本文へスキップ

PR当サイトはアフィリエイトプログラムに参加しています

お悩み相談

看護師1年目で辞めたいと思ったら読む記事|約12人に1人が経験するリアルな理由と対処法

ナースの休憩室 編集部2026年9月7日 更新12分で読めます
目次

看護師1年目で辞めたいと感じるのは、甘えではありません。新卒看護師の離職率は8.4%(2024年度)で、およそ12人に1人が1年以内に離職しています。辞める・続けるの判断では、心身の不調(とくに身体症状)の有無が重要な手がかりになります。この記事では、1年目特有の離職理由、辞める・続けるの判断チェックリスト、第二新卒としての転職成功のポイントを解説します。

「まだ1年目なのに、もう辞めたい……」——そう感じて、自分を責めていませんか。「甘えじゃないか」「せっかく資格を取ったのに」と思い詰めてしまう気持ちは、とてもよくわかります。

でも、あなたは特別ではありません。統計データを見ると、1年目で辞めたいと感じる看護師は全国に大勢います。この記事では、データにもとづく1年目看護師の離職の実態から、辞める・続けるを判断するチェックリスト、転職を成功させる具体的なポイントまでを解説します。


1. 「1年目で辞めたい」と思うのは甘えじゃない

「1年目で辞めようとするのは根性がない証拠だ」——そんな言葉に傷つく必要は、まったくありません。

日本看護協会「2025年 病院看護実態調査」(2024年度データ・2026年3月公表)によると、新卒看護師の離職率は8.4%です。つまり、新卒で入職した看護師のおよそ12人に1人が、1年以内に職場を離れているということです。

新卒看護師の離職率(2024年度)/およそ12人に1人が1年以内に離職8.4%

日本看護協会「2025年 病院看護実態調査」

この数字がどう変化してきたかを見ると、1年目看護師の置かれた環境がより見えてきます。

新卒看護師の離職率の推移(2018〜2024年度)

2018年度
7.8%
2019年度
8.6%
2020年度
8.2%
2021年度
10.3%
2022年度
10.2%
2023年度
8.8%
2024年度
8.4%

出典: 日本看護協会「病院看護実態調査」各年版

2021〜2022年度に新卒離職率が10%を超えた背景には、コロナ禍での臨床実習の制限があるとされています。十分な実習を経験できないまま現場に出た新卒看護師がリアリティショックを受けやすく、離職につながったと考えられています。2023年度は8.8%、2024年度は8.4%と改善が続いていますが、コロナ禍前の2018年度(7.8%)と比べると、依然としてやや高い水準です。

いずれにしても、「辞めたい」という気持ちは、あなただけが抱えているものではありません。それは弱さではなく、それだけ現場が過酷だというひとつのサインでもあります。


2. なぜ新人看護師は1年目で「辞めたい」と追い詰められるのか

1年目で辞めたくなる気持ちは、個人の弱さではなく、1年目特有の構造的な要因から生まれることがほとんどです。主に次の3つが重なっています。

① リアリティショック:理想と現実のギャップ

看護学校で学んだ「患者に寄り添うケア」と、実際の現場の忙しさとのギャップに驚く方は多いです。「こんなはずじゃなかった」という感覚を、リアリティショックと呼びます。学生時代に思い描いた看護師像と現実の差が大きいほど、消耗感は強まりやすくなります。

② プリセプターとの相性・指導の厳しさ

1年目の職場体験に大きく影響するのが、担当のプリセプター(指導担当の先輩)との関係です。指導スタイルが合わない、厳しすぎる、無視されているように感じる——こうした人間関係のストレスは、深刻な消耗をもたらします。

日本医療労働組合連合会「看護職員の労働実態調査」(2022年、回答35,933人)で「辞めたい」と感じる理由を尋ねると、最も多かったのは「人手不足で仕事がきつい」(58.1%)でした。慢性的な人員不足のなかで、新人が十分に指導を受けられなかったり、先輩に余裕がなく当たりが強くなったりする——1年目が抱える人間関係のストレスの背景にも、この構造があります。

③ 夜勤開始による心身の負荷

1年目の後半から夜勤が始まる職場が多く、生活リズムの乱れは心身に大きな負担をかけます。同じ調査では、辞めたい理由の2位が「賃金が安い」(42.6%)、3位が「思うように休暇が取れない」(32.6%)でした。休みが取りづらいなかで夜勤が重なると、疲労が抜けないまま次の勤務を迎えることになり、消耗が加速します。

さらに同じ調査では、看護師の79.2%が「仕事を辞めたいと思いながら働いている」と答えています。1年目に限らず、多くの看護師が同じ気持ちを抱えながら現場に立っているのです。


