またハローワークは全職種が対象のぶん、看護の現場特有の事情(夜勤体制、配属先の希望など)を汲んだ絞り込みは自分でやる必要があります。ナースセンターで看護職の相談をし、ハローワークで求人の網を広げる——役割を分けて使うと、それぞれの弱点が埋まります。

ステップ2:病院の中身を公的な情報で調べる

転職サイトを使わない場合、担当者から内部情報を聞く機会がありません。代わりに使えるのが公的な情報です。

  1. 医療情報ネット(ナビイ)で応募先の病院を検索する。医療法第6条の3により、病院は診療科目・職員体制・診療実績などの情報を都道府県知事に報告し、都道府県知事がその内容を公表することになっています。全国統一のシステムは令和6年4月から運用が始まりました
  2. 病院の公式サイトで「看護部」のページを開き、看護方式(プライマリーナーシング、チームナーシングなど)、教育体制、夜勤体制を確認する
  3. 病床数を控える。規模は給与と直結します

見本:確認した内容は「300床/二交代/プリセプター制度あり/看護配置7対1」のように1行にまとめ、求人票のメモと並べます。

⚠️ つまずきやすい落とし穴

公的な情報で分かるのは制度と体制であって、職場の雰囲気や人間関係ではありません。ここを混同して「ナビイに載っている情報を全部見たから大丈夫」と判断すると、入職後のギャップにつながります。雰囲気を知る手段は限られますが、見学を申し込むのがいちばん確実です。見学は採用選考とは別に受け付けている病院が多く、申し込みは看護部か事務部門への電話・メールで足ります。見るべきは設備ではなく、申し送りの様子、ナースステーションでの会話、スタッフの年齢構成です。求人票と公的情報で候補を3つに絞り、そこから見学に行く——この順番だと時間の使い方に無駄が出ません。

ステップ3:直接応募の書類と連絡を自分で進める

手順は次のとおりです。

  1. 病院の採用ページで募集要項を確認し、応募方法(郵送/メール/電話)と締切を控える
  2. 履歴書・職務経歴書を用意する。看護師は職務経歴書の提出を求められないこともありますが、経験診療科と病床数を書いた1枚があると伝わり方が変わります
  3. 問い合わせの電話は平日の10〜11時、14〜16時を目安にする(申し送りと食事介助の時間帯を避ける)
  4. 面接後、労働条件通知書を書面で受け取ってから返答する

見本:メールの件名は「看護師求人への応募について(氏名)」。本文は「貴院の看護師求人を拝見しご連絡しました。◯年間、急性期病棟で勤務しております。応募書類の送付先をご教示いただけますでしょうか」の3文で足ります。

⚠️ つまずきやすい落とし穴

直接応募でいちばん抜けやすいのが条件の書面確認です。転職サイトを介する場合は担当者が条件を整理してくれますが、直接応募では自分で確認するしかありません。面接で口頭で聞いた「夜勤は月4回程度」「賞与は年4か月分」は、労働条件通知書に書かれていなければ後から確認する手段がなくなります。労働基準法第15条により、使用者は労働契約の締結に際して労働条件を明示しなければならないとされています。内定の連絡を受けたら、承諾の返事をする前に書面を求める——これを1つ守るだけで、直接応募の一番のリスクは小さくなります。書面が出るまで返答を待つことは失礼にあたりません。

よくある失敗

  • 失敗例1:転職サイトを一切使わないと決めて、選択肢を狭めた → 有料職業紹介を使っている病院は53.1%。サイトにしか出ていない求人もあります。「登録はするが、連絡手段と時期は自分で決める」という使い方でも構いません
  • 失敗例2:ナースセンターに登録したまま放置した → 求人は動きます。月1回は窓口かオンラインで状況を更新する
  • 失敗例3:直接応募で条件を口頭確認のまま入職した → 労働条件通知書を書面で受け取ってから返答する

よくある質問

Q. 看護師の転職はエージェントを使わなくてもできますか?

A. できます。日本看護協会「2024年度 看護職員の賃金に関する実態調査」では、看護職員の確保にハローワークを利用している病院が80.6%、都道府県ナースセンターが67.7%で、有料職業紹介事業者の53.1%を上回りました。病院は複数の経路を併用しているため、サイトを使わなくても応募先は見つかります。ただしサイトにしか出ていない求人もあるため、選択肢は狭まります。

Q. ナースセンターとハローワークはどちらがいいですか?

A. 役割が違うので併用が現実的です。都道府県ナースセンターは看護師等の人材確保の促進に関する法律第15条により、無料の職業紹介に加えて研修・情報提供・相談も業務としており、看護職に特化しています。ハローワークは全職種が対象で求人の網が広く、失業給付の手続きも同じ窓口で進められます。地域の看護の事情を相談したいならナースセンター、求人数を広く見たいならハローワークが向いています。

Q. 直接応募のほうが採用されやすいのですか?

A. 採用のされやすさは病院の選考基準によるため、経路だけでは決まりません。ただし病院側のコスト構造として、有料職業紹介の手数料は定率で平均22.4%(日本看護協会の同調査)にのぼります。この負担をどう見るかは病院によって異なり、経路による有利・不利を一般化することはできません。応募先が直接応募を受け付けているかは、採用ページの募集要項で確認してください。

使う・使わないを決める前に、条件を整理してみませんか

希望条件の優先順位づけから求人の探し方まで、無料で相談できます。

まとめ

  • 病院が使っている経路はハローワーク80.6%、ナースセンター67.7%、有料職業紹介53.1%。併用が前提なので、サイトを使わなくても応募先はあります
  • 転職サイトが求職者から手数料を取らないのは職業安定法第32条の3第2項の定め。費用は病院が負担し、定率で平均22.4%です
  • 使わない場合は、ナースセンターとハローワークで求人を集め、医療情報ネットで病院を調べ、労働条件通知書を書面で受け取る——この3ステップで進めます

各サービスの特徴を比べてから決めたい方は 看護師転職エージェント比較ガイド を、登録したうえで自分のペースを守る方法は 転職サイトの電話がしつこいと感じたときの対処法 をご覧ください。サイトを使う場合の進め方は 看護師の転職エージェントの使い方、求人票の読み方は 看護師の求人票の見方 にまとめています。

参考文献

  1. 日本看護協会「2024年度 看護職員の賃金に関する実態調査 報告書」(2025年6月)(2026-09-20 閲覧)
  2. 職業安定法(昭和二十二年法律第百四十一号)第32条の3(e-Gov法令検索)(2026-09-20 閲覧)
  3. 看護師等の人材確保の促進に関する法律(平成四年法律第八十六号)第14条・第15条(e-Gov法令検索)(2026-09-20 閲覧)
  4. 医療法(昭和二十三年法律第二百五号)第6条の3(e-Gov法令検索)(2026-09-20 閲覧)
  5. 厚生労働省「医療機能情報提供制度について」(医療情報ネット)(2026-09-20 閲覧)
  6. 厚生労働省「一般職業紹介状況(令和8年1月分)について」参考統計表(2026-09-21 閲覧)
  7. 厚生労働省「一般職業紹介状況(令和8年5月分)について」参考統計表(2026-09-20 閲覧)
  8. 厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」一般労働者 職種(第1表、e-Stat)(2026-09-20 閲覧)
  9. 労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号)第15条(e-Gov法令検索)(2026-09-20 閲覧)