3. 「辞める」vs「もう少し続ける」の判断チェックリスト

「辞めたい」という気持ちが続いているとき、自分が今どの段階にいるかを客観的に把握することが大切です。以下のチェックリストを参考にしてみてください。

1年目で転職を検討すべきサイン
  • 出勤前日や朝に、体調不良(吐き気・動悸・頭痛)が繰り返し起きる
  • 特定の先輩から無視・叱責・嫌がらせを受けている
  • 師長や上の人に相談しても「どこも同じ」と取り合ってもらえない
  • 夜も眠れない、休日でも仕事のことが頭から離れない
  • 「自分は看護師に向いていない」と毎日のように思う

このチェックリストは、あくまで状況を整理するための参考であり、診断や医療的な判断を目的とするものではありません。チェックが複数当てはまり、とくに身体症状(吐き気・動悸・不眠)が出ている場合は、心身が限界に近づいているサインかもしれません。無理に我慢を続けるのではなく、環境を変えることも大切な選択肢のひとつです。

「まだ転職までは踏み出せない」という方も、情報を集めることから始めれば、「辞める・続ける」の判断はより具体的になります。動き出すことと、実際に辞めることは別物です。まずは選択肢を広げるだけでも構いません。


4. 1年目でも転職はできる

「1年も経っていないのに転職なんてできるの?」と不安に思う方も多いでしょう。ですが、入職から3年以内は一般に「第二新卒」として扱われ、育成を前提に受け入れる求人が一定数あります。経験1年未満でも、転職は決して珍しい選択ではありません。

大切なのは、次の職場で同じ消耗を繰り返さないための準備です。次の章で、具体的なポイントを見ていきましょう。


5. 1年目看護師が転職を成功させるためのポイント

「転職しよう」と決意したとき、1年目ならではの注意点があります。以下のポイントを意識するだけで、転職成功の確率が大きく変わります。

① 「第二新卒歓迎」求人を狙う

入職から3年以内の転職は、一般的に「第二新卒」として扱われることが多いです。第二新卒歓迎の求人は、育成前提で即戦力を求めすぎないため、1年目でも採用されやすい傾向があります。転職先を探すときは、「第二新卒歓迎」のキーワードで絞り込むのがおすすめです。

② 教育体制を最重視する

前の職場で苦労した原因が指導や教育環境にあった場合、次の転職先では教育体制を最重視してください。「プリセプター制度があるか」「新人研修の期間はどのくらいか」「夜勤デビューまでにどんなサポートがあるか」などを、具体的に確認しましょう。求人票だけではわかりにくい現場の教育環境は、面接や見学で直接たずねるのが確実です。

③ 「辞めたい理由」を正直に整理しておく

転職活動を始める前に、「プリセプターとの関係が辛かった」「夜勤が体に合わなかった」など、辞めたい理由を自分のなかで正直に整理しておきましょう。相談先(転職エージェントや先輩など)にも具体的に伝えることで、同じ状況を繰り返さない職場を選びやすくなります。理由を曖昧にしたまま進めると、ミスマッチが再発しかねません。

④ 面接で「短期離職」をどう説明するか

1年目での転職では、面接で退職理由を聞かれることがほぼ確実です。「人間関係が辛かった」「指導が合わなかった」という事実はあっても、そのままネガティブに伝えるより、前向きな動機に言い換えることを意識してみてください。

たとえば「より教育体制が整った環境で着実にスキルを積みたいと考えた」「患者さんとじっくり関われる職場を選びたかった」というような言い方が、自然で好印象を与えやすいです。事前に声に出して練習しておくと、本番で落ち着いて話せます。

⑤ 退職前に確認しておくこと

転職を決める前に、現在の契約条件を確認しておきましょう。とくに奨学金や修学資金の返済義務がある病院では、一定期間内に退職すると返還を求められるケースがあります。契約書や入職時の書類を改めて確認するか、わからない場合は病院の人事・総務窓口に直接確認してください。

つまずきやすい落とし穴:奨学金返還の条件を入職後に初めて読む

病院奨学金や修学資金を受けている場合、「一定期間内に退職すると全額返還」という条件が設けられていることがあります。よくある落とし穴は、入職後に初めて契約書を細かく読み、返還条件の厳しさに気づくケースです。たとえば「3年未満の退職で奨学金全額を一括返還」という条件が付いていても、1年目では資金の手当てが難しく、辞めたくても辞められない状況に追い込まれます。対策は、転職を検討し始めた段階で人事・総務窓口に「返還免除の条件と金額」を書面で確認することです。返還が必要な場合も、分割での返済に応じてもらえるケースがあります。「辞めたいけれど奨学金が……」と悩む前に、まず金額と条件の実態を把握しましょう。

また、退職時の引き継ぎについては、「1年目だからやることがない」と思いがちですが、自分が担当していた患者さんの情報や業務メモを整理して渡すだけでも、次の人への配慮になります。円満退職を心がけることで、転職先でも「最後まで誠実に仕事をする人」という印象を持ってもらいやすくなります。

転職を検討するとき気になるのが、給与面です。1年目の給与は、夜勤手当が大きな割合を占めることが少なくありません。そのため日勤のみの職場に移ると、額面の総支給額(手取り)が下がる場合があります。転職時は基本給と夜勤手当の内訳を確認し、現職との差額を具体的に見比べながら進めましょう。


1年目の転職でよくある失敗例

「辞めたい」という気持ちに正直に動き出すことは大切ですが、あわてて進めると後悔につながることもあります。よくある失敗パターンを確認しておきましょう。

NG例①「とにかく今すぐ辞めたい」で次を決める前に退職する

身体症状が出ているほど追い詰められているときは、すぐにでも逃げ出したくなる気持ちは当然です。しかし在職中と離職後では、転職活動の進めやすさが大きく異なります。在職中であれば焦らずに複数の職場を比較検討できますが、無職になると経済的な焦りから「条件を妥協してしまう」選択をしやすくなります。体力的・精神的に本当に限界の場合を除いて、次の職場の内定を得てから退職する順序を守りましょう。

NG例②「辛い理由」を隠したまま転職する

「プリセプターと合わなかった」「職場の雰囲気が暗かった」という理由を正直に話すのが恥ずかしくて、「スキルアップのため」とだけ伝えて転職活動を進めるケースがあります。しかし相談先が本当の離職理由を把握していないと、同じ問題が起きやすい職場を紹介してしまうことがあります。辛かった理由を具体的に伝えることで、「その環境を避けた職場選び」ができるようになります。恥ずかしがらずに正直に話すことが、ミスマッチを防ぐ最善策です。

NG例③ 教育体制を確認せず「給与だけ」で転職先を決める

1年目での転職では、技術面でまだ不安が残ることがほとんどです。そのため次の職場でも「丁寧に育ててもらえる環境」があるかどうかが、定着できるかを左右します。「給与が月2万円高い」という理由だけで転職し、プリセプター制度のない職場に入ってしまい、さらに消耗したという失敗は珍しくありません。面接では「新人向けのフォロー体制」「夜勤デビューまでの研修期間」を必ず確認しましょう。


よくある質問(Q&A)

Q. 1年目で辞めると、経歴に傷がつきますか?

A. 短期離職がまったくハンデにならないとは言えませんが、看護師は慢性的な人手不足で、第二新卒・経験1年未満を歓迎する求人も一定数あります。面接では「なぜ辞めたか」より「次でどう働きたいか」を前向きに説明できるかが重視されます。辞めたい理由を整理し、同じ失敗を繰り返さない職場選びの基準を持っておけば、1年目の転職は十分に挽回できます。

Q. 何ヶ月くらい働いてから転職するのがよいですか?

A. 「何ヶ月で辞めれば有利」という明確な基準はありません。心身の不調(不眠・吐き気・動悸)が続いている場合は、期間にこだわらず、早めに環境を変えることを優先してください。一方で体調に余裕があるなら、次の職場の内定を得てから退職する順序を守ると、条件を妥協せずに比較検討できます。

Q. 退職はどう切り出せばいいですか?

A. まず直属の師長に、口頭で退職の意思を伝えるのが基本です。退職希望日の2〜3ヶ月前が目安で、退職理由は「前向きな言い換え」を意識すると引き止めが長引きにくくなります。具体的な手順は「看護師の退職の伝え方完全ガイド」で解説しています。

Q. 辞めるべきか、休職して様子を見るべきか迷います。

A. 判断に迷うほど心身がつらいときは、まず勤務先の産業医や、心療内科・精神科などの専門家に相談してください。休職や部署異動で回復するケースもあり、退職だけが選択肢ではありません。この記事やチェックリストは状況を整理するための参考であり、医療的な判断に代わるものではありません。無理をせず、専門家の力を借りることも大切な選択です。


まとめ

この記事で伝えたかったことを、3つにまとめます。

  • ①「辞めたい」は甘えではない:新卒看護師のおよそ12人に1人が1年以内に離職しており、多くの人が同じ気持ちを抱えています。
  • ②心身のサインを見逃さない:身体症状(不眠・吐き気・動悸)が続くなら、我慢するより環境を変えることを検討してください。
  • ③第二新卒歓迎の転職先は多い:1年目でも転職は十分に可能です。教育体制を重視した職場選びで、看護師を続けていける環境を見つけましょう。

「今の環境が辛い」と感じているなら、まずは信頼できる人や相談窓口に話を聞いてもらうだけでも構いません。1年目の経験も、必ずあなたの強みになります。

次のステップへ

今の働き方を整理したい方は、3分の働き方タイプ診断も参考にしてください(匿名・登録不要)。

参考文献

  1. 日本看護協会「2025年 病院看護実態調査」結果(2026年3月公表)2026-07-14 閲覧)
  2. 日本医療労働組合連合会「2022年 看護職員の労働実態調査」2026-07-14 閲覧)